〜進化〜151)今季コンサ分析①オールコートマンマークプレス考察

2024年07月23日

中断期間、チームは「強力トップチーム新生」のチーム再生完成に向け、急ピッチに、故障離脱復帰選手と新加入選手の融合による強化の取り組みます!ミシャのこれまでの全てを傾注し、コンサ最高チーム形成を目指します!
未だ発表の無い、6人目FWも注目ですが、この期間、今季コンサ現況・内容をポイント毎に点検・確認し、より正しく、深く理解出来たらと思います。
そんな「今季コンサ分析」第1弾は、コンサ独自戦術「オールコートマンマークプレス・マンマーク型ハイプレス」分析です。

では、、。

1.概論
 現代流マンマークプレスは、今季「リーグ主流となったハイプレス」の究極発展形として、複数チームが実施していますね。コンサが、ヨーロッパで隆盛となる現代版マンマーク戦術を、リーグで初導入したマンマークプレスは、その威力から他チームハイプレスに波及して来ました。

 マンマークは、古く誕生は、
原始的ゾーンマークとして1925-34/アーセナル・名将チャップマン発明の「WMシステム」を起源とし、その当時でも課題となった「マークを逃した背後」をリベロで対応する戦術で、かなり普及しました。
それに対抗する戦術が「ゾーンディフェンス」で、人では無く、スペースのコントロールに主眼を置き、コンパクト・密集陣で相手プレーを阻止し、合理性と効率性で、ゾーンディフェンス全盛が、現在まで長く続いています。
そんな全体戦術とは別に、古来から、セットプレー対策として「マンマーク、ゾーン、或いはその両立形」として定着、通常使用し続けて来ました。
しかし、それだけ一般化したお陰で、「マンマークの定義が拡大」し、現在、
意味特に意図・目的では2つの考え方が両立しており、混同論も多く、
そこには「コンサ・マンマークスタイルと他の多数マンマーク標榜チームとの相違」となっています。
ここでは、マンマーク分析により、コンサでの「マンマーク」定義・意味する所をあらためて確認してみたいと思います。

2.マンマーク分析
 先ずは、マンマークの意味・意図・目的での2つの考え方です。
それは、本来「相手プレーコントロール」手段としての考え方がより具体的したもので、
⑴マーク相手へのボールチャージによるボール奪取を狙うハードチャージ、
⑵マーク相手のフリー・自在プレーを制限し、ボール出し制限か、ボールレシーブ制限とのソフトチャージ、
との2つの考え方となります。
 具体的局面毎に、それぞれ使用され、
⚪︎セットプレー局面〜
⑵マーク相手のレシーブ制限・阻止により、シュートやラストパス阻止を狙います。⑴まででは無いですね。
⚪︎ハイプレス局面〜
①攻撃型守備として「ボール奪取からのショートカウンター狙い」では、完全に⑴ボール奪取狙いです。
②「相手ビルドアップ阻止狙い」では、⑵パス出し制限・阻止狙いが主眼で、副次的効果で⑴ボール奪取まで出来ればより良くなりますが、それが絶対では無く、あくまで、⑵ボール出し制限狙いです。
対して、
3.◉コンサ型マンマーク〜
⑵型ですが、パス出し制限だけで無く、パスレシーブも制限・阻止し、究極形「パス交換自体制限・阻止」すを「全相手FPマークにより全エリア=オールコート実施」となります。ボール保持者コントロールの他チーム型では無く、ボール受け手も封鎖との意図ですね。
結果的に、「マンマークプレスでボール奪取を全エリアで狙い、その地点から長中短カウンター連動」との全チーム中、唯一の「全エリア攻撃型守備と攻撃連動一体チームプレー」戦術と言う事です。

