組織力<個人能力 なのか

2008年02月09日

アルセウの離脱の件は、問題点が早く剔抉できてよかった、という
声が多そうだが、そういう「むしろ後で問題になるよりも」的な
言い回しが逆に問題の深さ、危機意識の裏返しであろうな、と
思わずにはいられない。

今季の札幌においてどのポジションがより重要になるかという比較は
無意味で、どこも頭一つぶん劣っていると考えて臨むべきなのであるが
正直、アルセウが埋めるはずであったMFの攻撃の起点としての位置は
J1で戦う上で昨季から最も懸念されてきたポジションだった。
芳賀と大塚が必死になって走り回り、中盤のスペースを埋めて守り抜いた
のが勝利につながってきたわけだが、逆にDFが跳ね返したボールを
確保して攻撃に起点となる力は相対的に劣り、ひたすら相手の波状攻撃
を許す弱点だった。
そこを改良し新たな戦い方の幅を広げるための補強だったわけだから
アルセウがいなくなることはその戦い方が昨季から一歩も進歩できない
可能性がある、ということに等しい。
これで悲観的にならない方がおかしい、というくらいの大問題だろう。

先日、先週末にやっていたプレミアのリバプールvsサンダーランド
を見た。
ここしばらく絶不調で、全く勝てていないリバプールのパフォーマンス
は最悪。Fトーレスを初めとする優れたタレントたちだが、やることなすこと
裏目になり、それが悪循環を起こして前に攻めかかることが出来ない。
DFがバックパスでGKに戻すシーンが頻出し、ホームサポはブーイング
までおこす不穏さ。
サンダーランドは飛び抜けた選手はいないものの、全員が必死でプレスをかけ
リバプールをほぼ完全に抑え込む理想的な展開。アウェイで勝って降格圏から
脱出したいというモチベーションも高い。
リバプールはさっぱり得点の匂いもない。とはいえサンダーランドも
なかなかゴール前に迫るシーンはない。このままだと0完封、もしくは
ぽこんと一発サンダーランドが勝ち越しでウノゼロ?という雰囲気だった。

それが、終わってみれば3-0。リバプールの完勝。
勝因は、結局個人能力の差だった。

サンダーランドが最高のパフォーマンスを見せながら完敗したのは、
ボールポゼッションがほとんどできなかったからだ。雨の中で
リバプールの凡ミスは呆れるほどに多く、そこをついて攻め込める
シーンは多かったはずだが、あまりに中盤が非力で、攻撃が単発。
結果として完璧だった守備が個人技でこじ開けられると、リバプール
のポテンシャルが復活してしまった。

札幌は、何としてでもアルセウの穴を埋めなくてはならない。
去年までの選手もいる、マーカスもいる、とは思うが、ことが
攻撃面の起点の役割、と考えると、どう考えても厳しかろう。
中盤のシステムを何らかの形で根本的に変えて解決できる
のならばいいのだが、そこはあまり期待できないから。

全員の意識を団結させた組織力しか札幌の武器はない。
しかし、その組織力をあざ笑うような個の力の突破が上のカテゴリ
にはある。克服する道は最初から険しかった。
アルセウの離脱は、さらに辛苦の道となった。


オフの間にプレミアを見て勉強しよう

2008年02月02日

再び「たほいや」の再放送(第3回、第4回)を見ながら。

NHKのBS1で放映してくれるイングランド・プレミアリーグ。
生放送と再放送と2回もやってくれるので、見る機会も多くて
ありがたい。(主にリーグトップがらみであるのは当然ですが)
たいへん失礼な話だと自覚した上であえて言えば、日本選抜の試合
を見るよりも数倍エキサイティングだ。見ていておもしろいサッカー
というのはこういうのを言うのだろう。

で、昨夜、じゃなかったその前だな。
ウェストハムVSリバプールの再放送を見る。

やや低迷し、上位3チームと水をあけられているとはいえ、
ジェラード、カイト、フェルナンドトーレスなどなど強力なタレントを
擁し、上位についていくためにアウェイでも勝たなければならない
リバプールだったが、ウェストハムの固い最終ラインをどうにも
攻略できない。じりじりと時間が経ち、0-0のまま時間はフルタイム
に近づき、早々に帰り出すサポも出始めたロスタイム、攻めかかった
リバプールのセットプレーを跳ね返したボールをカウンターで運んだ
リュングベリーを倒してPKゲット、1点を入れた次の瞬間に笛が鳴った。

