コンサドーレ札幌 電力事業算入 Jリーグクラブで3例目

2015年12月31日

サツドラとコンサ、 電力参入 共同で新会社、4月から契約仲介
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0218507.html

道新の一面に載ったらしい、この話題。
久々に地元の一般紙の一面を飾ったので、ツイッターなどで拡散しまくるのは、サポーターの役割です。

さて、Jクラブから新電力へ直接出資する形としては、湘南、水戸に続く3例目となりました。

湘南ベルマーレは、2014年9月に湘南電力を共同出資で設立。
ベルマーレの出資比率は1%。
http://www.eneres.co.jp/pr/20140918.html
http://www.bellmare.co.jp/111396

水戸ホーリーホックは、2015年1月に水戸電力を共同出資で設立。
http://www.smart-tech.co.jp/news_all.html#20150424
http://www.mito-hollyhock.net/?p=17618


再生可能エネルギーとかグリーン電力というキーワードでは、多くのクラブが様々な活動してますが、
出資となるとビッグな親会社を持つクラブは既得権益の都合で新電力への出資なんてできませんから、
今回のケースは地方クラブならではの活動といえます。

湘南電力も水戸電力もパートナーシップ契約してますから、そういう形が表れるかと思いますが、億単位でのスポンサーになるとは思えないので、スタジアム看板とかイベント冠スポンサーとかマッチデースポンサーになるかと。
ものすごく遠回しに後方支援した身としては、形になって何よりです。



本当にコンサドーレ札幌は逆転が少ないのか?2013-15逆転試合分析。

2015年11月05日

逆転勝利は、年に1~3試合。
アディショナルタイム逆転ゴールは2年に1回。
こういう印象を抱いている。

そこで、自分の印象が正しいのか、2013~15のデータを元に検証する。


■逆転勝利の定義
「相手に1点以上のリードを1度以上奪われた後、逆転勝ちする。」
1)相手が先制⇒逆転勝ち(0-1 → 2-1)
2)自分が先制⇒相手に逆転され⇒さらに再逆転(1-0 → 1-2 → 3-2)

■逆転勝利以外の定義
完封勝利  :無失点勝利 (例:1-0、2-0)
逃げ切り勝利:先制しリードを許すことなく勝利 (例:1-0⇒1-1⇒2-1)
取合い引分け:両チームとも点を取り合って引き分け (例:1-1、2-2など)
無得点引分け:両チームとも無得点で引き分け (例:0-0)


↑にあてはめると、以下のような結果となった。

g3

勝ちと負けが減少傾向にあり、引き分けが増えているが、
逆転勝ちは年に1~2回ペースを維持している。
さらにアディショナルタイム逆転ゴールになると、3年で2回。
どちらも自分が抱いている印象と、ほぼ同じ結果となった。

データを見て気になる部分をいくつか挙げよう。
1)
無点試合(0-0)が増えている
→見てる側にとって、もっとも苦痛というか無風というかつまらない試合ではないだろうか。
 特に普段見に来ない人にとって、印象に残らない結果になります。
 せっかく年に1度くらい足を運んでいただけるなら、結果はともかく点を取り合う試合がよい。
 肩入れ具合によっては、完封負けのほうが苦痛かもしれませんけど。

2)
完封勝ち(1-0、2-0等)が減っている
→抑え切れてないってことでしょうか。
 気が向いたら奈良竜樹がいるときorいないときで完封の数をカウントしてみたい。

3)
アディショナル逆転ゴールの試合は印象に残る
→3-0で快勝とかより、やはりアディショナルタイム逆転ゴールの試合の方が、
 記憶に残りやすいですね。
 自分が全ての試合を見てないというのもありますが、劇的な逆転試合のほうが、
 ハイライトで何度も見てしまう傾向にあります。


さて、次に劇的なアディショナルタイム逆転ゴールを見れるのは
1年後でしょうか、2年後でしょうか?



