レコンビンがベカメックス(Vリーグ王者)との3年契約を正式発表。札幌は獲得ならず

2014年10月17日

レコンビンが、2014年ベトナムリーグ王者のベカメックス・ビンズォンと3年契約したと、
ベカメックス・ビンズォンの公式サイトで発表されました。
ベカメックス・ビンズォンのリリースはこちら
ベカメックス・ビンズォン公式のレコンビンインタビューはこちら

インタビュー全文翻訳したのですが、長いのでポイントだけ。
・ベトナムリーグ王者であるベカメックス・ビンズォンとの契約に満足しています。
・契約金については公開しない約束になっています。
・今回の3年契約がキャリア最後の契約となります。
・妻とまだ小さい赤ん坊との家族の時間を大切にしています(昨年子供が生まれた)。
 このためインドネシアからの契約交渉をすべて断りました。
・2008年のAFFスズキカップの再現という夢を実現するために全力を尽くします。
 (レコンビンの終了間際のゴールでベトナムが初優勝を飾り、英雄と呼ばれるように)
・今回も「Consadole Sapporo」の文字が踊っています。

とまあ、2013年の札幌をいろんな意味で湧かし、
Jリーグの持つ新たな価値と市場を意識させてくれたレコンビン。
私の中では特別な存在で、ついベトナム代表として大阪で合宿中の彼に
会いに行ったわけですが、メディアを通す彼と、サッカー選手の彼と、素の彼と、
いろんな顔を持つスーパースターの大変さを感じつつ、今後も活躍してほしいです。


なぜレコンビン(元コンサドーレ札幌)との交渉が破談したのか?(反省点など)

2014年01月10日

レコンビン交渉失敗の過程を未練がましく書き連ねます。

失敗の原因
プロとして結果を残せなかったフロントのいくつかの判断ミスとスピード不足と力不足と金不足
開幕まで1ヵ月を切ってなお所属元の地元スターでエースFWをブン取る姿勢を貫いた札幌の力不足


前回記事に書いた移籍交渉の背景を前提に書き連ねます。
レコンビン契約満了の背景と経緯と本人コメントまとめ


圧倒的に不利な状況でコンサドーレ札幌は、
ソンラム・ゲアンが満足できるような条件を提示できなかったのですから、
相手を納得させる財力も、交渉力も、それができる人材もまだなかったと解釈しています。
本人の意向がどうあれ、交渉はあくまでクラブ間の話であり、
交渉先を納得させられなかったコンサドーレ札幌のフロントに力が足りなかった。

ベトナムのクラブ(企業)の日本人的な感覚で言う稚拙さは今に始まったわけではなく、
ベトナムという国の社会や商慣習や気質を経験していれば、
押し切るべきタイミングはある程度までは分かったはずで、
それを迅速に対応できる人材がいないんですね。
そんな感想から、コンサドーレ札幌はフットボール・ビジネスの世界でまだまだ未熟と感じました。
同時に、この交渉の過程で得た経験は、今のところ他のクラブにはない大きな財産になりました。

札幌のミステイクを挙げると、3つあると考えています。
1)相手クラブの契約下にある選手に交渉の一部を託した
2)時間をかけすぎた。合意に達してから調印までに間を空けすぎた
3)交渉すべき相手を見誤った(社長の上に会長がいた)

交渉先の契約下にある選手の獲得に対し、
選手の意志をアテにし、交渉の一部を選手に託し、最終決断を選手に迫るという動き方。
これでは、札幌側に主導権を持ってこれない。
それどころか、主導権が選手にある状態。
ここで、現地に張り付けるクラブの責任者や代理人がいなかったのは痛かった。
報道を鵜呑みにすれば、レコンビンは札幌にもゲアンにも「残留したい」と意思表示していました。
この言葉にはウソはないでしょう。
ただ「相手側に断ってでも」という発言はありませんでした。
多くのものを背負うスターの重荷ととらえるべきか・・・。

もう1つの判断ミスがありました。
12/27の朝、最後にチャンスが生まれ、ソンラムゲアン公式でも移籍を容認する内容のコメントを発表した。
これはnikkanの報道で「札幌の仕事納めだった12月27日時点では、調印を残すだけだった」
とあるとおり、双方同じ動きをしているので間違いは無い。
しかし、「年明けに発表することで合意していた。」って、
下手売ったなあというのが正直なところ。
調印を年明けにするというのは、間を空けすぎ。遅すぎ。
夏の交渉でも「前日と言ってることが違う」という経験が活きていない印象。
相手の気が変わる前に、すぐにでも飛ぶべきだった。
合意してから飛ぶようじゃ遅いんですけどね。
やはり、現地張り付きの責任者がいないのは痛かったです。

