再びカーリング、イギリス戦の考察

2018年03月20日

北海道新聞に出てましたが、平昌でLS北見とイギリスの最終ショットで、ほとんどの解説者が「イギリスは簡単なショットをミスした」と言っていましたが、私は簡単だとは思わなく、違う選択肢を取るべきと思ったのですが、(自慢するわけではないのですが)、私の見立ては正しかったようです。
解説者なんて、当てにならないものです。

ちなみに、私はボーリングが得意で(200超えたこともあります)、特にスプリットが得意なので、やったことないけど、カーリングの才能あるかも知れません。

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AIでカーリング変革 北大開発、最善手や勝率提示 戦略広がる可能性

平昌冬季五輪でLS北見の日本が銅メダルを獲得し、カーリングが脚光を浴びる中、北大大学院情報科学研究科の山本雅人教授(49)の自律系工学研究室が開発しているカーリング戦略人工知能(AI)が関心を呼んでいる。AIが人間の直感とは反する判断をしたり、想像しないショットを考えたりして、競技の奥深さや新たな戦略の可能性を示したからだ。囲碁や将棋に続き、スポーツの世界でもAIが変革をもたらしそうだ。

 平昌五輪カーリング女子3位決定戦。日本が4―3で迎えた第10エンド、後攻の英国が逆転を狙った最終投は、スキップの藤沢五月選手が「負けを覚悟した」と振り返ったように、比較的易しいショットに見えた。札幌の社会人チームでプレーする山本教授も「LS北見の負けだと思った」。しかし研究室のカーリング戦略AI「じりつくん」の見方は違っていた。

「じりつくん」がこの局面で算出した英国の勝率は26%。英国が1点を取って追いつき、不利な先攻で延長戦に入った場合の勝率は22%と見積もった。さらに人間には思いつかないような英国にとっての最善手も提示した。

実際に英国の最終投は狙いを外れ、玉突きで日本のストーンが中央に残り、銅メダルが決まった。日本の勝利は「英国のミスショットの結果」との見方が専門家の間でもあったが、AI分析では英国の最終投は実は難易度が高かったことや、リスクを取っても複数得点を狙わなければならない状況に、日本が巧みに英国を追い込んでいった過程を数字で裏付けた。

このように、人間の直感よりAIの判断の方が的確という事例は、囲碁や将棋では既に当たり前のように起きている。スポーツの戦略分析でも、AI活用の可能性が広がっていることを示したと言えそうだ。

■不確実な世界 最適行動探る 道内で研究活発

「氷上のチェス」と形容されるカーリングだが、これまで戦略の研究はあまり行われていなかった。しかし近年、道内で研究の動きが活発化している。

戦略AIの開発が始まったのは2014年。翌年、情報科学によるカーリングの戦略支援を目指し、北大や北見工大、公立はこだて未来大の研究者らが立ち上げた「カーリングを科学するプロジェクト」が本格化した。

「じりつくん」はデジタルのカーリングゲームでAI同士の対戦を繰り返し、約100万局面を学習。ある局面について、エンド終了時にどちらが何点取る可能性が高いかなどを見積もることができる。想定される数万ショットの中から最善手も選択する。

ただ実際の競技のように氷の状況の変化や、氷をこするスイープによるストーンの動きを計算することはできない。提示する最善手も、選手の技術レベルや男女差などは考慮されない。

一方でどちらが有利な展開か、なぜこのショットを狙うのかなどを数字で示すことで、観戦する側の理解を助ける。平昌五輪に合わせて、どうしん電子版に掲載された「じりつくん」による分析は、会員制交流サイト(SNS)で広がり「こんな解説が同時進行で見られたら楽しい」といった反応があった。

■観戦者に分析紹介 面白さ伝える

また昨年2月の冬季アジア札幌大会では、NTTサービスエボリューション研究所(神奈川県横須賀市)がストーンの位置をリアルタイムで追跡し、観客のスマートフォンに配信する実証実験も行った。

科学技術を活用した戦略研究は始まっているが、カーリングが将棋や囲碁などのボードゲームと決定的に異なるのが不確実性だ。氷の状況は刻々と変化し、常に狙い通りのショットを放つことは難しい。

不確実な世界で最適行動を探るAIの研究は、災害時に最善の避難方法を考えるAIの開発にもつながるという。北大大学院情報科学研究科の山本雅人教授は「勝率やショット成功率など数字が独り歩きする懸念もあるが、具体的な数字を示すことでカーリングの奥深さや面白さが伝わる可能性もある。アスリートの戦略支援だけでなく、観戦の補助などAIを応用できる分野は他のスポーツも含めて至る所にある」と話している。


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