Webマーケティングのアドバイザリー契約締結について一言

2015年08月15日

端的に言えば、コンサのような売上13億程の小さな会社にとって、よい選択だろう。

Webコンサルとなると、海千山千の大手企業から個人事業主まで多岐に渡るわけで、
コンサの場合は毎月百万円単位のコンサル料を払い続けるのは得策ではなく、
小規模ながらこれから実績を積むであろうベンチャーと組むほうが、
適正価格での対費用効果が望めるといえる。

HFCさんのマンパワー不足は傍目にも明確な状況で、
外からあれこれ要求しても実現が厳しいのは理解していた。
なので、当ブログでは「クラブに要求するくらいなら自分で動いてしまう」
をコンセプトにしている。
クラブの尻を叩いてる暇があったら、外部のパートナーが動いて課題解決なり、クラブ向上なり遂行してしまうべきというのが、根底にあるので、
どんなにがんばっても「できないものはできない」わけだし、
下手に内製して人件費かけるくらいなら、
それを外注したほうが遥かによい結果を生むことも多々あるという選択を
できるくらいに予算面での余力が出てきたのかな?と喜ばしくもある。
とはいえ成功するためには発注元が外注先と対等に渡り合える力を高める必要があり、相手の言いなりになるだけでは意味がない。
成功した場合のインセンティブ契約できるとよいけど、難しいかも。

今回の件で少しがっかりなのは、こういうアプローチでの協業を
道内企業から出てこなかったこと。
実際には私が知らないだけで協業していたのかもしれないし、
営業をかけている企業もあっただろうし、実現するには何かが足りなかったのだろうか。


明確な数値目標を掲げているので、
いかにしてそれに近づけたのかという分析は外からでもできるが、
個人的な興味の範疇で取材してみたい欲求もある。

「北海道とともに世界へ」をスローガンにかかげているからといって、
道産子選手や道内企業にこだわる必要は全くない。
クラブのビジョンを共有し、クラブを大きくするパートナーにふさわしいのであれば、
世界中の人材や企業を巻き込むのは正しいやり方。

KAIZENを巻き込んだ(巻き込まれた?)のは、ちょっとした驚きなのだ。


ダイナミック・プライシングは、札幌のチケット革命になり得るか?

2015年06月20日

「平日なのにいつもと同じ価格」「魅力が低い対戦カードなのに定価だった」
「雨降る予報なのに晴れの日と同じ価格」などなど、
チケット価格に不満を感じたことは誰もが一度くらいはあるのではないでしょうか。

私は、三ツ沢での横浜FC戦のバックスタンド席の価格で、
札幌の試合が他の試合より500円高いことに不満を覚えたことがあります。
カテゴリー1(500円高い)なのは、2015年だと
ホーム開幕戦(栃木)、磐田、大宮、札幌、C大阪、千葉、ホーム最終戦(群馬)です。
参考:横浜FCチケット価格こちら
参考:カテゴリーは試合日程にありますこちら

でもこれって、見方を変えれば「札幌の集客力はすごい」と評価されていることにもなります。

こういった取り組みで、昔から有名なのが「巨人戦価格」ですが、
最近では、プロ野球の東北楽天が「フレックス・プライス」として、
5段階で分けて導入しているのが有名なところでしょうか。
こちら

札幌でこれに近い事例を挙げると、ドームと厚別で価格が違うとか、
平日の夜に「仕事人ナイト」があるとか(これはイベントの側面もあり)、
ってあたりでしょうか。


さて、この仕組みをさらに追及し、進化させている国があります。
またしてもアメリカ。
「ダイナミック・プライシング・システム」
日本語で直訳すれば、「動的な価格付けの仕組み」ってところでしょうか。
こういうことを考えさせたら、新しいことが出てくるのが多いのはアメリカですねぇ。

これについての説明は、以下の記事がわかりやすいので、興味ある方は一読していただきたい。
MLBで導入事例が拡大している「ダイナミック・プライシング・システム」とは?
(from sponavi ぶんきち日記)