一連の動きの中、道内メディアとベトナムメディアでは、後者の方がより情報(特にコメント)が多かった。
現地取材するわけでもない道内メディアを信頼しうる材料は、チーム関係者のコメントくらい。
まあそれは、向こうも同じか。
改めてよく分かったのは、一方のメディアだけを鵜呑みにするのは、実に危険だということ。
双方のメディアから出てくる当事者のコメントを中心に事実と真実を読み解く力が試されます。

nikkanの報道にある三上GMのコメント
「信頼関係を再び築くのは難しいし、再び獲得に動くことはない」は
裏があるように感じており、うまいこと釘を打つなあと感心してしまいました。
あの報道を真に受ければ、他のJクラブはベトナムの選手獲得に二の足を踏むでしょう。
交渉失敗の矛先を他に向ける効果もありましたから、
ああ言うしかなかったんじゃなかろうかと思いますが、腹の中は分かりません。
もし、年明けにレコンビンと契約できていたとしても、
ベトナムリーグ1週間前に、国民的スター選手をブン取った印象が残りますから、
12月中頃に決着できなかった時点で、負け戦だった印象は否めません。
行動力がある人物なら時期とタイミングを見計らって、獲得交渉に動くでしょう。

ちなみに、今回交渉相手のソンラム・ゲアンについては、
交渉過程の文書をメディアに公開するという信頼を失墜する行為があったのは事実ですので、
三上GMの(というよりメディアの)発言(「信頼関係を・・・」)は、レコンビンに対する信頼ではなく、
交渉相手のソンラム・ゲアンに対するものと解釈してます。
ここまでしてブチ壊す覚悟があったのは大したものです。


昨年の古田移籍交渉における交渉先のレターに対する受け止め方といい、
今回のレコンビン移籍交渉における相手との合意の受け止め方といい、
コンサドーレ札幌の文化なのか、社風なのか、
押しの弱さというか、畳みかける折衝力の不足を感じています。
今の財力では、そういう力を持つ人を自前で育てるしかないのでしょうか。
ヒト、カネ、チカラ。
全てが今一歩足りなかった。
そんな印象です。

ウダウダ書き連ねましたが、圧倒的に不利な交渉で、時間切れになった後で、
一度は相手から合意を引き出したことは、
素直に「難しい交渉を経て、よくやった」と高く評価したいと思います。
これを、次の東南アジア戦略へ繋げてほしいです。

つづく


レコンビン契約満了の背景と経緯と本人コメントまとめ

2014年01月08日

コンサドーレ札幌のレコンビンの移籍契約交渉について、
ベトナムのクラブとの交渉がとても難しいものであることが分かるなど、
いろいろ学ばせてもらった感がありますが、移籍交渉の背景をまとめておきます。


今回の移籍交渉の前提として、圧倒的に札幌側に不利な状況だったことがあります。

★レコンビン自身の背景
1)レコンビンは2014年シーズン終了までソンラム・ゲアンの契約下にある
 (=交渉相手はレコンビンではなくソンラムゲアン)
2)ソンラム・ゲアンのユース時代からの生え抜き選手
3)ユースから昇格し若いうちにソンラム・ゲアンでスターになった
4)2012年の所属先ハノイFC消滅後に行き場を失ったが、地元のソンラム・ゲアンに救われた
5)優勝争いと得点王争いの最中、最後の1ヶ月で移籍し、優勝も得点王も逃し、チームに負い目がある
6)中心選手として2014年の優勝と十数年ぶりのベトナム人得点王を期待されている
7)昨年1月に子供が生まれたばかりで単身赴任してた(ベトナム人は家族を大切にする)
8)晩年は、自分を育ててくれたソンラム・ゲアンに復帰したいという希望があった

★ソンラム・ゲアンの背景
1)ベトナムVリーグの開幕が1月11日からと、例年より1カ月以上早まった
2)ソンラム・ゲアンの中心選手が他クラブへ移籍してしまい、選手層が薄くなった
3)資金力ではVリーグで真ん中くらい
4)金が無いので、最後は金以外の部分でなりふり構わず残留交渉してブチ壊す覚悟アリ
5)やはり、ソンラム・ゲアンはベトナムのクラブであった

★コンサドーレ側(Jリーグ)の背景
1)出場機会が確約されたわけでも、多く出れる保証も無い
2)レコンビン加入後、ベトナム関連企業からのスポンサー収入が分かりやすい形で発生した
3)Jリーグ提供以外の試合中継による放映権収入が発生した
(収入面は、足元を見られるには十分な効果がありました。)

