祝祭としての試合(2)

2006年04月22日

柏との初戦を前に、自己満足な以前のエントリの続きを書いて
時間つぶしに。
 

 
さて、最近はカラフルなボールも増えて、先日はW杯決勝専用の
adidasの黄金ボールなんてのがドイツで公開されておりましたが
やはり「サッカーボール」というと上のようなのがイメージされる。
ウィキペディアによれば、60年代にadidasがW杯のボールサプライヤ
になって以来のものだそうである。
しかし、なぜこのデザインなのかはウィキでもわからなかった。
 
黒の正五角形12個と、白の正六角形20枚。
数学的には切頂二十面体と言うそうだが、その辺はよく知らない。
 
骨の髄まで文系で、しかも中国好きのオイラがこれを見て
即座に想像するのは、こいつだ↓
 

 
韓国の国旗でおなじみの「太極」だが、本来は中国の「易」の
概念による「陰陽」図だ。
簡単に言えば黒(陰)と白(陽)が「混沌」から分化して
「世界」を構築していくさまを表しているわけだ。
その陰と陽の割合比を「八卦」で示し、8×8の六十四卦で
細密化して、占いなどに応用しているわけである。
世界の仕組みがわかれば、先のこともわかる、というのがこの
易による占い、というわけ。
 
サッカーボールは五角形(角が奇数=陽)が12、六角形(角が
偶数=陰)が20なので、数値比は12:20=3:5になる。
やや陰気の方が強い存在と言えるか(笑)
しかし色彩的には陰が黒で陽が白だから、その比は逆転し、
うまく平衡状態をとってもいるのだ。
 
さらに言えば、五角形も六角形もオカルト的には極めて強力な
図形であることをご存じの方は多いだろう。
 
正六角形は、正三角形を二つ、上下逆にして組み合わせた六芒星
(ヘキサグラム)の頂点をつなぎ合わせて出来る。歴史的には
「ダビデの星」としてユダヤ人差別に使われた負の側面があるが、
今のイスラエル国旗にも使われていることからわかるとおり、
本来はユダヤのアイデンティティを示しており、おそらくは
ユダヤ教神秘主義「カバラ」に関わる図形だ。
また同時に、日本ではこの六芒星は「籠目紋」と言われた。
ケチャップで有名な「カゴメ」にもこの紋はいまだに使われている。
「籠目」は「無数の目」を表し、悪鬼邪霊をその眼力で払う魔力を
持つのだ。
 
同じ伝で言えば、正五角形はその内部に「五芒星」を含んでいる。
安倍晴明を引用するまでもなく、上記「陰陽」同様に宇宙の変転を
示す「五行」を表す図形として、強い魔力を秘めているので有名。
海外でも「魔術」そのものを示す図形として知られているし、しかも
その一辺が黄金比分割されていることからも図形的に美しい。
何よりコンササポなら「サッポロビール」の商標でおなじみだ(笑)
 
強烈な魔力を含んだ二種類の図形を、黒白で塗り分けて構成し、
その陰陽のバランスをきれいにとりつつ、ほぼ球形に構築した
このボール。
本来は単なるデザイン的に作られたものだったのかもしれないが、
見れば見るほど不思議な構造物だ。
 
一個の宇宙であり、変転する混沌を封じたパンドラの筺でもある。
そして強烈な魔力を帯びた、多くの運命を左右するデヴァイス。
 
その「宇宙」そのものを操る選手は、同時にその「宇宙」に
支配されている。
そして、「宇宙」の力をよりおのがものとできた選手が、
勝利の栄光に近づくのである。

(続くのか?)



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