足らぬ足らぬは

2005年11月14日

「気持ちで負けるな」という言い方もよく聞きます。
確かにやる気は大切。それはサッカーのみならず
仕事でも趣味でもそうですな。
 
ただ、ごめんなさい、あくまでこれは個人的な気持ちですが、
「精神力で勝てるなら、どこも負けやしないって!」
ということも思う。

残念ながらサッカーも戦争も、物量が最後には勝つのよね。
潤沢な資金で優れたタレントを揃え、優れたスタッフの
バックアップで固めた側が最後には勝つわけだ。
局地的には偶然の差配が働いて番狂わせもあるが、
最後に生き残って凱歌をあげるのは、「豊かな方」に
なるわけだ。
 
すでに日スポでは来季の選手の構想が語られ出した。
つまりは、現有戦力は(全部ではないにしろ)はじき出される。
勝つ能力がないと判断されるわけだ。リストラだな。
個人的にはものすごくツライが。チーム全体と同じくらいの
重みで選手も大事だからね、ファン的には。
 
話がずれたが、個人的にあんまり「精神力」を振り回したく
ないってこと。
敗色濃厚でも「大和魂」なんて言葉で多くの若い人々を戦火に
散らせてしまい、貴重な才能をあたらムダにしてしまったあの
戦争のことを考えると…。
 
安全なところでのうのうとしながら、前線にはまともな支援も
与えずに、足りぬ足りぬは工夫が足りぬ、とスローガンばかりで、
精神力を押し立てて国民を死地に向かわせた権力者の醜さだけは
真似したくないんだよなあ。
 
じゃあ、お前がその「物量」とやらをチームに与えろよ、
という非難も当然くるよね。
その意味では、この気持ちもただのわがままなんだが…。
 
「気持ちをみせろ!」という言葉が上滑りして、
選手の心身をすり減らす状況に追い込むことだけは
正直避けてほしいんだ。
極論すれば、気持ちなんか後回しにしても勝てるような
そんな戦力、技術が備わるチームへと、早く進化してほしい。
チームが豊かになれば…。



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