★コンサドーレ側が有利に運びうる材料
1)レコンビン自身の札幌でやりたいという意志
2)日本で通用したというキャリア
3)なんとか準備できた満額移籍金(24万USD)
(なんと、これだけ。)

代わりに選手を送り込むこともできましたが、
自国のスター選手と、活躍できるかどうか分からない日本人を天秤にかければ、そりゃ前者を取ります。
なので、これは大した材料にならず。

ここからは、札幌とソンラム・ゲアン双方の選手に対する条件提示合戦を経て、
ソンラム・ゲアン側が最終手段を投入して全てブチ壊すのか、
札幌側が移籍金上限を上乗せするかのチキンレースになったわけですが、
時間切れとともにソンラム・ゲアンの最終手段投入で終焉となりました。
札幌側は決してブレることなく、限界を超えなかったあたり、過去の教訓が活きている証拠です。
(10年前のコンサなら積んだような気がします)


ここからは、年末の動きだけをまとめておきます。
ソースは沢山あるのですが、翻訳が面倒なので、
ベトナムフットボールダイジェスト(全て日本語)に絞っておきます。

12/26
ソンラム・ゲアン(SLNA)のホー・バン・チエム社長は26日、
SLNA復帰かコンサドーレ札幌への移籍かで去就が注目されるレ・コン・ビンについて、
移籍を容認する内容のコメントを発表した。
vietnam-football.com(12/27)←Bongda+12/27

12/28午前
ソンラム・ゲアン(SLNA)のグエン・ホン・タイン会長は28日、
グエン・フー・タン監督およびレ・コン・ビンの両名を交えて会議を開いた。
それによると、同選手が来シーズン、SLNAに復帰することで、合意に至った。
(会談での発言や、その後のレコンビンコメントあり。一番まとまっているので必読!vietnam-football.com(12/29)←Bongda+2013/12/28

その後のレコンビンのコメントその2
12月28日午前中のセッションの後、グエン・ホン・タインCEO、
グエン・ヒュー・タン監督と同席し、私と一緒にプレーするよう求められた。
チームリーダーとして私が残留することに同意するものとします。
2014シーズンは私がSLNAのユニホームを着て戦う。...
Bongda2013/12/28

1/4
ソンラム・ゲアン(SLNA)は4日、
ホアンフック・インターナショナル社とユニフォームやトレーニングウェアなどの供給に関する協力契約を締結し、
KAPPA製の新ユニフォームを報道陣にお披露目した。
契約額は年間20億ドン(約1000万円)。
 SLNA復帰が決定的と言われているレ・コン・ビンも新ユニフォームの発表会に出席し、
背番号9番のネーム入り新ユニフォームをお披露目した。
vietnam-football.com(1/5)←Bongda2014/1/4


今回のエントリについて。
クラブは「終わったこと」としか言わなそうですが、
事実とメディアの情報から漏れる一部の真実から、
過程を分析して、今後の糧にする必要はあると思います。
これまでにない大きな経験をしておきながら、結果が伴わなかったからといって
反省も振り返りもしないなんて、もったいないですし、
「北海道から世界へ」というスローガンから読み取るに、
サポーターやパートナーにも「世界へ」を要求されているはずですから。


おまけ。
そもそもベトナム人ってそういうもんだよなと納得した文書のリンクを張っておきます。
ベトナムにおいて「家族」の絆は何よりも優先されます
想像以上に厳しいベトナム人社会

以下、引用。
仕事に遅れても「道が混んでいたから」、見積書の計算が間違っていても「暑くて集中できないから」などだけで、
そこには日本的な「すみません」「ごめんなさい」の一言がかけています。
あげくには、「どうしてちゃんとチェックしないの?」「あなたの指示が間違っている」と自分の失敗を人のせいにする始末。
多少なり申し訳なさそうな表情でも見せてくれれば、「仕方ないなあ」とも思えるのですが、
こうも平然と自信を持って「自分に間違いはありません!」という態度を見せられると、温和な日本人でもキレてしまうこと必至です。

ベトナム人は家族を大事にするといわれますが、裏返せば家族以外は信じられないということ。
他人にはいたって冷たいのがベトナム人社会です。
親戚・家族内は 病気や事故などのトラブルの発生時に始まりお金の貸し借りも含めて、互いによりかかっていますので、
あえて謝ることもしませんが、家族以外の人へは頑なに 謝ることを拒みます。