J1上位陣には札幌、こうやって勝て、という見本のような
ゲームに見えたな。

プレミアの選手って、ほんとに最後まで足が止まりませんねえ。
ハードワーク、という言葉はそれだけの体力に裏打ちされるのだね。
あの強力なマンUの試合を見ててもそうだけど、ワガママきかん坊
のイメージばかり先行してるルーニーの、前線からの守備意識、
そして走る距離はホントすごいよ。

札幌の選手らも身体に負荷を掛けて逞しくなって戻ってきて欲しいですな。


新シーズンに向けての準備(かなり吝い)

2008年01月27日

話の順序が逆になったが、先日のキックオフには行かなかった。
実は今まで一度も行っていない。別に行かない主義でもないし、
単に生活スケジュール上の問題なのだが、それでもこれが試合ならば
もっと一生懸命に行くための手はずに取り組んだだろう。

実際に行ったことがないから詳細はよくわからないのだが、もうちょっと
イベントに重要な意味合いをつけることはできないだろうか、とは
思う。選手とファンの交流はけっこうな機会ではあるが、たとえば
ビジネス的にセールスするチャンスにできそうな気もするのだが。
たとえば有名な「東京モーターショー」には、一般の自動車ファン
も押し寄せるが、それは同時に各メーカーの売り込みの場でもある
わけでしょう。
新規のスポンサーを集めるために、道内の各企業の方々を集め、
選手とファンの姿を見せつつ、うちのチームにはこれだけの
興行キャパシティと根強い人気があり、スポンサーになってくれれば
これだけの対費用効果やイメージ向上のメリットがありますよ、と
いうことをセールスする良い機会ではないのかなあ。
そういう面は見えないところでやっているのかもしれないけど
むしろ、現場のファンや選手と、現場を支える商談とが皮膜一枚
の場で接することは好影響なのじゃないかなあ、と。
従来のスポンサー企業もファンにアピールすることもできるし、
一石何鳥にもなると思うのだが。

「選手に会える」という場は魅力的だが、それ以上にチームの実体を
ディスプレイし、その魅力を外に向かって発信する場として、もっと
アピールできないかな。今のイベントの形式だと、チームとファンだけの
内向きに閉じた場でとどまってしまうのではないかと思うがどうか。

行ってないサポとしては恐縮な意見だが。
恐縮といえばもう一つ、新レプユニも残念ながら今年は見送る予定。
去年も買ってないので、2年前のでそのまま参戦することになります。
ニトリさんにもカッパさんにも申し訳ないが、最大の壁は金銭面(汗) 
しかもそれは、2月に無駄遣いするせいなので申し開きできない(汗)
 
「モンティ・パイソンDVDBOX」。それだけなら昔出たのを持ってるんだが、
そこに「日本語吹き替え付き」となると、こりゃあ見逃せないの(泣)
そしてもう一つ、みうらじゅん&いとうせいこう「ザ・スライドショー10」
全国ツアーDVDBOXも、同じ日に発売(汗) 
合わせて三万数千円なの(泣)


君子豹変

2008年01月17日

みなさんおひさし
ぶり

ストーブリーグで来季の展望を一喜一憂するのも
文字通りの狸の皮算用、夢を見すぎてもしかたないので
静かにしておりましたが、録画していた昨シーズンの総括
番組を整理して見直しながら、優勝で昇格したという結果に
糊塗されて積み残された問題点を再度確認しておきたい。

第3~4クールの大不調期に、オイラは監督更迭も視野に含めた
打開を求めたことがあった。結局それは10/13以降の
4連勝で立て直せたことで事なきを得たわけだが、それでも
実は問題点は解決し切れたわけではなく、11/11鳥栖戦の
完敗、11/18京都戦の引き分け、そして最終戦で水戸に先制
されるまで延々と続いた。

