越権行為

2006年09月09日

韓非子はかく語る。

昔、韓の昭侯が酔って寝てしまった。
そのとき、主君の冠を管理する「典冠」が、
見ると、昭侯が寒そうにしている。
そこで典冠は、昭侯の上に衣をかけた。

昭侯は眠りから覚めて、衣がかけられていることに喜び、
こう左右の者に聞いた、
「誰が衣をかけてくれたのか。」

左右の者はこう答えた、
「典冠の者です。」

そこで、昭侯は主君の衣服を管理する「典衣」と、
典冠を、二人とも罰した。
典衣を罰したのは、その職責を全うしていないと考えたからである。
典冠を罰したのは、典冠としての職権を越えていると考えたからである。
寒さが嫌でないわけではない。
他者の職務を侵すことの害は、寒さの害よりも重く見るべきだと
考えたのである。


職務怠慢と越権行為は、絶対に認めてはならないという
法家の思想である。全くその通りで、政治家と官僚にこの二つを
目こぼしすれば汚職のし放題になる。組織の運営においては
絶対に容認してはならないことだ。

しかし、ピッチ上における選手の姿勢としてはどうだ。
もちろん、「怠慢」は最大の罪。やるべき事をやらない選手など
即刻放逐されてしかるべきであろう。

だが「越権行為」はどうか。もちろん、自分のなすべき事を
放置しては怠慢と変わりない、これこそスタンドプレーだ。
世界にはこれで鼻つまみになりながらもトップに君臨している
選手もいるようだが、早晩報いが来るだろう(笑)

しかし、今の札幌の選手には、同僚を押しのけてでも自分が
ヒーローになってやる、という気概はあるのか。
自分に与えられたポジションですべきことを如才なくこなせば
それでやることはやった、と思っているように見えるのは
勝てなかった結果にオイラの目が厳しいからだけか?
「怠慢」をとがめられるのが恐くて、今の居場所から足がすくむ
のか?自分のミスが全体に迷惑をかけるのがイヤだ、と言いつつ
自分の攻撃性の牙を自ら抜く言い訳にしていないか?

いいじゃん、監督に怒られたって、得点して勝った方が
なんぼか未来への展望が開けるよ。
そしてそういう気骨、反骨のある選手を厳しく叱ったとしても
監督はそいつをおミソになんかしないさ。従順なウサギよりも
我の強い猛犬の方が狩りの役に立つに決まってる。

次の神戸戦で3万集めたければ、越権行為も辞さない狼になるべし。
主君が寒さで風邪をひくのを座視しているような、職務に忠実な
ウサギのお遊戯なんか見る気はないぞ、オイラは。

とりあえず、水曜日は2タテ喰らった水戸を屠殺すべし。
あの連敗をあがなうには、たとえ5-0で勝ってもたりない気分だ。


この記事に対するコメント一覧

equip

Re:越権行為

2006-09-10 10:05

お久しぶりです。 自分の役割分も仕事を全うしないのは見てて歯痒いですね。 だから、失点した時も「俺には関係ない」になってしまうんでしょうね。 いっそのこと、練習の中に災害訓練を入れてみたらという読んでの感想です。 役割分担は選手自身で決めるようにして(どんな役割があるのかも自分たちで考えされるほうがいいかもしれませんね)。 ここは監督が一切口を出さないという事で。

FT

Re:越権行為

2006-09-11 22:07

いつもコメント感謝です。 出る杭は打たれる、というのが悪しき方向で 作用しているように思われて仕方ない現状です。 監督はずいぶん鼓舞してると思うんですが…。

コメントする