一見、傲慢で不遜に見えるベトナム人ですが、こうしてみると実は臆病で猜疑心にかられているとも言えます。
特に、自身が「攻められている」「追い詰められつつある」と感じる際には周りの目も気にせず怒鳴り散らすなど
感情をさらけ出す場面も見られます。


日本人(道民)の商慣習や常識だけで、今回の顛末を捉えると、得られるものは少ないでしょう。
「北海道とともに世界へ」というスローガンが泣いちゃいます。


NHKがレコンビンとの契約断念を報じる

2014年01月07日

コンサドーレ ベトナム選手との契約延長断念 1月6日 22時0分

サッカーJ2のコンサドーレ札幌は、
昨シーズンの途中に獲得したベトナム代表のレ・コン・ビン選手との契約延長を断念しました。
コンサドーレの三上大勝ゼネラルマネージャーは、
「本人が考えを変えたことに驚いているが、レ選手には感謝しているし、
 クラブとしても引き続き東南アジアから力のある選手の獲得を検討していきたい」と話しました。
from NHKオンライン


レコンビンのネタを整理していたら、たまたま見つけた。
自分は、先週の時点で割り切っていたのだが、NHKから出てきたのは少々意外だった。

東南アジア戦略で札幌に密着していたNHKとしては、
レコンビン契約断念の扱いが大きい証拠ですね。
23:20からのNHKニュース(全国)で報道されたようです(タイトルしか見なかったが)。

今年は日経やNHKなどサッカーメディア以外にコンサドーレ扱われることは大幅に減りそうです。
いつもの状態に戻ると言うべきか。


なお、ベトナムVリーグのシーズン終了が2014年8月24日(第26節)。
Jリーグの第2の登録期間は、2014年7月18日(金)~8月15日(金)。

このため、シーズン終了を待ってから合流というのはありえない。
あるとしたら、ソンラムゲアンが優勝にも絡まず、リーグ終盤が消化試合となった場合。
第24節が2014年8月10日なので、その後でというのも可能性としては考えられるが、
古田も復帰するいまの選手層では、今年中の登録はないでしょう。
早くて来年かなあ。

レコンビンがソンラムゲアン生え抜きの選手で、ソンラムゲアンでスターとなり、
現在ソンラムゲアンの契約下にあり、1月11日からシーズンが始まるというのが、
札幌にとって不利な状況でした。
とどめで、監督には「レコンビン抜けたらチーム辞める」と言われ、
クラブの代表からは「レコンビン抜けたらチームを売却してしまえ」と言われ、
外堀を埋められたと捉えるのが正しいかな。
移籍金を積めばどうにかなる状況でもなかった。

そんなギリギリの状況(開幕直前)に、レコンビンが札幌へ完全移籍となったら、
ソンラムゲアンもベトナムの世論もあまりよい感情を生まないでしょう。

もし内村や荒野や奈良が、開幕の1週間前に他クラブや海外クラブへ移籍したら、
コンササポはどう思うのだろう?
数千万の移籍金さえ置いていけば割り切れるのだろうか?
「夢だった海外へ行って、活躍を見守る」って思うのだろうか?
興味はありますが、答えは人それぞれでしょう。

今回の交渉の過程を振り返れば、11月の時点で移籍金の満額提示して
最終交渉に持ち込んで決断を迫るべきだったのかもしれません。
三上GMが現地へ飛んだのが11月15日ころでしたが、そこで合意できなかったことで、
着々と時間切れに近付き、相手に有利な方向へ進んでいったように思えます。


これで広告料収入を大きく伸ばす機会を失いました。
「勝てば露出が増える」とか「J1に上がれば露出が増える」のような価値観と異なる
新たな魅力を世に広めたことで微増は期待できそうですが、
親会社クラブが本腰を入れてきた現状では、とても厳しいですね。


参考
・第1の登録期間(ウインドー):2014年1月3日(金)~3月28日(金)
・第2の登録期間(ウインドー):2014年7月18日(金)~8月15日(金)
2014シーズンの登録期間(ウインドー)


レコンビン(コンサドーレ札幌)の2013年をまとめて振り返る【情報募集中】

2013年12月30日

Jリーグの東南アジア戦略の一環として「コンサドーレ札幌」「レコンビン」の言葉が広まりました。
その記録を残すため、レコンビンの話題を時系列でまとめています。
他にも「これ入れたほうがいいよ」という話題とリンク先(日本語限定)があれば、
コメントに情報をいただけると幸いです。
ニュース系サイトは、時間とともにリンク切れするので、推奨しません。