あと、最近出てきた記事も紹介します。
米スポーツ界に革命を起こしたダイナミックプライシング(上)革新的な値付け手法の誤解と真実
米スポーツ界に革命を起こしたダイナミックプライシング(下)日本のスポーツ界に価格革新は起こるか?
(from 日経ビジネス 米国スポーツビジネス最前線)(途中から会員限定になってます)

さて、私が考えるポイントは3つあります。
1)曜日、対戦カード、天候、イベントなどをもとに、座席ごとの適正な価格設定を動的に変える。
2)過去の動員実績データを多く集積し、正確に分析できるほど効果が大きい
3)試合日の、警備員やアルバイトの調達にも効果があり、経費削減になる。

1)については、「適正な価格設定」がポイントです。
人が集まらないから、安ければいいってわけでもなく、そっちばかり追求すると
「発売日に買ったのに、雨予報で直前に安くなってしまった」とか
「シーズンチケットを購入しているのに通常販売より安くない」といった不満もどこからか
出てくるような気がします。
逆に満員とまではいかなくても、かなりの売れ行きが見込めるチケット価格は
通常より高く設定したっていいわけです。
(先に挙げた三ツ沢カテゴリー1がよい例)


(ちょっと脱線)
そもそもシーチケのいいところって、安いかどうかではなく、
来場の頻度が高い人にとって、座席が確保されていて、便利に入場できて、
シーチケユーザというステータスを得られて、
満員になるくらいの試合で二次流通で高値売買されてもシーチケ価格では入れること
だと思います。


2)については、今の時点でもかなりの蓄積があると思います。
単なる経験則ではなく、実績のデータとして。
これは、試合数が多いほど効果が出るわけで、先に挙げた記事でも、
主にMLBがシステムを利用しているとありますね。

3)については、盲点になってしまいがちですが、
動員が少ない⇒チケットを安めに設定する⇒入場者が増える⇒運営経費をどのくらいかける?
といったあたりを、より適切な経費を出そうというものです。
ムダなく減らすことも大事だし、足りなくて運営が回らないという事態にしないことも大事。
これについても、経験則や実績データでクラブは押さえていると思います。


入場料収入が330百万円、試合運営経費が212百万円(それぞれ2013年実績)なので、
このダイナミック・プライシング・システムを導入する効果が、
それほど大きいものではないのは承知の上ですが、いち早く導入して主導権を握って、
他のクラブの展開において優位に進めるという夢があります。

しかし、これもまたJリーグが主管で動いて、設立、運営し、
そこに各クラブがシステムを使用するような形態がよいと感じている。
チケットの販売力があるJ1クラブから導入して、効果が見込めるならJ2にも導入。
もしくは、浦和や横浜FMといった集客力と投資力のあるクラブが導入を先行する。
こういう流れになってしまうのかなーと予測しています。

試合直前の木曜、金曜、土曜の前売り券購入が多いので、
なかなか「動的orリアルタイムな価格設定」というのは難しいかもしれませんが、
新たな取り組みとして、「ダイナミック・プライシング」について
頭の片隅に入れておきたいところです。


おまけ。
スポーツに限らず、同じような例は他にもありますね。
一時「ダイナミック・プライシング」という言葉が出回ったのが、「電気料金」です。
電気の需供にあわせて価格が変動することで使っていました。
たくさん使う真夏は高くて、あまり使わない時期は安いという価格設定を
リアルタイムに変動させるやつです。
これについては、調べれば事例がたくさん出てくるので、詳細は割愛。

おわり。


チケット再販、二次流通市場に札幌は参入すべき?未使用年チケや持株会招待券を収入に

2015年06月20日

チケットの二次流通、再販という言葉を聞いたとき、どんなことを想像するだろうか?
金券やさん?ねっとおーくしょん?転売や?だふやさん?