何が問題だったかと言うと、これも何度も書いたのだが、
「単に負けたからキレた」わけでは決して無くて、
その負ける理由が明らかに「札幌のとっている戦術を分析
され、その弱点を理詰めで攻略されているから」なのに、
「その弱点を埋める戦術の改良をする気配がなかった」
からだ。ゆえに露呈した戦術の穴は放置されたまま何度も
攻め込まれ、結果として失点し続けたわけだ。
岡本や大伍の残した結果が夢に終わり、10月下旬の連勝を
落としていたら、優勝どころか入れ替え戦に行っていた可能性
が高かったはずだ。

三浦監督が極めて綿密な分析をおこなっていたことは、NHK
の特番などでも広く知られるところとなっているわけで、
そこはオイラも深く感じ入ったわけだが、それでもなお、
あの秋の低迷期において何か戦術的に改良を図ることはでき
なかったのだろうか、という疑問は消えない。
結果としてTDKにすらほぼ全く同じ攻略法をとられた末に
敗北したのだから、頑固なのか引き出しがないのか虚仮の一念
なのかわからない。

4回同じ相手と戦うとなると、3、4回目にはもう相手の手の内
はわかっていて、それでもなおその裏をかき、さらに裏の裏を読む
といった、虚々実々の駆け引きになるはずだ。そこに何の裏もない
戦術をとれば、好き放題にやられてもおかしくない。
三浦監督とて裏がなかったわけではなかろうが、相手を上回るほど
の奥行きをあまり感じられなかったのが正直なところだ。
これがオイラの偏見だったらいいのだが、上記の鳥栖戦後に
岸野監督に「強い方が勝ったということ」と言い切られた裏の意味
は、そういう意味だと思うのだが。

もちろん、選手個々の能力としてそこまでのフレキシビリティを
期待できないがゆえに、変えられなかった、徹底するしかなかった
という面もあったのはオイラもわかっているつもりだ。
しかし上位カテゴリーで戦う来季で、去年とは比較にならないほど
の深刻な蹉跌に直面することは想像に難くない。その時に
何をどこまで「変える」奥行きがチームに、監督に、選手にあるか
どうか。

次回は、去年も触れた応援のことにでも触れようか。
浦和サポへの批判が年末に話題にもなったことだし。


Nothing, but EVERYTHING

2008年01月07日

年が明けて、去年に続いて七草を食い損ねてちょっとがっかりして
いるオイラですが、みなさんいかがお過ごし?

一介のサポにとっては開幕までまだ時間は長く、あれこれ
不安や期待を垂れ流してもしかたないので、前にも言いましたが
あまり口を挟まないようにしてました。
資金難の件を何度か道新でつつかれる記事がありましたが、
そんなことはとうの昔からサポも含め誰もが痛感している
ことだから、いまさら何を言わずもがなの小言をぬかしているのか
と腹立たしくはあっても、それはこれからを見てくれよ、と
言うしかないか。
(そもそも、将来の見通しに根拠がないって批判されたって、そんなもん
今のご時世に何の根拠があるものやら、そんな根拠があれば誰も苦労
せんわ、とは思うが)

まあ、我が地元のチームをどんなことがあってもサポートする、という
愛情を札幌市民や北海道民がもてるかどうか、に最後はかかってくる
のだろうけどね。流行にさとく、コロコロ目移りし、見限るのも早い
としばしば言われる札幌人気質は、とにかく難物だと思う。

さて、思わず前置きが長くなったが、ふと思ったのが来季の
チームスローガンはどうなるのかなあ、ということ。
もちろんこれも正式な発表を待つしかない(お披露目の時だよね)
のだが。

スローガンは当然、1年間のチームの主張だ。となれば、
3回目の昇格において残留することはもとより、1年2年で出戻らない
定着の素地を作ることを念頭におくべきなのだろう。

