碍子ってわかります?

2006年05月30日

不振のチームへの心配は、ちょっと一息。
 
タイトルの「碍子」は「ガイシ」と読む。
ご存じの方も多かろうが、電柱なんかで電線の電気が
漏電して電柱や地面に触って感電したりしないように、
絶縁する白い磁器製の物体だ。
 
で、「碍」とは今の日本人には見慣れない漢字だが、
「さえぎる」という意味の漢字だ。

ちなみに、「日本ガイシ」という会社があって、この
碍子を製造する会社なのだが、今はむしろ、その技術を応用
した「浄水器」で有名だ。「シーワン」というその浄水器は
極めて性能が高いとのことで、何とか手に入れたいと資金を
準備しているオイラである。

さて、いきなりヘンなことを言い出したが。

社長ブログを見て、以前から触れていた「食育」がらみの
話題を読んでいたのだが、ふと言葉の問題で気がついた。

「障がい」「障がい者」という表記だ。
以前聞いたことがある。
「障害」の「害」という字は、まるでその存在が「害」
のような連想を起こし、障害を持つ人々への差別に繋がる
ので、使わないようにしよう、ということで、この
「障がい」という表記が出来たとか。

オイラも「障害」という表記はよろしくないと思う。
だが、その理由はやや異なる。
実は周知のことだろうが、「障害」という表記は本来
存在しなかったのだ。

正しくは「障碍」
そう、「碍子」の碍だ。
障も碍も、ともに「さえぎる」「じゃまする」という意味で、
何らかの邪魔になるものが存在する、という意味だ。
かつては「障碍者」と書かれていた。
肉体的機能に何らかの「さえぎる要素」が存在している人。
事実を正確に捉え、しかも無用な差別意識をかき立てることもない、
何らの問題もない表記である。

それが「障害」と書かれるようになったのは、いわゆる戦後の
漢字制限のせいだ。全く罪作りな話で、健全な漢字をわざわざ
使えなくし、誤解を生む表記をやむなく作り、それが今や
ひらがなで書くハメになった。

話を戻して、オイラは社長をどうこう言うわけではない。
ただ、この「障がい」「障がい者」という表記はいただけない。

理由は二つ。
まず、漢字とひらがなの組み合わせで熟語を表記するのが
ゲシュタルトとしてみっともない。
「ら致」とか書くのと同じだ。熟語の統一性を失った、恥ずかしい
書き方だからだ。

もう一つ、こっちの方が問題だ。
「障がい」とひらがなで書くことによって、自分は差別的な
言葉は使いません、という態度を表明しているというつもりに
なるのだろうが、実はこれが逆効果なのだ。
読んだ側はこの「がい」とひらがなで書かれた表記を見て、
逆に消されてしまった「害」という漢字をむしろ鮮明に透視して
しまうのだ。
むしろ従来通り「障害」と書いた方が気がつかれない分だけ、
罪がないほどである。

で、どうだい。
「障がい」なんてみっともない上に、反差別の自己満足と
裏腹の毒を孕んでしまう表記も、もちろん戦後に便宜的に
でっち上げられた「障害」もやめて、旧来の表記である
「障碍」を使えば良いんじゃないのかな。
碍って字が難しい?いやいや、今だって電柱にはちゃんと
「碍子」はあるんだから。

以上、言葉の問題をちょっと考えてみました。


この記事に対するコメント一覧

へたれ

Re:碍子ってわかります?

2006-05-30 22:31

こんぬつは。 碍子は知っていますが、「障碍者」と表記をしていたことは知りませんでした。 一つ勉強になりました。 有難うございます。 貴殿の、「障がい者」という表記をやめるべきという論には理由も含めて賛成です。 得意げに「障がい者」を使用する人は偽善者でしょうね、意識するとしないとに関わらず。 札幌市長の上田某も然り。

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