2012年11月
昨年所属していたハノイFCが2012年11月に消滅
クラブは消滅したが保有権は運営会社が持っていることを主張(2014年シーズン終了まで契約)
クラブ消滅!エースFWレ・コン・ビンが現在の心境を語る

2013年1月
レコンビンは、人気歌手のトゥイ・ティエンとの間に第1子が生まれる。
かつてユース時代からデビュー数年間所属していたSLNA-FC(ソンラム・ゲアンFC)から
1年契約でレンタル移籍のオファーを受け、契約する。
地元は英雄の帰還、晩年をソンラムゲアンで過ごすと歓迎される。
このころ、コンサドーレ札幌はJリーグと連携してタイやベトナムの選手をリストアップし、
レコンビンに絞って交渉をしていた。
コンサドーレ札幌、元ベトナム代表FWにオファー(ベトジョー1/14)
コンサドーレ札幌のレ・コン・ビン獲得オファー、それぞれの思惑(ベトジョー1/14)

2013年3月
Vリーグ開幕戦でレコンビンがゴール。
 英雄の帰還!と地元じゃ大騒ぎになる。
ベトナムのサッカーキング「レ・コン・ビン」の帰還

2013年4月
NHKの東南アジア特集にコンサドーレ札幌が登場する。
Jリーグはアジアを目指す ~生き残りをかけた600億円市場 獲得戦略~

2013年6月
リーグ戦の活躍が認められ、レコンビンが7カ月ぶりにベトナム代表に復帰。
レ・コン・ビンがベトナム代表に復帰、アーセナル戦に出場へ

2013年7月
Vリーグで16節まで14ゴールのパフォーマンスに手応え。
ハノイFC(保有先)は、札幌への移籍に難色を示し続ける。
札幌は、2014年まで残る契約を買い取る金はない
そこで、8月から4ヶ月分の保有権を買い取る形(つまりレンタル移籍)で交渉
8月末までリーグが続くので現所属先のSLNA-FC(ソンラム・ゲアンFC)は難色
契約条項に「本人が同意すれば移籍可能」というのがあった。
最終的に、レ・コン・ビンには月7000USドルで合意?
札幌とハノイFC(orSLNA?)とは14億タイ・ドンで合意?
(金額と3クラブ間の金の流れについては、誤訳のような気がするので、信じないでください。
 そういう動きがあった、という程度の認識でお願いします。)
レコンビン移籍交渉経過まとめ(移籍成立!)(コンサドーレ札幌・ベトナム提携20)


2013年7月22日
コンサドーレ札幌がレコンビン獲得を発表。
レ・コン・ビン選手(ベトナム ゲアン)コンサドーレ札幌へ期限付き移籍にて新加入のお知らせ

2013年8月06日
レコンビンがついに来道!
本日、レ コン ビン選手の加入会見を実施しました!
レコンビン来日当日を追う!英雄の妻トゥイティエンが美人過ぎる件

2013年8月7日
しまふく寮通信で、ベトナムの英雄が「レコンビンくん」「ビンちゃん」呼ばわりされる
ベトナムからやってきたレ・コン・ビンくん

2013年8月15日
レコンビン、練習試合で初ゴール含む2ゴール

2013年8月21日
第30節 vs 愛媛FC戦 88分 左CKからレコンビンが初アシスト。勝利に貢献する。
2013 J LEAGUE DIVISION 2 第30節 vs 愛媛FC
[動画]レコンビン(札幌)動画(youtube)。初出場初アシスト
レコンビン初出場と初アシストがベトナムではどのように報道されたのか?

2013年9月7日
天皇杯で来日初ゴール!
第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦 vs 北海道教育大学岩見沢校
フォトギャラリー2013 天皇杯2回戦 vs北海道教育大学岩見沢校

2013年9月
日経新聞でレコンビン+東南アジア記事が掲載される。以後、何度か。

2013年9月14日
ベトナムフェスティバル2013にレコンビンが登場し、会場にいたベトナムの若者が大騒ぎ
ベトナムフェスティバル2013に レ コン ビン選手 参加のお知らせ
レコンビン(札幌)ベトナムフェス(東京・代々木)レポート(9/14)

2013年9月22日
Jリーグ初ゴール!初警告!初退場!
2013 J LEAGUE DIVISION 2 第34節 vs V・ファーレン長崎
フォトギャラリー2013 J2 第34節 vs V・ファーレン長崎
(動画-youtube)J2 第34節 CONSADOLE SAPPORO vs V・VAREN NAGASAKI 