J1勢に引けはとらないぞ、という威勢の良さを押し出しても
いいのかなあとも思うが、大言壮語、という気もする。
実は、来季のシーチケのデザインモチーフが「十字軍」である
ことを聞き、「聖戦」だ、「レコンキスタ」だ、「獅子心」だ、
と関連ワードがいろいろ頭にひらめいたが、どれも今ひとつしっくり
しない。そもそも「十字軍」が結局、盲信からくる殺戮と、
欲望にまみれた侵略に堕したあげくに失敗した、歴史上の汚点で
あるのだから、どうにも意気が上がらない。
(バカバカしい仮定だが、よしんばうちのチームにムスリムがいたら
シャレにならんぞあのデザイン)

というわけで、オイラ的妄想でスローガン候補にしたのが表題。

映画「キングダム・オブ・ヘブン」だったか(うろおぼえ陳謝)
十字軍では敵の立場である英雄サラディンが、エルサレムは
お前にとってどんな価値があるのか、と問われて答えたセリフ。

「何もない。だが、全てだ」

J1に残留すること自体は、プロとしての闘う場を確保する
ということにすぎない。降格ルールがある以上は過酷な条件
だが、しかしあくまで「条件」にすぎない。
国内リーグのトップで闘うための。
価値があるとすれば、それはもちろん優勝しかないのだ。
それを逃すことは2位から15位まで何ら変わることもなく
無価値。

だが、その15位以上を得ることこそが、来季の札幌の全て
である厳然たる使命、それをこれから決まる本物のスローガンに
込めてほしいものだ、と思っている。


来季顔ぶれの予感

2007年12月24日

GK
 高木がレンタル継続の見込み、林は仙台継続決定で、
後半の顔ぶれそのままで行くのでしょうね。
 高木は安定していますが、J1では相対的に普通のレベル
になっちゃうので、さらに精進が必要かも。首尾は固いが、
ゴールキックにもっと局面打開する鋭さが加わってほしいかも。

DF
 ブルーノが抜けた後の曽田西澤西嶋池内の4人をとりあえずの
ベースとして、若手の食い込みを期待しての補強でしょうか。
レンタルが多めなのは、使い物になるかどうかの見極めが難しい
こともあるでしょう。うちのチームでは他以上に負荷がかかること
を考えれば、安易に完全移籍はできないのでしょう。生え抜きが
出て欲しいのはここなんですが、難しいですな。
 ちなみに、オイラ自身はブルーノを切ったことは残念であると
同時に、それ以上にやむを得ないと思っています。

MF
 鄭容臺を完全移籍したということは、中二人の先発は容臺と
新外人になるのだろうか。芳賀と大塚(後半でしょうが)は
サブになるのかも。ここが機能できるかどうかが生命線になる
と思うので、後記するがオイラ個人としてはFW以上にここが
勘どころになると思っている。
 両サイドは西谷砂川の両ベテランをまずは土台とし、征也
大伍岡本、さらに上里がどこまでJ1に対応できるかを見定めて
いくという方向か。まさかここに新外国人か?(個人的には
無いと思うが)

FW
 確実にここに一枚、新外国人を考えているのだろうが、
そうなるとダヴィ+新外国人。ただしこの新外国人が中山の
守備&ポストのスキルと同等で、さらに俊足と決定力を求められ
るが、果たしてそんな選手を発掘できるのかがポイント。
 もしくはダヴィ以上の点取り屋だったら、中山+新外国人。
しかしその場合は中山はおそらく守備に専念することになる。
戦術が固定しすぎるので、これはどうかと思うが。
 石井が4枚目ということか。相川の処遇はまだ聞こえてこないが、
保有FWが4人だけというのもどうかと思う。

今のところはこんなとこか。


限界状況

2007年12月23日

去年の今頃は突発的にエコパ行きを決意し、阪急さんのツアー予約
をネットで入れていた頃であります。
今年はすっかりストーブリーグですが、昇格しても優勝しても状況は
あまり光明が見えないわけで、来季果たしてどうなるのかという不安は
下手すると去年より高いのかもしれない。

戦力の確定はまだこれからなので、戦力比較がどうのこうの言う
状況ではないが、いずれにせよ相対的に最低レベルの非力な戦力に
鳴ることは間違いない。
その中で「残留」を、そして「定着」を最優先とするなら、
採れる戦術は限られ、それに合わせたメンツをできるだけ集める
しかない。選択肢は無いと言えるかもしれない。

