2013年10月29日
JR北海道が解決すべき問題は多いですが、やはり(何度も言ってしつこいですが)保線や車両メンテナンスを十分できるだけの体制を整えないとならなく、そのコストのためには経営基盤の強化は必須です。 2010年の賃借対照表を見ると、本業は766億円の収入に対して経費が1050億円で、差引285億円の赤字です。(四捨五入の関係で合計合いません) JRタワーなどの副業は25億円の黒字で、合計の事業損益は260億円の赤字です。 安定基金等の運用益が256億円あり、経常損益は4億円の赤字。 特別利益と特別損失を加え、最終損益は18億円の赤字です。 JR北海道は、以前は年間500億円ほどの営業赤字を出していましたが、現在はその半分程度に減っています。 職員数は民営化当初は1万4千人いましたが、現在は7000人ほどです。これほど人員を削減したので、営業赤字は半減させることができましたが、半分の人間で保線や車両メンテナンスが十分できるのでしょうか? 列車本数は減っていないので(特急は倍増しました)乗務員は減っていないはずですから、保線や車両メンテナンスの職員は半分どころではないはずです。保線スタッフ数は1/4になったと現場職員がTV取材で言っていました。 年間500億円程度の営業赤字を出してた頃は運用益も多く、1993年だと444億円もあり、456億円の営業赤字と差引すると、12億円の経常赤字で済んでいました。 現在の低金利では、職員を大幅に減らすことを余儀なくされているわけですが、安全運行に支障が出るほど減らしてしまったということでしょう。 低金利時代でも運用益が極端に少なくならないように(3%以上になるよう)政府が便宜を図ったり、300億円の補助金と、同額の無利子融資をしたりしましたが(毎年ではなく1回限り)、その程度では全然お金が足りないのです。 以前の国鉄のような放漫経営は困りますが、安全を十分確保するための最小限の予算を組めるよう、もっと補助金を出すとか、安定基金を増やすなどで財政基盤を整える必要があります。 腐った枕木も、ろくに交換できないというはあんまりです。 ただでさえ、通勤列車はすし詰めで座れないし、特急だってスーパーカムイで滝川などから乗ると札幌まで座れない人が出るのはしょっちゅうです。 (嵐のコンサートでもあれば、旭川からすでに座れません) 豊かな先進国であるはずの日本の鉄道がこれで良いのでしょうか? もう少し税金を投入し、安全で便利で快適な交通機関にすべきではありませんか? 次回は民営化したドイツやイギリスの鉄道と、財政面での比較をしたいと思います。 秘境駅第一位の室蘭本線小幌駅この型の特急列車(特急北斗と特急サロベツ)は例のエンジントラブルで現在運行休止しています。
プロフィール
1959年北海道生まれで新潟の大学を出て、横浜勤務ののち、1986年から道北に住んでいます。最初は旭川で、次に1991年から2008年まで浜頓別町に住み、2年ほど旭川へ戻ったのち、士別経由で現在は和寒に住んでいます。 コンサ観戦に行ったことがあるスタジアムは、ドーム・厚別・室蘭・函館・アウスタ・ホムスタ・鴨池・味スタ・とりスタ・平塚・カシマ・うまスタ・富山・レベスタ・ヤマスタ・キンチョウ・フクアリ・埼スタ・べアスタ・Eスタ・昭和電ド・瑞穂・トヨスタ。(サテライトでは宮の沢・士別天塩川) コンサ以外では長居(セレッソ対ロアッソ)、ユアスタ(ベガルタ対アルビレックス)、ミクスタ(北九州対ザスパ)で観戦したことがあります。
最新のエントリー
リンク集
コメント
検索