上記の通り、コンサマンマークと、他チームマンマークでは、根本目的・考え方が、全く相違し、他チームの追随は、根幹思想を変えない限り越えられない差があるものです。

コンサスタイルと、他チームマンマークとの比較では、
他チームマンマークでは、「ゾーン型全体陣形は崩さず、マンマーク実施選手が急速前進する形」です。
そのゾーン型ハイプレスのメリットポイントは、
①最前線ハイプレスを更に強度アップとするマンマークプレスで、加えて、第1チャージ選手が外されても以第2ライン選手が至近にいて、即時カバーや複数連動チャージで、更に強化出来る。可能
②ボール奪取からのショートカウンター攻撃では、自陣形維持のままのため、第1陣に加えて、第2・3陣選手攻撃参加が可能となる。
③攻撃時でのボールロストへの再奪還に、複数選手が実施可能で再奪還数増加となります。奪回手段は、2次ボール回収とインターセプトに頼るものです。
この様な3ポイントがメリットとなっています。
詰まり、「ハイプレス強度アップと、連動ショートカウンター攻撃力アップ、攻撃時ロスト時再奪還力アップ」と、守備と攻撃どちらもアップする訳です。
対して、デメリットも指摘されます。
❹ハイプレスで自陣前進となりますが全陣前進ならば、ハイラインで「縦密集陣形」は維持し選手間距離短縮化とその縦エリアのスペースカバーとはなりますが、最終ライン裏の広大スペースが発生し、カウンター・失点リスク急増となります。
❺❹のカウンターリスク回避のためハイラインを取らない選択も有り得ますが、その場合には、最前線ハイプレス選手群と最終ライン自陣守備選手群とが、股裂き状態となり「中盤空洞化」(少数配置選手)で、ハイプレス失敗・停止からの相手カウンター攻撃局面となると、中盤のフリープレーを許していまい、高精度パスや突破からの決定機多数発生となっています。
❻❹❺どちらも、そもそも、自陣スタートポジション場面では、相手マンマークプレスターゲット選手と、距離が有るため、ボール保持者へのマークやチャージ開始作動時間が遅すぎ、相手プレー後のプレス到達で、プレス無効となります。効果発揮とするためには、ハイプレスマンマークが、自陣が相手陣深くに侵入前進できた場面のみ有効と限定されるポイントです。
そして、その欠点を改善しようと、常時作動・効果発揮とするのならば、相手陣侵入を維持する時間の拡大が必須となります。しかし、それに対しても、単純対策の「有力FWを敵陣深くに置かれる」だけで、そのケアDFを配置カバーとなるため、全陣=全選手での相手陣内前進布陣は破綻し、結果的に、最前線ハイプレス選手と、最終ライン選手との股裂き状況の発生に陥ります。
そんな対応となるため、現実では、
○効果発揮となる全陣相手陣へ侵入する時間を、カウンター攻撃などの短時間限定策を主体とする方法。加えて、相手ビルドアップ不安定やミス多発局面では、例外的に実施作動、となります。最多成功ぱたは、相手陣へ侵入した攻勢時でのボールロストの再奪還活用で、不安定ビルドアップの低能力チーム状況には、最前線のみマンマークハイプレスとなっています。神戸・鹿島・町田など、近時流行[非保持型・擬似カウンター・ハイプレス]スタイルチーム戦術です。
○横浜FMや鳥栖の様な「ハイプレス少数派」は、全陣相手陣へ侵入時間帯を拡大し、自陣深くの相手FW配置策には、オフサイドトラップで無視・無効化との対応としてDFの完全カバーとはせず全選手=全陣前進、ハイライン体制、との時間帯拡大も辞さない、とのチームも存在します。しかし、何と言っても、ハイライン裏スペースリスクをカバー対応できる、「高スピード・高守備力併存DFの存在有無」が、戦績直結となり、そんな選手流出の瞬間、一気に失点増加で戦績転落となっています。
この様に、ゾーン型ハイプレスの本来的な欠点は、マンマークスタイル加味しても、戦術弱点は残っているものです。
以上の通り、戦術上検討では、コンサの独自スタイル[オールコートマンマークプレス、マンマーク型ハイプレス]の優位性は、明白です。

では、そんなコンサスタイルマンマークプレスの欠点・対抗策問題です。
それは、
「相手ターゲット選手のフルプレーに連動しコントロールし続ける」のが、マンマークの本質ですが、