先日、プレミアのリバプールvsマンUの試合を見た。
常に選手が走り、動き、絶妙のパス、個人技、気迫全てが充実し、
こういう試合を見たかった、と心から言えるハイレベルの試合。
しかし、残念ながらこういう試合はどう考えても潤沢な資金による
国際レベルの選手をかき集められるチームにしか許されない贅沢だ。

ならば、そういった限界の中でより有効なチーム作りをしていくしか
ない。

 よそから有能な選手を買い込むことに頼らないことだ。

 補強は重要で、それ無しでは残留は不可能だという意見は間違いなく、
その点に異はない。だが、資金がそもそも無い札幌にビッグネームを
呼ぶことはまず不可能で、しかもそれで残留しても大金で移籍されれば
それっきり。投資した移籍金はムダになり、ましてそれがレンタルでは
全く将来の展望がない。
 その意味では現在進行中の新戦力の集め方は、ほぼ正しいという印象
である。
 若すぎて海のものか山のものかわからない。他チームでトップになか
なか定着できずゲーム出場機会を渇望してる、ということは結局
二線級の選手であり、他チームとは拮抗できないだろう。地味だ。
 そういう意見もあり得るだろうが、そもそもが高価な品物を買う
資金がないのだから当たり前だ。

 ゆえに、誰もがわかっているだろうが、チーム生え抜きを産み育てる
しかない。その意味でも札幌は健闘している方だろう。あとは彼らを
向上させるとともに、チームに根付かせるようにケアしていくことだ。
個人的には補強のために大金を使うよりも、こちらに傾斜をかけてほしい
とも思う。

 個人的には実は「孟子」はあまり好みではないのだが、
「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず」
というのは、確かにその通りだろう。
 「天」を「所与の運命」と考えれば、チームを支えるべき
資金力の絶望的な貧困さ、そして「気候」と考えれば、言うまでも
ない降雪と寒冷によるチーム強化の上での障害、そして酷暑への
不利から逃れられない。いわば「天」に見放された地政学的ハンデ。
 「地」は上記に気候面の不利に加え、長距離移動の不利。これは
今季までずっと悩みの種だったが、四国東北が無くなって少しは緩和
されるとはいえ、それでも他のJ1チームに比べて最も負担がかかる。
来季も何試合かは「暑さのせい」「移動の疲労のせい」で動きが悪い
試合、もっとはっきり言えば負ける試合も出てくるだろう。

 ならば「人」を充実させるしかない。そしてそれも、天と地の不利
を思えば、もっと高い契約金を出してくれるところ、もっと活躍できる
ところ、という基準で札幌より「いいチーム」に逃げられる傾向は大だ。
ならば、そういう選手をよそから買うのではプラマイゼロになるだけ
なわけだから、なおさら生え抜きを増やすしかない。

不吉ではあるが、征也や大伍、岡本らが活躍した結果、よそから
引き抜かれて移籍していく可能性は将来的に大いにあり得る。
しかしそれを常に埋めていく人材をユースから育てる体制こそ
来期以降ますます重要になっていくだろう。

自転車操業的に能力のある選手を呼んで、青息吐息で残留しても
結局あとに残るものは少ない。
それが期待を裏切れば横浜FCの二の舞だし、バレーがいなくな
った今年の甲府のように為す術なく潰される。

広島が再降格したのは、それでも歯車が狂えば結果が出なくなる
という累卵の危うきの上に、どのチームもあるということだ。
どれほど努力しても札幌が毎年降格候補になる運命から逃れることは
おそらくできない。
しかし、それでもなお札幌を応援する悦楽を手放さないためにも、
3月開幕前までのチーム作りに手抜かりないように注視したい。


タイムワープ

2007年12月09日

気がつくと9日か(汗)

