課題が見出される庭園

2007年03月11日

帰宅してビデオで復習戦しながら飲んだクラシックで
うかうかと寝込んでしまい、こんな時間に目をさまして
しまったよ(汗)

勝ったはいいが問題点山積、という事に関しては
多くがすでに指摘しているので、今さら言うことは
あまり無いのだが…。

オイラがいちばん気になったのは、スタミナかな。
前半の終わり頃から何となくガス欠というかエンストと
いうか、全体にヘトヘト感が漂っていた印象があったこと
かなあ。
一人少なくなった相手を意外に圧倒できない、というのは
よく見る展開で、ウチも昨年10人になってから逆に勝った
試合もあったわけで、話としてはわからなくないが、
それにしても1対1で競り負けてボールをたやすく奪われたり
ゴール前にクロスも上げさせてもらえない展開多すぎ。

それと関係して、あいかわらず「苦し紛れのクリアボールが
相手への絶好のパスになる」、逆に「相手のクリアミス
を珍しくもらっても慌ててしまって対応できない」悪癖は
何度も見てしまった。
単純なパス回しすら足が追いつかず、ラインを割って相手スローインを
献上してしまうシーンも多すぎ。

ほかの方々が指摘しているものも含めて、問題点はわかりやすい
形で現れていたかな。

試合終了時、B自由席向かって右側で、歓声をあげられずに
首をかしげざるを得なかったオイラがいましたよ。勝ったわけだから
拍手はしてましたが、ちょっと消化不良感が支配していた。
他のチーム、とりわけ残りの降格組&東京Vと一巡して当たって
どこまで通用するか、が不安であり、課題かなあ。

それと、開幕戦だというのに13000強しか集まらない
札幌市民、他にもずいぶん娯楽があるみたいだねえ。
もうちょっとドームに来ないかい?
今日(じゃない、もう昨日か)いちばん不満だったのは
この点だな(汗)

ところでこのエントリのタイトルのネタがわかる人は
どれだけいるのだろう…


ディスティネーション・X

2007年03月09日

我が愛するアメリカンプロレスが(というよりもプロレス一般が)
シナリオによって演出されていること、いわゆる「アングル」の
存在はご存じの方も多いと思います。

最近はあまり足を運べませんが、演劇やミュージカルには台本があり
音楽には楽譜があり、それに基づいたパフォーマンスを楽しむわけです。

イジワルに考えてみましょう。
ガチンコでない、台本のある格闘技を見て何が面白いのか?
毎回同じ結末に向かう演劇を見て何が面白いのか?
楽譜通りに演奏し、決まった歌詞どおりに歌う曲を聴いて何が面白いのか?

私が初めてWWEをスカパー!で見始めた頃、いちばんあっけにとられた
のは、ザ・ロックの必殺技「ピープルズ・エルボー」でした。
最近は映画スターとしてビッグになりすぎてWWEに来てくれない
ロックですが、あのピープルズ・エルボーをご存じの方ならおわかりかと
思います。
どう考えても無意味なアクションによるエルボードロップにすぎない
技に、観客も当初は冷ややかだったそうです。しかもロックはレスラー
一家のサラブレッドとしてデビュー当時から会社のバックアップがあり
その露骨な引き立てへの反発もあって、若い頃のロックは四面楚歌だった
といいます。

しかし、やがてロックは観客のハートをつかんでいくようになりました。
最も大きかったのはその天性のひらめきに満ちたトークの切れ味ですが、
試合の方も衆目を引くようになりました。笑われても貶されても、
ロックはあのピープルズ・エルボーをフィニッシュ技として使い続け、
いつの間にかピープルズ・エルボーはWWE最高の技、とすら称される
ようになりました。

ロックが最初こそ嘲笑されながらも、ついにはファンのハートをつかんだ
のはなぜか。そこにはもちろん「アングル」があり、ヒーローとなるべき
演出をされていました。しかし、ファンはわかるものです。
カリスマにふさわしい実力もないレスラーを、アングルがあろうとも
トップと認めるほどファンは愚かではありません。

引き合いに出したのはロックですが、だれでもいいです。
巨体を維持するために足に古傷の爆弾を抱えつつも十数年も
トップを守り続けているアンダーテイカーでもいい。
膝を痛めてレガースをつけ、強すぎるエゴで自滅しつつも
爽快な悪のヒーローを演じ続けたストーンコールドでもいい。

彼らが愛されたのは、己のパフォーマンスをフルに発揮し続けた
からです。台本のある試合に観客が熱狂するのは、その台本の中で
彼らがいかに己の能力の限り、筋肉と骨のパフォーマンスを発揮
したからです。
楽をしよう、手を抜こうとすれば、観客はあっという間に見限ります。
ビックリするほどに敏感です。
会社がイチオシで「仕立てよう」などとしたらファンは反発します。
台本があっても、作られたヒーローはダメなんです。必死で自分の
能力をアピールし、与えられたロールプレイ以上のものを見せつける
レスラーをファンはリスペクトします。

演劇でもそうでしょう。
オイラが愛する歌舞伎ですが、様式美も相まってストーリーどころか
役者の一挙手一投足すら固定化されきっています。
観客は物語も知っているし、セリフも知っているし、
見栄の切り方すらわかっていて、それに合わせて「成田屋!」と声を
掛けたりすらするわけです。
何が面白いのか、と歌舞伎や演劇に関心のない人は思うでしょう。
しかし、オイラたちはそこで演技を輝かせる役者のパフォーマンス
に陶然とするわけです。

長々とおしゃべりしました。

何を言いたいかはおわかりでしょう。

コンサドーレ札幌、プロサッカーチーム、そのパフォーマンスを
観客は見に来る。

今の自分たちが見せられる最高のパフォーマンスを発揮すること。
彼らがすべきことは、それ。
観客のリスペクトを得、再び試合会場に足を運びたいと思わせること。

勝利は誰もが渇望していることだが、それ以上におそらくは
困難なことだ。だが、それをオイラは願っている。
そして明日はドームに行く予定である。