ふと、塞翁が馬

2007年06月16日

試合的には勝てなかったのが残念だという気持ちはもちろんあって
(しかしそれも近年を思えばずいぶんゼイタクになったなあ>自戒)
試合後も、これはどう選手の挨拶に接すべきなのかその場では迷って
脱いだユニを胸に抱きかかえながら首をひねっていたのだが…。

ああ、去年のイマイチな時のアクションサッカーな札幌の試合だなあ、
とふと気づいた。
守備を固めてカウンター型の相手に、うまく攻め込めなくて
ジリジリしてる去年の札幌。

フォーメーションこそ4-4-2だが、DFの両サイドはどちらかと
言うと攻撃的な臨時職(笑)
曽田と西澤がいないせいで、4枚のラインを固めて相手を跳ね返す
壁が脆化した今日の試合。体力的に厳しい日程で疲労を考えたりすれば、
代理DFごと徹底的にゴル前を動かずきっちり固めて、相手の侵入を
跳ね返すことだけに腐心し、跳ね返ったりクリアしたボールをカウンター
することだけ考えた方が、安全だったかもしれない。

だが、今日の札幌はその選択をしなかった。
守備立て直しを命題にする徳島の意図は明白、それをあえて
知った上で、DFラインが崩れることも辞さず、攻め入った。
もちろん見ての通りで疲労の色は隠せず、パスやクロスの精度、
キープ力は不安定で、しばしばボールを安易に奪われカウンターを
喰らい、バタバタするシーンも多かった。失点はまさにその綻び。

しかし札幌の選手は前がかりに攻撃を続け、DFも参加して
逆風に耐えて攻めた。勝とうという気持ちに欠けた、という声も
どこかで見たが、疲労(そして理不尽な敗戦のショック)による気力の
衰えは確かにあったものの、攻めの気持ちはあったと思う。

DF二人が外れ、前線のくさびになる中山が不在で、
札幌はまさに去年のような「アクションサッカー」をせざるを
えなかった、と見たがどうか。
そしてこれは、ある意味で脱皮、そして進化の契機にもなる
のではないか、とオイラは今ごろ気づいて昂奮しているのだった。

札幌は、これからハイブリッドなチームに進化する。
「ゾーンディフェンスの堅守」と「アクションサッカーの攻撃」
という両立しがたいはずのパフォーマンスを複合して活用できる
高度な戦いができるチームになる。
今回の出停続出による不都合な事態が、実はターニングポイント
になるのではないかと、オイラは勝手に感じた。

贔屓の引き倒しになるのかも知れない、あばたもえくぼな
我田引水かも知れない。
だが、けっこうオイラは今日の「ヘタな試合」が
誕生寸前の陣痛のようにも思えたのだった。

次節、一週間おいた東京Vに対して、すぐに変化があるかは
わからない。出停選手が戻り、戦い方もすんなり元に戻るのかも
しれない。審判対応が無意識の足かせになり、微妙なバランスを崩し
今日の仙台のような憂き目を見るのかもしれない。
(今日の仙台戦の情報、未チェック。また審判祭りがあったのかと
厚別の途中経過アナウンスを聞いたときには思ったが)

しかし、黄紙は相変わらず多く、同様の事態は何度か陥ること
が予想される。藤田も今日のケガが心配だが、予定ではカナダの
人になる。多くの「鬆」がチームに出来る中、それを張り子の虎
にするか、それともフレキシビリティの発動のきっかけにするか、
選手各個人の向上と共に、チームの「進化」を監督に御してもらいたい
のだが、どうか?


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