1日の夜は、やはり嬉しかったよ。宮の沢には行かなかったが
実家で試合を脳内反芻しながらうっかり痛飲し、ヱビス2缶で
潰れて嘔吐する醜態とあいなった。

2日は家に戻って、録画を見たが、なんとバカビデオが
2時で録画をストップしていやがって、ダヴィのヒーローインタビュー
の途中で終わっていた(汗) 
スカパの中継は相変わらずのハム彦のイヤミな中継で腹が立った
ので、しかたなくSTV版ばかり見ているが、録画が切れたのが
業腹で仕方ない。深夜で再放送してくれないかSTV(泣)

翌日からは、苛酷な12月のカタギ仕事で昼間の記憶がない。
帰宅すると録画を見て過ごす夜が続く。
さすがに入れ替え戦と、トヨタカップは見た。

選手の動向はマスコミの報じる範囲を出ない。
噂に踊らされても仕方ない。貧乏クラブの悲哀は、
こういう時に頑張った選手へ報い切れない歯がゆさ。
サポの身としては、彼らの価値はビッグクラブの選手と
劣る所などあろうはずもないが、数字の冷徹さに歯がみ
するしかない。

ニトリのスポンサー&追加支援は、むしろこれからの
地場企業への波及効果を期待したい。
つい威勢も良くなるが、債務超過の解消を思えば、
ニトリのスポンサー料でトントンなのだから。
オイラ的には使い道を皮算用するより、こちらの解決
を優先してほしい。

来季の戦力整備も若手から進みつつあるようでなにより。
貧乏クラブだが、あの選手がこの選手が欲しい、ではなく、
既存の選手達をまず手厚く遇し、そのレベルアップを進めて
ほしい。苛酷な北の地に優秀な選手を定着させるには、手厚い
ケアが必要だ。若手の育成とともに、ここを二本柱にしてほしい。
(横浜FCが躓いたのはここを見失ったからだ、と思うので)

他のサポがどう思っているかわからないが、前にも
オイラは言ったとおり、ほぼ現状の戦力でJ1の試合に臨まねば
ならないだろうと思っている。通用しないかも、と言っても、
そんな能力のある選手をズンドコ入れる金蔵はない、どころか
レンタル選手を引き留めることすら厳しいのだから。

苦しいと思う。勝てないかもしれない。
レベルの低さを嗤われるかもしれない。
しかし、これでやっていくしかない、と思う。
3年前も、ほぞを噛みながらも、これでやっていくしかない、
思ってやって来たのだから。


意外とダラダラ書いたな。
何も書くことはないかと思ったんだが。
そういうわけで、次回からまたイヤミなオポチュニスト、
過保護なペシミストに戻ることにする。


【スカパ組】4戦ザッピング

2007年11月25日

ここ2週間完全に風邪こじらせ。
いまもまだ鼻の奥、頭部の中央に重い砲丸が蟠っている感じ。
何もできずに丸2週間。

今日のJ2状況を追っているところ。

京都vs仙台
激しくボールの競り合い続くも、双方互角の力比べか。

東京Vvs愛媛
最初妙に堅かった愛媛のバックパスミスで先制点奪われるも、
シンプルなゴール前のロビングヘッドで同点に。
愛媛もほぐれていつもの徒競走サッカーを取り戻しつつある。
東京Vは圧倒的に攻めつつもシュートが荒い。

水戸vsC大阪
とにかくひたすら走る追いつく水戸。
やることが明確で、C大阪に決定的な仕事をさせない。
これは次節怖い。

湘南vs福岡
どうした湘南、妙にハードワーク薄く先行される。


横浜FCの無惨な降格を考える

2007年10月29日

横浜FCが揺れている。3勝しかできずにいる草刈り場っぷりは
去年のあの狡猾な試合運びに何度も泣かされた身としては信じがたい。
そして今は無神経なフロントへの非難がサポから起こっていると聞く。

去年の昇格を支えたアレモンの早逝という不吉はまた別としても、
完全に失敗した初期補強、このタイミングで?という監督更迭、
そして、先を考えず、元いた選手の神経を逆なでする途中補強、
それもことごとく失敗した。
何もかもが裏目の結果に、責任の一切を現場に押しつけて
フロントは一切責任を取らずに、次期続投を公言した社長。
ブーイングする雨中のサポに、慌てて謝罪のマイクを握るも、
わずか1分でオシマイ。これでは何もかも浮かばれまい。

