狂った感覚に悔いが残る

2006年12月03日

昨日はチームを貶す前に、まず自分がおかしかった。
どこか、のりしろがずれたような違和感がずっと抜けなかった。
風邪気味でやって来たドームはとんでもない混雑で、まず
人に酔ってしまった。東京V戦の時よりもずっと人口密度の
多さを感じた。入場者数は圧倒的に少なかったというのが
信じられないほどに。

それでも最後の試合だから、やはり歌いたい。歌って跳ねて
体温が上がって汗をかけば少しはマシになるだろう、と思い、
いつものゴル裏ピッチに向かってやや左の前の方に陣取った。

だが、どうにも集中できない。
選手紹介が頭に入らず、その後の個別コールとシンクロせず、
「あれ、この選手スタメンだったっけ?」と混乱してしまうほどに
頭が冴えない。

喉が痛くて、少し歌っただけで声がひっくり返る。
イトーヨーカ堂の薬局で買ったヴィックスのど飴(梅)を
何度も口に入れるが、今度は歌うのに邪魔になる。
おまけに、なぜか右から響いてくるはずの歌や太鼓がさっぱり
伝わってこない。耳がおかしくなっている感じ。
歌や手拍子がドンドンずれていく。いつのまにか先走って
早く歌ってしまっている。そのたびに元に戻そうとして
歌うのを停めてしまう。

ドームで応援していて、こんなにあずましくない感じは初めて。
そういう精神状態とシンクロしたわけではなかろうが、
苛立ちが募るピッチ上の展開がさらに拍車を掛ける。
いや、こっちの精神状態がピッチに伝染しているのか?
脳がテンパっているため、応援しながらイヤーな妄想が湧く。

正直、ハーフタイムはへたり込んだ。いつもなら劣勢の時には
iPodで景気の良い攻めの曲を聴いて気持ちを奮い立たせるのだが、
そんな余裕すらなくじっとするしかなかった。
いつもより人口密度の高いB自由席の、いつもは気にならない
罵声や嘲笑がやけに耳に障る。

後半も結局、自分もチームも立ち直れないまま、終了。
14000分の1にすぎない自分の不調が、あたかもドーム全体を汚染
してしまったかのような幻覚にとらわれ、動けず、声も出ない。
チームの挨拶も、サンクスウォークも、目と耳を通り過ぎていく
だけのような感覚が消えない。
最悪の応援になった不満と後悔が消えない。


幸い、風邪は悪化はしていない。倦怠感は残っているが。
持ち帰りの仕事があり、帰宅後と今日丸一日はとりかかりっきり
だった。酒や美食で憂さを晴らすことも出来ず、気分は良くない。

元旦に東京に行かせてくれとは言わない。
せめて土曜日は、果敢な試合を見せて欲しい。
だが、チームに沈殿するあずましくないムードはさまざまな
ところから漏れ伝わってくる。根拠のない情報であってほしいが、
火のないところに…とも言える。
フルパフォーマンスを発揮して天皇杯にいどめるか、
弱気になったサポの一人としては、祈るしかない。


有為転変の世の中じゃ、あ、なあ

2006年12月01日

歌舞伎の幕の直前でよく使われるセリフである。
毎年この時期感じることだ。
もっともあまり気にしないことにしてる。
仁義なき引き抜き合戦はこれからで、うちだって
さらにその混乱の坩堝になるだろうから。

天皇杯があるから、今の体制はもう少し続く。
来季仕様になるのはまだまだ。あれこれ心配しても
しょうがない。とりあえずは現行でどこまで年内
行けるか。考えるのはその後だ。
脱落するという噂のあったメインスポンサーも
大丈夫という話もある。どうなるかはホント、
来季が始まるまでわからない。そして、なるように
なるしかない。

以前のエントリで、選手をシャーマン、試合を土地を言祝ぐ祝祭
として捉える分析を途中までしてみた。
その選手がこうして浮き草のように変化していくことと
祝祭としての試合の意味とが合致するのかどうか、実はまだ
考察し終えていない。オフシーズンで再度考えるつもり。

さて、とにかく明日だ。
実はここ数日で風邪をひいた。
正直、昨日今日が少しやばかった。
明日は無理できないかもしれないが、できるだけ歌う
つもりだ。チームに感謝の布施がわりに。


師が去る12月

2006年11月28日

鳥栖も松本監督が退く。フロントに入るそうですな。
柳下監督の留任を進言するメールをHFCには送った。
これで翻意できるはずもないのだが、意思表示だけは
しなくてはならないと思った。

最近の好調にみんな気をよくしているが、今季で露呈した
問題点の多くは、実はいまだに店晒しにされたままだ。

オイラは一部の方が言う「フッキ頼み」という言い方で
現状を切り捨てるのが嫌いで、そもそも個の力量とチームの
総合力がそんなに理想的にバランスがとれていれば、札幌は
J2になんかいないわけで、そのバランスを取るべき後者が
不十分だからこそそれを向上させようとしたのがいわゆる
五段階計画だったわけだ
(どなたか五段階計画の意味がそもそもわからないと仰っていた
御仁がいたようだが、おわかりですかな?)

まあ、嫌いと言いながら「フッキ頼み」と揶揄する意図はわかるんですよ。
突出した選手の得点の派手さに隠れて、さっき言ったチーム全体の
向上をなおざりにする選手の甘え&サポの甘やかしがイヤなんだろう、
という意図は。
ただ、それならば「フッキ頼み」じゃなくて「さぼるな」と言うべき
なので、何となくフッキの存在自体がチームへの悪影響だ的な言い方に
聞こえるのがオイラはイヤなのだな。
(まあ、フッキのプレイスタイルに問題点があったのも確かかも知れない
が、諸刃の剣ということなのだろう)

とはいえ、現実に「フッキが出停だった時に全く勝てなかった」
という結果が残ってしまい、それが最後まで克服できなかったのは
何より痛恨で、このチームまだまだ個の力とチームの総合力の
バランスができてない(3年かけても!)ことが証明されてしまった。
フッキがいなくなったとして、その壁をブレイクスルーできるかどうか
大きな課題として残った。

残ることになる選手、そしてわずかながら加わる新メンバーで、
この壁を越えられるか。新監督が導けるのか。
長い冬をヤキモキしながら過ごすことになりそうだ。
今までにも増して。

2日鳥栖戦、そして9日新潟戦。
すでに選別が終わっている。苛烈だが、どのチームもくぐっている。
オイラたちにはピッチに立つ選手の一人一人を鼓舞するしかない。
できればフッキには、自らの落陽の紙価を高めるために、得点王を
とらせてやりたい。(たといチームを去ることになり、来季は恐るべき
敵となるとしても)
他の選手もまた、残る者も去る者もよりよい道を進むための
踏み切り板になるようなプレイを発揮させてやりたい。

鳥栖には、あの夏の夜の過酷な柏との消耗戦で競り勝ちながら
ボロボロで足が止まった次節で木っ端微塵に粉砕された恨みがある。
しかも鳥栖は札幌の低迷を尻目に4位に躍進し、追い越すことはもう
できない。

粉砕せよ。
こんな順位で終わるはずではなかったチームの「恨」を昇華せよ。
もしくは、こんな順位で終わってしまった必然を、最後に打破せよ。