[1]マンマーク作動時間60分問題
 実は、ハイプレス実施チーム全体でも「戦術効果発揮60分限定、その後急低下」問題が、頻発している現状で、「激しい上下動により、選手フィジカル消耗により、チームプレーとして効果発揮可能は、60分まで」となり、その後、一気にハイプレス強度喪失し、ハイプレス効果消滅し、攻撃的守備急低下で、守備破綻となっています。その対策は、2通りで、①試合中ハイプレス強度を低下させ、戦術作動時間を60分から延長させる、との対策ですが、当然、プレス強度低下は、守備力低下・相手攻撃活性化とし、戦績効果急落にしかなりません。この対策は失敗します! もう一つが、②ハイプレス強度は一切下げず、60分後には、同一能力選手に交代し、同戦術を維持する、との対策で、これこそ、チーム選手層次第で、資金力有る豊富選手層チームは成立しますが、そんな選手層では無いチームは、戦術転換し、守備型戦術選択チームが多数となっています。
そして、コンサでは、守備タイム・マンマークで、相手選手の運動量に完全合致した運動量が必要となり、対象ターゲット相手選手の、運動量・スピード・スプリントに追随する事が必須となり、相手選手が、運動量勝負やスピード勝負、スプリント勝負を得意とした選手では、平均値を遥かに超過した能力が必要となり、普通レベル選手では、完全追随しばしば困難となります。また、ベテランの運動量、スピード弱点選手など、追随不能マークも生まれてしまいます。マーク設定は、試合当日、その場面毎に変化するため、事前予想配置や対応も中々出来ない事ですね。
そのため、全選手が、走量・スピード・スプリント、そのフィジカル増加を図る、キャンプ、日常トレーニングで、能力上昇を図り続けていますし、そもそも論、選手獲得の絶対条件としているもので、現有選手には、走量・スプリント・スピードでは普通レベル以下選手は、存在していません。但し、フィジカルから時間限定起用として、ベテランや弱点選手も対応しているものです。
それでも、そんな走量・スピード・スプリントでも、攻守能力は、テクニック・経験・強度の選手格差となり、それが、トップ〜サブの分岐理由となっている訳です。
そして、この守備に加え、全員攻撃パフォーマンス発揮となると、コンサは他チームより短い「55分問題」となる筈ですが、前記トレーニング等の引き上げで、実際には「70分問題」となり、前試合でも、対戦浦和猛攻・3失点を許した残り「20分」課題となっています。

