いいかげんに「進化」せよ

2007年07月31日

前回のエントリで、共感にせよ反駁にせよ何のリアクションもなかった
ことに、個人的には意外の勘をぬぐえず、週の半ばになってしまった。

ああいうノーリアクションなゴール裏っていうのが、とまどいなのか、
それともシラケなのか、オイラはすごく不安になってしまったんで、
あの空気をもう少し掘り下げたかったんだけど、他のブログ見ても
「切り替えてガンバレ」ぐらいしか書いてないのが多くて、少し
物足りないのであった。

「四万人作戦」の提唱がサポから提示されていて、オイラ自身は
一も二も無く賛同したいところなのだが、現実にはどうなのか、
という気持ちがどす黒く渦巻いているわけ。

先日ね、スポーツ好きで、だけど札幌には関心のない同僚に訊かれた
んですわ。
「札幌、強いの?おれ、強いんだったら見に行くけど。弱いところ
なんか応援したくないもん」

この割り切り方が札幌人、道民なのかなあ…と慄然とするが、
プロスポーツの観客というのはそうなんだろうな、と思うしかなかった。
そして、問題なのは、オイラは「札幌強いよ」とは答えられなかった
んですな。

たぶん、一般に「強いチーム」ってのは、圧倒的に試合を支配して
相手を捻り潰す、っていうイメージなんだと思うのですよ。
野球でいえば、バッタバッタと相手打者を三振に打ち取り、
クリンナップが連打連打、そしてホームランでとどめ、という
わかりやすい圧勝パターンがあって、それにプロスポーツ全てが
準じてしまう。

そういう意味で札幌の「強さ」を期待して見に来る人は、
たぶんスコア的に勝ったとしても、満足は出来ないと思われる。
実際、今年の札幌は大多数の時間を攻め込まれ、ボールを支配され、
それを跳ね返すことに汲汲となっている。
ハッキリ言ってサンドバック状態だ。

観客はJ2首位のチームの、首位に立つにふさわしい試合を
勝手に期待してきて、その落差に唖然とすることになる。
矢吹ジョーはノーガードで打たれまくりながらも最後に必殺の
クロスカウンターで勝利するからカッコイイのであって(笑)
ただ打たれまくりで亀のようにガードし、たまに運良く当たった
有効打で判定勝ち、みたいな試合では「あしたのジョー」には
なれない(汗)

「へたくそ」「つまらない」という(オイラたちサポからすれば
的外れではあるのだが)感想だけを残し、たとえ勝ったとしても
勝利の余韻もへったくれもなく、試合会場からそそくさと立ち去る。
(ましてホームでの引き分け試合の、終了と同時にゾロゾロ出て行く
観客の足の早さには、いつも愕然としてしまうオイラだ)
で、彼らは二度と会場には来てくれず、観客動員数は増えない。

前回の鳥栖戦、やや天候はイマイチだったものの、土曜昼下がりの
デーゲームで行楽によし、日ハムも内地でかぶってないのに、
なんで8千弱しか厚別に来ないか。あれだけのパブリシティを
新聞や地下鉄広告でうっているというのに。

すっかり愚痴になっているが、本題はこれから。
ポゼッションばかり出来ていても点が取れなきゃダメ、というのは
先日のアジアカップでさんざん日本選抜が言われたことではあるが、
さりとて相手がどこだろうと守り一辺倒で、大半の試合を支配されて
いるのでは、いくら勝っている、首位にいると言われても、観客としての
満足度はどうよ、となるだろうね。

オイラの理想のサッカーは、前がかりに攻め込んでゴール前で戦い合い、
丁々発止の技術の応酬の果てに点が入っていく試合であることは
変わりがないのだが、そういうサッカーが全体の潮流からはむしろ
外れてしまっていること、そしてJ2全体の傾向、昇格しないと存続が
やばい札幌の現状を鑑みて、納得はしないけれども妥協して理解し、
その上で試合に勝つことの意味なりをオイラは考えてきた。
ただ、順位と観客動員数が連動していない現状を思えば、やはり
一般の観客の目は、浅薄かもしれないが、同時に天の目だな、と思う。

