こんな時にナンだが「結果が出なかった」という言い回しについて

2006年05月28日

数日いろいろあって更新も出来ないまま試合の日を迎えて
しまいました。
リンクを快諾してくださったたじさんに遅ればせながら
お礼申し上げます。
 
さて、タイトルのこと。
最近かな、スポーツ紙あたりで言い始めた言葉だろうか。
この「結果が出なかった」という言い回し。
 
おかしいよね。
結果は出ている。
昨日の試合については。
「負けた」という結果が。
 
だが、現実に今のオイラたちの周りにはこの言い方が蔓延している。
「がんばったが、結果が出なかった」
「期待されたような結果が出なかった」
スポーツだけじゃなく、仕事にも使われてる。
以前、ニュースで日中交渉の担当の外交官がこういう言い方をした
のを見て、吃驚仰天したことがある。
 
ふと考えた。
「結果を出す」という言い方は、明らかに「良い」結果という意味だ。
スポーツで言えば「勝つ」=「結果を出す」という文脈。
ということは、「負ける」ことは「結果ではない」のか?
でも「結果の存在しない行為」なんてあるはずはない。どんな
行動をとっても、その結果どうなったか、は必ず存在する。
なのに、今のオイラたちは平気で「結果を出す」という言葉を
使っている。

つまり、現代の人間にとって「失敗」や「敗北」は結果のないこと、
すなわち「無意味」であり「無価値」である、ということになる。
存在の意味があるのは「勝利」や「利益」だけであり、それを生み出す
ことだけに存在の価値がある、と思っている心理の裏返し、と
言えそうだ。

そう気づいたオイラは、すぐに「勝ち組」「負け組」の忌まわしい
単純な二分法と、そして「負け組」には生存価値もない、とすら蔑視
しがちな現代社会の風潮を連想した。
 
敗北や失敗はより良い将来への糧であり、増長や奢りを戒めつつ、
向上を図っていこうとする人間の「教え」だった。それが連綿と
続いてきた人間の知恵だったはずだ。
 
話を戻す。
昨日の試合で札幌は1-2で負けた。
それが結果だ。残念ながら。
 
だが、無価値ではないし、無意味でもない。
ご覧になった方々はわかるが、彼我の差ははっきり存在するが、
決して手の届かない差ではないはず。今回の敗北や屈辱は、
必ず糧になるはずだし、そうなってもらわなくては困る。
何より選手がこの敗戦を無価値だと思ってもらっては困る。
何としても向上の資としてもらわなくてはならない。
 
そう考えるオイラは、確かに勝利に飢えたサポの一人であるが、
今さら今までやって来た蓄積を「結果が出ない」からと言って
ご破算にすることの方を恐れる。

どんなにみっともなくても勝利を、勝ち点3を。
そう思うサポの心はわかる。

だが、敢えて言う。
今は「やせ我慢」するべきだ。
このスタイルを墨守し、このスタイルで勝てるようになる実力が
熟成されるのを、今しばらく辛抱して待つべきだ。

3年目にもなるのに、と思うだろう。オイラも正直歩みが遅いと
思っている。
実際、対戦チームからは与しやすい、勝ちやすい相手と思われ
侮蔑的な言説を何度も吐かれたし、身の程知らずと言わんばかりの
冷たい視線を浴びせられてきた。
特に先日の水戸や、昨日の柏からはあからさまに札幌を嗤うコメントを
吐かれ、オイラは正直はらわたが煮えくりかえっている。

だが、今は耐えるべきだと思う。
未来に「良い結果」を出すために。
その未来は遼遠なように見えるが。


この記事に対するコメント一覧

equip

Re:こんな時にナンだが「結果が出なかった」という言い回しについて

2006-05-28 09:30

お久しぶりです。 成長の過程には必ず「足踏み」状態の時期があります。今がその時期なんでしょうか。 五段階計画の三段階目らしいけど、5カ年計画の3年目ではないということですよね。 昨年のメンバーよりはレベルアップしているでしょうが、全員まだまだ「学習」が必要だと思っています。

comchan

Re:こんな時にナンだが「結果が出なかった」という言い回しについて

2006-05-28 10:00

初めまして。 「結果を出す」という言葉に反応しました。 私の職場でも、「結果を出せ!」という言葉をよく言われます。(ちなみに職場は試験・研究機関です。) でも、良い結果が出ていなくても次の研究のための布石になることが多々あります。また、その達成できなかった結果の原因を調べ、検討することにより、次の段階で良い結果が生まれることも多いです。 スポーツでも同様だと思います。良い結果が出ないので「もうやめれ!」というのは簡単ですが、それを次のステップの礎としていく環境も大事です。

rocket2号

Re:こんな時にナンだが「結果が出なかった」という言い回しについて

2006-05-28 10:00

初めまして。 わたしもずっと気になっていましたよ、 「結果を出す」という表現方法について。 これだけ普通に使われると、もう「それは間違っている!」と言っても無駄なんでしょうね。 せめて、自分だけはそういう表現をしないようにしていますが…。

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