2013年10月2日
NHK総合で全国ニュースの特集になる。以後、何度か全国ニュース扱いされる。
NHK/「スポーツプラス」内

2013年10月10日
レコンビンがアジアカップ予選でベトナム代表に選出される!
アジアカップ2015 オーストラリア 予選 ベトナム代表 選出のお知らせ

2013年10月24日
住友商事(株)がチームスポンサーになると大騒ぎ!
チームスポンサー「住友商事 株式会社 メディア事業本部」様 2013シーズン新規決定のお知らせ

2013年11月10日
Jリーグ2ゴール目!
2013 J LEAGUE DIVISION 2 第40節 vs ヴィッセル神戸
(動画-youtube)J2 第40節 CONSADOLE SAPPORO vs VISSEL KOBE(youtube)

2013年11月24日
J2最終節vs北九州戦。
試合開始前の始球式をレコンビンの妻トゥイティエンさんが務める。
レコンビンは途中出場し、ゴール正面のFKを右ポストに当てる!(惜しい!)

2013年11月28日
レコンビン、妻のトゥイティエンさんとともに、帰国。
帰国直前、ニセコでトゥイティエンさんと一緒に雪まみれ。

2013年12月14日
レコンビン選手が、日・ASEAN特別首脳会議 ガラディナー(晩餐会)に出席
レコンビン選手が、日・ASEAN特別首脳会議 ガラディナー(晩餐会)に出席


レコンビンの話題を時系列でまとめています。
他にも「これ入れたほうがいいよ」という話題とリンク先(日本語限定)があれば、
コメントに情報をいただけると幸いです。

つづく


レコンビン(コンサドーレ札幌)が来季の移籍先について現地記者に語る

2013年12月30日

レコンビンの来季の移籍先と契約についての談話を見つけたので、貼っておきます。
ガセ臭さもプンプンしますが、とりあえず。


BongDa.com(2013/12/29_13:26)
Công Vinh:'Cái tình với SLNA quý hơn tiền'
コンビン:お金よりもSLNAの状況の方が大切

PV: 
Anh đã chính thức đưa ra quyết định cuối cùng về tương lai của mình?

Công Vinh: 
Sau buổi tập sáng 28/12, GĐ Nguyễn Hồng Thanh, HLV Nguyễn Hữu Thắng và tôi đã ngồi lại làm việc cùng nhau. 
Lãnh đạo đội bóng muốn tôi ở lại và tôi đồng ý. 
Mùa giải 2014 tôi sẽ chinh chiến trong màu áo SLNA.

記者:
正式に将来に関する最終的な決定をしましたか?

コンヴィン:
12月28日午前中のセッションの後、グエン・ホン・タインCEO、
グエン·ヒュー·タン監督と同席し、私と一緒にプレーするよう求められた。
チームリーダーとして私が残留することに同意するものとします。
2014シーズンは私がSLNAのユニホームを着て戦う。...

※google翻訳も交えて意訳。


まあ、BongDaというメディアを信用するかはともかく、
レコンビンが語った言葉をわざわざでっち上げるとは考えにくい。

で、その証拠を見せようとしたのか、ソンラムゲアンの本気を見せようとしたのか、
妙なものを貼り付けていますね、この記事。
注:リンク貼るのはやめました。

東南アジアは、商習慣も常識も異なる文化圏ですし、
昨日の口約束などいとも簡単に反故にする国々です。
(そのかわり、ガチガチに締結した契約は意外と守る)
真に受けて憤慨すると、平和ボケしてるか
ASEANをナメてる日本人と思われるだけでしょうから怒る価値もないのですが、
ここまでやる対応に対して
「レコンビンを絶対に渡さない」という強い意志だけは感じ取りました。

なので、私が抱える感情はただ1つ。
今季のVリーグで十数年ぶりにベトナム人得点王を取り、
レコンビン自身の市場価値を上げてほしい。


Jの夏の移籍登録期限が7月末なので、
2015年シーズンまで飼い殺しになってしまうかもしれませんが、
8月のベトナムVリーグ終了後に買い取ってしまいましょう。
SLNAは、主力が数名離脱して選手層が薄くなってるので、チームの状況が改善しなければ、
今季のように7月中に手放すチャンスが生まれるかもしれません。


ところで、契約交渉中の相手と合意に達しなかった場合、
コンサドーレの公式サイトで発表されるのでしょうか?されるわけないか。
地元メディアにタレ込んで発表ですね。


レコンビン(コンサドーレ札幌)故郷のチームに来季残留を表明。札幌の契約交渉失敗!