結局、横浜FCにとって今年のJ1は何一つ得る物もなく、
そして多くのものを失った蕩尽の一年になった。

札幌もかつて多くの失敗を犯し、今でもそのダメージのまっただ中に
あえいでいる。しかし、そんな中で育成を諦めず、底辺の拡大
につとめ、安易な外様の選手獲得にばかり頼らないチーム造り
を目指してきた。徹底できていない部分、妥協した部分もあり、
また、想定ほどには改善できていないことも多く、油断をすれば
すぐ前に奈落が口を開けて待っているのは確かだ。その意味では
横浜FCの現状をうんぬんする資格など無い。
いや、すでに今年の横浜FCが来年の札幌の姿になるかもしれない。

オイラたちサポは(何も得てはいない現在の時点では多少気が早いが)
チームの方向性が歪み、深淵に呑み込まれたりしないように、
しっかりと見つめていかなくてはならないと思う。

そも、昇格と優勝を決めたその日の選手に、移動中のバスで
コンビニのおにぎりを配るような無神経なことをしたり、
降格ギリギリの前々節神戸戦に、経費削減を言い訳にして
神戸に行こうともしなかった、などという社長を戴いた横浜FCは
不幸だったと思うし、そんなまねを札幌サポは我がフロントにさせな
いように、見つめていかなくてはならないと思う。


地獄門

2007年10月01日

ネガティブと言われようが確信した。
札幌の戦術は、すでに解き方のわかったパズルに過ぎない。
そしてどうやら、そのネタバレ状態のまま強引に最後まで
行くしかないようだ。

連敗していた時は、そのネタバレ=弱点を徹底的に攻略された。
山形は解き方がわかっていながら、運悪く失敗し、だから札幌が勝てた。
だが、状況が一切変わっていないのは先日の結果で明らかだ。

次節以降、全てのチームは模範解答通りに札幌を攻略してくる。
もはや、札幌の勝ち目は限りなく幸運に頼るのみになっている。
戦術をステップアップさせるときがいつか来るものとオイラは
期待していた。勝てなくなった第3クール終わりがその契機になる
と思っていた。だがその期待は虚しく、札幌の、三浦監督の選択は
「同じ事をする」だった。鄭容臺を加入させたのは、その同じ事を
強化するため。そして相川の放出は新しいことをしないという宣言。

それならいい、愚直に方向性を墨守するのは好みだ。
やればいい。

だが、オイラは覚悟した。
札幌が「解かれたパズル」である以上、どのチームにも敗北する可能性
は限りなく大きくなった。
今や勝つ方が奇跡的な状況。

勝てる可能性は、わずかな幸運。
もしくは、チーム全員が相手の解法を上回る「応用問題」と化して
はね返すか。
または、誰かが不確定要素を秘めた「反逆児」になって、
バランスを取ることに必死の戦術に風穴を開け、試合のヤジロベエを
自分たちにムリヤリ傾ける選手が出現すること。




この門をくぐる者、全ての希望を捨てよ。


来季、そして

2007年09月28日

先日の夜間の山形戦、確かに半袖で熱く応援したつもりだし、
結果にも大いに楽しませてもらったのは間違いないのだ。

ただ、これで負けループから抜け出し、勝ちペースを取り戻せて
よかったよかった、と喜んでいられるかというと、天邪鬼な自分が
冷静に突っ込む。

正直、両者の戦術を考えれば、先制点を取った方が試合を決める
と言ってもいい展開だったわけで、中盤のポゼッションの割合を
鄭容臺が大幅に高めてくれた面はあったにせよ、実は試合の性格は
湘南戦とさほど変わっていたわけではない。
先制点を先に取られていたならば、0-3で負けていたのはウチだった、
という展開もじゅうぶんにあり得た、危ういバランスの上にあったと思う。

(脱線するが、鄭容臺はあの、ぶっちぎりで最下位な横浜FCで、
さらにレギュラーに定着できていなかった選手である。その選手が
一人加わっただけでめざましいほどにポゼッションが上がったこと
を思うに付け、札幌の今の戦力がJ1のレベルにおいてあまりに
絶望的な状況にあることはわかるというものだ。閑話休題)