長々と自虐的な事を書いたが、本題はここからで、
「もう少し何とかならないか、戦い方を進化させられないか」
ということなんだな。
相手から攻められ放題で、ゴールに放り込まれるボールをひたすら
跳ね返すのは良いが、そのボールはやはり相手の足元に収まり、
相手の攻撃がえんえんと続いてしまう。さすがにこれだけ攻められる
と失点の危険が増えるばかりでなく、見ている側も気が気じゃない。

あのクリアボールを何とかちゃんと確保し、カウンターに結びつけること
ができるようになれば、札幌は圧倒的に試合を支配できるはずなのだが、
FWまでも全員がゴール前のエリアに全員集合では、跳ね返したボールは
どうしたって相手ボールになるしかない。
跳ね返したボールをちゃんと受け取って確保するには、ゴール前に
帰らずに中央で待ち受ける選手が、せめて二人は必要だ。
西谷と、あと一人。(オイラは藤田か砂川だろうと思うんだが)
しかしそうなると当然ゴール前を守る頭数が減り、手薄になる。
しかし、そうは言ってもDF4人に守備的MFが二人、決して
枚数が少ないとも思えない。

「ゴール前の効果的な守備方法、技術の改革、向上」
「クリアボールを高確率で確保するMFのフォーメーション」

この二つを連動して「進化」させ、ゲームのポゼッションを高める。

観客に「見応えのある試合」として札幌のプレイを認識させる
には、このようにして「ゲームを支配する」姿を印象づけないと
ダメではないかと思うのだ。ま、もちろんその上で勝たないと
アジアカップのように非難されてしまうが。

補強の話が漏れ伝わってくるが、オイラ的にはあまり実感がない。
他所でも書いたが、FWを補強することに意味を感じない。
上記のようにクリアボールを中盤で確保することができなければ、
何枚FWがいたところでどうにもならないからだ。

補強するなら「ボールを確実に保持したまま相手を翻弄してゴールに
迫れるボランチ」か、「完全にゴール前を掌握し、MFとFWが守備に
いっさい気を回さなくても良いほどの絶対的なセンターバック」か、
「ボールを保持した途端に一気に相手ゴールまで駆け上がり、
正確無比なクロスを上げられるサイドバック」か、だと思うが、
そんなのいるわけねえ(笑)し、いても金がねえ(笑)

だからこそ、批判の大きいサテライトの奮起が期待されるのだが、
さりとてサテ組も試合に出られなきゃねえ(汗)
監督の手腕は大いに評価できる結果を今まで出しているとオイラも
納得だが、この点「サテ組のモチベーション維持」に関しては、
前にも触れたがオイラ少々不安だ。


この記事に対するコメント一覧

フラッ太

Re:いいかげんに「進化」せよ

2007-08-01 08:55

 コンサは今一番つらい時期でしょう。戦術も研究され、周りが着々と補強をする中コンサは思うように補強が進まない上にサテ組の突き上げがない・・・。  もちろん、三浦監督をはじめとしてそれに対抗すべくいろいろ対策を講じてはいるものの、それが目に見える「結果」として現れてこない・・・。  野球と違って、攻撃と守備がハッキリ分かれているわけではないではないにせよ、最近のコンサは「打たれっぱなし」の時間がやたら多いために尚更フラストレーションが溜まる・・・。  何とか勝ち点を拾っているものの、そろそろ我慢も限界になりそうな雰囲気。いいかげんスカッと勝ってくれよ、という気になるのは確かな話ではあります。

FT

Re:いいかげんに「進化」せよ

2007-08-01 21:20

とにかく、ここ数年の札幌の経緯を知っているサポには 理解できるものの、一般人が札幌の試合に来るように なるには、首位にふさわしい試合をしないとダメだな、 と最近の厚別の観客数の低レベルな頭打ちを思うと 深刻だと思います。とりわけ、夏の決戦と銘打って、 かなりのパブリシティをうったはずの東京V戦、鳥栖戦が 「あのザマ」です。HFCもかなり皮算用が狂ったのでは ないでしょうか。 その上に連続して引き分けでは、観客の満足度も湿って しまい、悪循環です。 今の戦い方ではムリは承知ですが、どこかホームで (出来れば地上波アリの時に)ドカンと大勝ちする 姿を見せないと、一般客はこないでしょう。 個人的には9/15の4万人作戦は、正直このままでは 画餅に終わるのではないかと危惧せざるを得ません。

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