2013年12月29日

レコンビン(コンサドーレ札幌)が所属元のソンラムゲアンFCへの残留を表明しました。

「しかし、今朝の会議で、ビン(レコンビン)は故郷のチームのために残留する意思を表明した。
このビンの非常に勇敢な判断は賞賛に値する。
ビンは、チームのために個人の利益を犠牲にしています。」
” Thế nhưng, trong buổi làm việc sáng nay, Vinh đã bày tỏ nguyện vọng sẽ ở lại vì đội bóng quê hương. Đây là hành động rất dũng cảm và đáng khen ngợi của Vinh. Vinh đã dám hy sinh quyền lợi cá nhân vì quyền lợi của cả tập thể”.

12/28のベトナム最大のサッカー情報サイトBongDa.comより、このような報道が。
BongDa.com 2013/12/28 14:58 


ソンラムゲアン(SLNA)の公式facebookにも以下のような発表が。
xác nhận, sáng nay 28/12, Công Vinh đã đưa ra quyết định cuối cùng.
 Vì đội bóng quê hương, anh từ chối lời mời của Sapporo, ở lại phục vụ SLNA ít nhất 1 năm cho đến khi hết hợp đồng sau đó tính tiếp tương lai của mình...
今朝12/28に確認し、コンビンは、最終的な決定を下した。
彼は次の契約は、故郷のチームのために、彼の将来を考え、SLNAに少なくとも1年残り、札幌のオファーを拒否した。
ソンラムゲアン(SLNA)の公式facebook

公式にレコンビンの談話を載せたということで、さすがに決まりかな。
ここまで言って、やっぱ札幌に・・・というのは誰も幸せになりませんからねぇ。


って書いていたら、ベトナムフットボールダイジェスト(日本語)にも。


昨シーズン、ソンラムゲアンが首位争いして自分も得点ランキングトップだったのに
終盤残り1か月で日本へ移籍してしまい、優勝も得点王も逃したことが、
ベトナム国内でのスターとしての評価を上げ損なった感じはしますし、
来季大活躍して、契約満了を経てJクラブへ移籍するという筋書きかな。

フリーになったらJ3クラブも一部のJ2クラブも黙ってないでしょうから、
もう札幌へ来ることは無い気がします。
交渉にはのってくれそうですが、そのときのクラブの状況次第でしょう。
札幌が二列目の層が厚くなるような補強をして、
出場機会が危ういというのも一因としてありそうですけどね。


来季における市場拡大と事業規模拡大の最大のチャンスを失ったことで、
広告費収入を過去最大にする機会がなくなりました。
来季も3億未満の強化費と11億前後の緊縮財政でいってほしいものです。
強烈な親会社クラブが2減1増したことで、
今年よりは昇格のチャンスと判断するのも間違いではないですが、賛同しかねます。

昇格しないと経営が成り立たないとか、強ければ客が増えるとか、
過去に失敗したベクトルと別な価値観が一気に生み出せる(正確には世に広まる)チャンスだっただけに
相手あってのこととはいえ、非常に残念な結果に終わりそうです。


ここで締めてしまうと、レコンビン獲得が幻だったような印象で終わってしまうので、
少し持ち上げておきます。
レコンビン獲得後、札幌の東南アジア連の報道がNHK全国や日経を中心に数多く出ました。
サッカーメディア以外で、これだけ多くの報道されることは非常に貴重で、
それらのメディア露出を広告料に換算すると、億を超えるものでした。

Jリーグが2012年1月から始めた東南アジア戦略において、
1年目はJリーグがASEAN諸国と提携、2年目は事業面での連携を開始、
3年目以降に選手獲得や放映権収入(現在はほとんど無料)獲得というプランのようです。
そこで、親会社クラブを差し置いてJ2のコンサドーレ札幌が1年半で選手獲得に至ったことは、
多方面で高い評価を受けています。
今後東南アジア選手獲得が少しずつ増えていくと思いますが、
そのときに札幌+レコンビンの事例が扱われるのはとても大きい。
どんな業界でも「最初」と「No.1」はとても重要ですから。


ソンラムゲアン社長、移籍金50億ドンでレコンビンの移籍を容認か!?