分かりやすいところで言えば、ネットオークションに稀に出る、持株会の招待券。
簡単にまとめるとこうなる。
1)出品者はチケット定価より安い価格で出品する(例:1600円)
2)購入者はチケット定価より安い価格で落札する(例:1600円)
3)売買が成立したらシステム運営者に手数料が入る(例:5%で80円)

さてこの関係を「転売はルール違反」「転売なんて不愉快だ」と捉える人も多いだろう。
株主招待券には「転売は固く禁ずる」のような一文があったはず。
(しばらく見てないので正確な文を忘れました)
ルールはルールなので、売買成立していること自体は
ルール違反なのは理解している。

でも私はこれを「小さいながらも再販の市場が存在する」と捉えている。
先に挙げたネットオークションヤフオクの例からも、
買値がつくことで、需供の関係と、市場が存在することがわかる。
大きく分けると、以下の3種類。
1)持株会招待券を売りたい人と、定価より安く買いたい人
2)年チケを持っているが行けない日の試合分だけ売りたい人と、定価より安く買いたい人
3)完売しそうな人気のチケットを持ってるが行けないので売りたい人と、適正価格で買いたい人

小難しいことを抜きにすれば、持株会の招待券を個人売買することで、
そこから手数料収入がオークション運営会社に入ることに歯がゆさを感じる。
その手数料をクラブの収入にする仕組みを作るべきと思うのだ。
もし、10000枚×手数料100円なら、100万円の収入増も見込める。

持株会招待券は実券があるので、実際に売買される条件が整っている。
年チケ(シーズンチケット)はワンタッチパス(非接触型ICカード)に組み込まれているので、
実券が存在せず、何らかの方法で発券するか、QRコードを共有するといった方式が必要。

ちなみに他のJクラブでは、シーズンチケット保有者向けに、
QRコードを用いて見に行けない試合の【譲渡】を行う仕組みが提供されている。
参考:ガンバ大阪の場合(チケット譲渡 by ワンタッチパス)こちら
札幌には、シーズンチケットの譲渡の仕組みはないようだ(見落としてるだけかも)。

今すぐに、再販を可能にする仕組み、ルール、売買システムを導入しても、
維持費ばかりがかかって、大きな収入にはならない。
しかし、持株会招待券やシーズンチケットの一部を眠らせるくらいなら、
流通させる仕組みはあってもよいと考えている。

そしてこれに似た仕組みを、日本で主催者団体に公認され実施している競技と会社がある。
それが、バスケットボールのNBLに公認された、チケットストリート社。
興味のある方は、以下の記事を読んでいただきたい。
チケットストリート、二次流通拡大への挑戦(東洋経済)
こちら

コンサドーレ札幌が出資して主導権を握って、Jリーグ全体に広めちゃえという夢があるが、
ここはJリーグが主管で動いて、設立、運営し、二次流通の売り上げや利益を、
リーグと各クラブに配分する方がベターだろう(当然クラブによって差が出る)。
チケットの販売力があるJ1クラブから導入して、
市場拡大が見込めそうならJ2にも導入する。

流通する規模の大きさを分析しないことには、前に進めないので、今回はここまで。

最後に、チケット二次流通の先進国である、アメリカの二次流通市場規模について。
成長市場と見るか・・・それとも?

■チケット販売市場:米国
一次流通:約1.6兆円
二次流通:約5000億円(一次流通に対して約30%)

■チケット販売市場:日本
一次流通:約6000億円
二次流通:約300億円(一次流通に対して約5%)
引用元:チケットストリート、二次流通拡大への挑戦(東洋経済)2/3
こちら


さて文中で、「適正価格」というキーワードを使いました。
この適正価格に着目したビジネスモデルとして
「ダイナミック・プライシング」というものがあります。
次回は、これについて触れていきます。


参考資料
チケットストリート、二次流通拡大への挑戦(東洋経済)
こちら

チケット譲渡 by ワンタッチパス
参考:ガンバ大阪の場合こちら