今の札幌は、こうした危ういバランスを自分でコントロールする
事をやる力がない、というのが、このチームの不安材料なのだと思う。
札幌の「ハードワーク」の正体は、このバランスを出来るだけ相手の
方に傾けさせない、という働きだ。残念ながらこの勝負のヤジロベエを
操る個の力も、精密なチームの技術も無い。得点は僥倖に頼り、
後は必死に不安定なバランスをとることに汲汲とせざるを得ない。

相川が無念にも使われず、放逐されたのは、個の力としての得点能力
が、逆にこの勝負のバランスを崩すからだ。今の戦術では積極的に
勝負のヤジロベエをこっちに倒すよりも、ふらふらと立ったままにして
おくことが肝要であるためだ。

無論、こういう戦術はカテゴリーが上がれば全く通用しまい。
J1のチームは勝負を自分たちに傾けることのできる能力を
個のレベルでもチームのレベルでも備えており、その差が厳然たる
ヒエラルキーとして上位中位下位の定位置を作っている。
そんな中にバランスを維持することで精一杯の札幌がノコノコ
入り込んでも、勝負はあっちに倒れ放題、勝ち点の草刈り場になる
ことは、今の横浜FCを見れば明らかなことだ。

期限付移籍の相川が戻ってくるかどうかは、わからない。
オイラの印象ではレンタルの選手が他所で活躍して戻ってくる
というのはあまり聞かない話だ。活躍する、ということはその
チームの戦術にフィットするということであり、そうなれば
レンタル先は金を積んでも手放したくないだろうし、逆に
大して活躍できなければ古巣に戻るというのも選手の沽券に関わる。
(もちろん我々には去年の加賀の例も脳裏にあるわけだが)
相川の価値は、チーム戦術にもよるが、J1でこそ生きるとも
思っていたので、その彼を温存できなかったのはもしかすると
痛恨事になるのかも知れない。

事は相川一人のことだけでなく、J1に上がっても運営資金の上積みが
厳しいどころか、減額しかねない環境で、選手の強化はおろか
現状維持すら危うく、今のままでは昇格がかえってチームの息の根を
止めかねない状態にあると思う。
今の選手の底上げするにしても、今のリーグ戦の戦い方ではおぼつかない
ことはハッキリしている。

目の前の昇格が今は最優先だが、あの後を考えることを怠れば
チームの存亡にも関わるであろうことを、ひしひしと感じている。


サポーターの質?

2007年09月16日

昨日の試合後のブーイングを非難し、
サポーターの質が低い、これではJ1に行けない、
などと仰るブログを散見したが、何度も言うように
ハッキリ言って冗談ではない。

昨日の試合はたとえJ1だろうとセリエAだろうとプレミアだろうと
ブーイングに値する試合だった。(理由は既述)
あれでブーイングもせずに拍手するんなら、それこそ
選手をスポイルすることになり、チームにとって毒だ。

そもそも気になるのだが、そんなにJ1のチームのサポーターは
立派なのか?あんな試合の後にも「オトナの対応」ができている
のか?それに比べてウチのサポーターは、そんなにレベルが低いのか?
スカパー!ではわからんのだよね。そういうシーンはあっても
カメラを向けないから。

春先のブンデスリーガの中継をよくスカパのJスポーツでやってたから
ちょくちょく見たけど、まあ現金なものだと思ったよ。
チームが負けていたら、自分の選手がボールを持ってもブーイング。
チャントもせず、勝手に歌ったりウェーブしたり。
それが得点した途端に場内割れんばかりの歌声さ。
アレに比べたら札幌のサポは立派だなあ、と思ったよ。

これを行っちゃオシマイだが、それでも天邪鬼だから
言わせてもらえれば、ゴール裏に選手が挨拶に来たときに
よっぽどブーイングの代わりに「ベガルタ仙台」コールを
しようかと、一瞬躊躇したよ。
その声に選手が怒り出せば、まだしも希望はあると思うが。
結局そうはしなかったオイラは、まだ甘サポなのだろうな。