2013年12月28日

SLNA chấp nhận bán Công Vinh với giá 5 tỷ đồng 
SLNAはコンヴィンの移籍金50億ドンを受け入れる
というタイトルの記事がソンラムゲアン公式に載っています。
ソンラムゲアン公式より(ベトナム語)
※50億ドン≒約25万USD≒約2500万円

これは、ソンラムゲアン公式のfacebookにも転載されています。
ソンラムゲアン公式facebook(ベトナム語)

ソンラムゲアンの公式サイトや、公式facebookにこういう記事が載るのは、
状況が進んでいる証拠ですね。

でもこの記事、BongDa.comにも載ってます。これが公式にも載った元記事かな?
BongDa.com(ベトナム語)2013/12/27 

そのBongDaの記事を一部翻訳したのが、こちら。
ベトナムフットボールダイジェスト(日本語)

なお、最初の記事のホー・バン・チエム最高経営責任者のインタビューは、
以下のような言葉で締められています。
Được biết, trong tháng 1, lãnh đạo SLNA - Công Vinh và CLB Sapporo sẽ có cuộc gặp gỡ để giải quyết dứt điểm chuyện đi hay ở của Công Vinh.
SLNAの代表者はヴィンの問題を解決するための会議を札幌のクラブと1月に持つことになります。

というわけで、レコンビンとの移籍交渉は越年決定のようです。


Sông Lam Nghệ An muốn bán Công Vinh với giá rất cao.
ソンラムゲアンはヴィンを高い値段で販売したい。
なんて記事も出てますね。
BongDa.com(ベトナム語)2013/12/27 

ソンラムゲアン公式には、レコンビンの最新インタビューが掲載されています。
Công Vinh: “Tôi đang đứng trước lựa chọn rất khó khăn” 
コンビン:「私は非常に困難な選択の前に立っています」
ソンラムゲアン公式 2013/12/26


翻訳は、こちらでどうぞ
google翻訳


9番はレコンビンの背に?⇒「CV9」

2013年12月27日

レコンビンの移籍交渉について、
VPF(ベトナム・プロフェッショナル・フットボール=Vリーグ)公式サイトに、
興味深い記事が貴重な写真付き(札幌の選手と一緒)で掲載されていたので、
リンクを置いておきます(ベトナム語)

ベトナム最大のサッカー情報サイト、BongDa.comでもかなり具体的な話が出てます。
BongDa.com.vnはこちら。(ベトナム語)

もう翻訳と意訳はめんどくさいので、読みたい方はgoogle翻訳(ベトナム語→日本語)に貼って、意訳してください。
google翻訳(ベトナム語→日本語)

明日あたり、ベトジョーが運営するベトナムフットボールダイジェスト(日本語)にも載ると思います。
「・・・と、BongDaが報じた。」という感じで。
ベトナム・フットボール・ダイジェスト(日本語)

「CV9」の誕生が近付いてるような気がします。


レコンビン(札幌)来季はソンラム・ゲアン(ベトナム)に残留か!?

2013年12月18日

bongda.com.nvにて、ASEAN首脳会議の晩さん会に参加したレコンビンの画像がたくさんありました。
イケメンですなあ。スターですなあ。
(画像の出元は・・・)
bongda.com.nvはこちら(ベトナム語)

その中で、気になる一文。

(google翻訳)
、コングヴィンとの1年契約にサイン2億ドル/月まで支払うことをいとわ札幌クラブ。
しかし、ゲアンストライカーは彼を必要としていSLNAクラブでベトナムに戻ることを決定しました。
SLNAはヘクターヴァンビン、金ヴァンホアンキエムとして柱のシリーズを失ってしまった・・・
コングヴィンは、チームの精神的指導を行う必要がなければならない。
ゲアンのリーダーシップ・チームはコングヴィン用のキャプテンマークを与え、
5000万/月ごとに賃金を上げることを決定しました。

(bizラボ意訳)
コンビンとの1年契約にサインすれば、札幌は月額2億ドン(約100万円)まで支払うとしている。
しかし、ゲアンはストライカーである彼を必要としていて、彼はベトナムに戻りSLNAでプレーすることを決定しました。
SLNAはヘクター、ヴァンビン、ヴァンホアンらチームの柱を失ってしまった・・・
コンビンは、チームの精神的指導を行わなければならない。
ゲアンは、リーダーシップを期待してコンビンにキャプテンマークを与え、
月額5000万ドン(約25万円)に賃金を上げることを決定しました。

↓プロが翻訳した場合。
ベトナムフットボールダイジェスト

最終的な正式発表は、ソンラムゲアン(SLNA)のfacebookが早いと思います。
レコンビンが札幌と契約した時もそうでした。
おまけで、SLNAの公式も貼っておきます。

過去には、ハノイT&TからハノイFCへ高額の年俸とともにコロっと移籍したこともあるので、
最後までどうなるか読めません。

正式発表があるまでは、踊らにゃソンソンってか。