[2]マンマーク強度緩み課題
 コンサ特有問題として、
「マンマークが剥がされると突破選手はマーク外選手発生となり、そのカバー無しから連動マークズレを発生し、一挙に全マーク破綻」とのリスクが有り、他チームの根本対策となっています。そのため、その事態を怖がり、「マーク選手へ飛び込む=チャージをせず、マークと5m幅のままズルズルと低下する」プレー選手が複数発生しています。これは、「マークの意図=相手フリープレー完封マンマーク」を放棄する、「誤理解プレー」でして、失点起点となる「前線への高精度パス出し」フリープレーを許し、失点直結パターンとなっているものです。その選手は、中村・駒井で、頻発しています。他選手は、マーク剥がされるリスクはあっても、「積極チャージによる相手プレーコントロール」がマンマークプレスの意味ですので、果敢にチャージしますし、それが剥がされても、マーク受け渡しを行い、次担当選手が果敢・積極チャージ・プレスを実践しています。そのプレーの相違は、失点要因となっていますが、正しい指摘や分析検討もされていない様で、再発する失点パターンです。「マンマークの強度」を、意図的に緩和する事は、自滅行為そのものですね。
そして、最前線FW・シャドーによるマンマークハイプレスでは、更なる問題が有ります。
それは、[1]コンサ70分問題の波及で、一時、オールコートマンマークプレス作動を、フルタイム戦略を転換し、随時作動と、[ハイプレス強度全面低下対策]と同様な、作動時間と非作動時間を局面毎に転換し、フィジカル消耗自体を減少させ、戦術作動を試合全般に拡大する、との戦略を選択するも、当然、プレス強度低下→リスク増加→失点増加、との結果を招き、現在では、オールコートマンマークプレス作動で、高強度維持として、プレス強度は一切下げず、フィジカル低下となり、選手交代で、戦術と強度を維持し、フルタイム作動、とする戦略です。
しかし、その時、マンマークプレスの作動スイッチを、最前線FW・シャドーとしたため、そのスイッチオンオフ経験、その際のフィジカル消耗の軽さ、やり易さを知った前線選手が、結果として、「最前線守備」をサボり、放棄する場面が発生、それが、FW武蔵、シャドー駒井・小林で、しばしば、最前線ハイプレスの緩み、効果放棄を招いています。
武蔵は、シュート力消失確定(前々試合まで、シュート34本・枠内6本/枠内率14%・得点0の今季実績で、FW起用が得点獲得低下の主因として、ジョルディ本格起用寸前での「最終確認テスト起用」で、著しい結果を出さない限り、FW起用序列急降下とされた前試合で、「シュート2本・枠内2本・得点2」と驚異的結果を実現させましたが、その大成功浦和戦を加えても、「シュート36本・枠内8本(枠内率22%)・得点2(決定率5%)」との極めて不良精度で、浦和戦パフォーマンスを発揮しなければ、コンサトップチームFW転落は免れませんでした。)でしたが、前試合活躍で「これから次第!」にまで少し戻っただけで、次戦以降も、最終判断は継続中と言う状況。しかし、それに加えて、運動量・スプリント数・スピード不足、最前線守備の弱さ、ハイプレスオフプレー発生と、シュート力懸念だけで無く、守備・ゲームメーク・戦術理解でも、問題有り、です。
[3]もう一点、最近威力発揮で注目プレー問題が有ります。
それは、神戸/大迫・武藤、鹿島/鈴木優磨、浦和/サンタナ、など有力ストライカーFWが、ポジションダウンして、担当マークDF等を引き摺り出しつつ、中盤・数的優位によるマーク無し・フリープレーで、ゲームメークで効果的プレーを実施し、そこから、最前線へスプリントアップ・帰還との、上下動プレーです。
そのプレー意図は、・中盤ゲームメーク力アップ、も有りますが、・マークを引き摺り出し、その選手がカバーしていたゾーン・エリアをスペース化させ、そのスペースに別選手がスプリント侵入し、数的優位・マーク外れのフリープレーを可能とする、との複合戦術です。
この戦術は、他チームでは、分かっていても対応仕切れない至難プレーです。
しかし、コンサのオールコートマンマークプレス、マンマーク型ハイプレスでは、そのプレーは成立難くなり、実際、殆ど完封されています。
それは、オールコートマンマークプレスによるものです。何故ならば、ポジションダウン選手には、担当マーク選手がどこまでも追随し、フリプレーを阻止しますし、スペースは確かに空きますが、そこに侵入選手にも、担当マーク選手が追随し、同様フリープレーを阻止する、からですね。
この様に、コンサ戦術は、スペースコントロールでは無く、ターゲット選手のコントロールが目標・狙いで、どんなにスペースが空こうと、発生しようと、問題発生を封じる、との戦術だからです。
マンマーク戦術を実施する中、スペース発生を危惧したり、問題とするのは、
「マンマーク守備とゾーン守備の混同・混線」と言うべきポイントです。
あくまでも、[2]のマンマークを緩める選手が居ない前提です!

武蔵が、チームへ帰還するも、以前・在籍時サッカーとは、全く相違している事への、認識・意識欠如で、以前プレーをしようとしたら、戦術理解不足・チームパフォーマンス破綻も、当然の結果でした。
前試合・浦和戦大活躍後のコメントの中、気になったコメントに、「待っていてもボールが来ない、そのため、ポジションダウンし、ボールを貰いに行く事が必要」との発言が有りました。未だ、理解出来ていない、、、と言う事なんでしょうか?!正解は、「戦術で求められた規律通りのプレーは、前線からの守備、裏飛び出しやコンビネーション突破、そしてチャンスでの得点奪取」との答えでした。決して、待っているのでも、ボールが来ないでも、自主判断のポジションダウンでも有りませんね。

この様に、コンサ・現在主戦術を取り巻く考え方、プレーは、かなり複雑ですが、合理性と効果・威力一杯戦術ですね。




post by yuukun0617

17:49

コメント(0)

この記事に対するコメント一覧

コメントする