連帯貢献金!岡崎慎司レスター(プレミア)へ完全移籍!エスパルスはいくら儲かる?

2015年06月27日

イングランド・プレミアリーグのレスターシティへ完全移籍が報道された岡崎慎司。 
レスターからは、マインツ側に移籍金1000万ユーロ(日本円約14億円)が支払われるらしい。
岡崎、プレミアリーグへ挑戦。レスター・シティが獲得を発表 goal.com

香川真司がボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したケース同様、
移籍金つきの海外移籍ということで、 
香川の移籍時でも話題になった「連帯貢献金」について整理しておこう。

■Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献) 選手が海外移籍をすると、
12歳になるシーズンから23歳のシーズンまでに所属した 全てのクラブに対し、
連帯貢献(金)を配分しなければならない。

■補償が発生する条件 
・選手が別の協会に所属する別のクラブへ移籍する場合(すなわち国際移籍)
  (i.e. international transfers). 
・連帯貢献金は、新しいクラブによって選手の古巣へ支払われている限り、 
 プロのキャリア全体を通して支払われます

■計算方法 
A)
12歳のシーズンから23歳のシーズンまでのトレーニング年数(最大12シーズン) 
(where this player played between the ages of 12 and 23. ) 
B)
移籍補償(いわゆる移籍金、違約金)の5%を、按分
 (distribute 5% of this transfer compensation) 
C)
12歳~15歳までの4シーズンは、按分総額のうち1年当たり5%(=違約金の0.25%) 
(from the season of his 12th until the season of his 15th birthday, ... i.e. 0.25% of the total compensation.) 
D)
16~23歳までのシーズンは、按分総額のうち1年当たり10%(=違約金の0.5%) 
(As from the 16th birthday of the player, ... i.e. 0.5% of the total compensation.)

というわけで、岡崎慎司の今回の事例を、岡崎慎司の過去所属先別にいくら請求できるのか? 
についてまとめておきます。

日本円140円=1ユーロで換算。


■岡崎慎司の所属歴と年齢と連帯貢献金の計算()

 年度  年齢  所属クラブ  比率  連帯貢献金(?) 
2005年 19歳 清水エスパルス 0.50% 50,000EUR 
2006年 20歳 清水エスパルス 0.50% 50,000EUR 
2007年 21歳 清水エスパルス 0.50% 50,000EUR 
2008年 22歳 清水エスパルス 0.50% 50,000EUR 
2009年 23歳 清水エスパルス 0.50% 50,000EUR 
======================= 
               250,000EUR = 約3500万円
2010年 清水エスパルス
20101-13シュツッドガルト
20131-15マインツ

というわけで 高卒1年目から所属した清水エスパルスには、約3500万円を請求する権利がある。
 請求先は・・・レスターです。
円安差益がこんなところにも効いてきます。

連帯貢献金は、権利が与えられるだけで、自動的には払ってくれません。 
所定の文書を作成し、移籍先から請求することになります。 
決まったルールに則って手続きするので、。 
日本での事例が少ないので大変そうですが、請求する価値はありますね。。

なお、岡崎慎司が、シュツッドガルトからマインツ移籍した際は、移籍金150万ユーロだったそうです。
マインツは儲かりましたねえ。
ソース
今季15ゴールを記録する活躍を見せた岡崎を獲得するため、
払った移籍金は150万ユーロだったとされている。
「岡崎に泣かされたシュトゥットガルト」と題してドイツ『ビルト』が掲載した記事では、
岡崎の市場価格がこの1シーズンで400万ユーロ にまで上昇したとして、
「シュトゥットガルトにとっては250万ユーロの赤字だ」と述べている。
goal.com


連帯貢献金で数千万が古巣に!香川ドルトムント完全移籍!古巣が潤う連帯貢献金とは?

2014年09月27日

連帯貢献金で数千万が古巣に!香川ドルトムント完全移籍!古巣が潤う連帯貢献金とは?ールを決めた香川真司。
ドルトムントからは、マンチェスター・ユナイテッド側に移籍金800万ユーロ(約11億円)が支払われるという。

香川真司がマンチェスター・ユナイテッドへ加入したのが、2012年7月1日。
そこからの4年契約で、移籍金は1600万ユーロ(当時のレートで約16億円)。
ユーロで言えば、800万ユーロの差額が云々という話もあるだろうが、
今回もまた移籍金つきの海外移籍ということで、
前回の移籍時でも話題になった「連帯貢献金」について整理しておこう。


■Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献)
選手が海外移籍をすると、12歳になるシーズンから23歳のシーズンまでに所属した
全てのクラブに対し、連帯貢献(金)を配分しなければならない。

■補償が発生する条件
・選手が別の協会に所属する別のクラブへ移籍する場合(すなわち国際移籍)
  (i.e. international transfers).
・連帯貢献金は、新しいクラブによって選手の古巣へ支払われている限り、
 プロのキャリア全体を通して支払われます。

■計算方法
A)12歳のシーズンから23歳のシーズンまでのトレーニング年数(最大12シーズン)
 (where this player played between the ages of 12 and 23. )
B)移籍補償(いわゆる移籍金、違約金)の5%を、按分
 (distribute 5% of this transfer compensation)
C)12歳~15歳までの4シーズンは、按分総額のうち1年当たり5%(=違約金の0.25%)
 (from the season of his 12th until the season of his 15th birthday, ...
   i.e. 0.25% of the total compensation.)
D)16~23歳までのシーズンは、按分総額のうち1年当たり10%(=違約金の0.5%)
 (As from the 16th birthday of the player, ... i.e. 0.5% of the total compensation.)


というわけで、香川の今回の事例を、香川の所属先別にいくら請求できるのか?
についてまとめておきます。

■香川の所属歴と年齢と連帯貢献金の計算()日本円は13
年度 年齢 所属クラブ    比率 連帯貢献金(?)
2001年 12歳 FCみやぎバルセロナ 0.25% 20,000EUR  
2002年 13歳 FCみやぎバルセロナ 0.25% 20,000EUR  
2003年 14歳 FCみやぎバルセロナ 0.25% 20,000EUR  
2004年 15歳 FCみやぎバルセロナ 0.25% 20,000EUR  
2005年 16歳 FCみやぎバルセロナ 0.50% 40,000EUR 
=======================
                    120,000EUR = 約1644万円

2006年 17歳 セレッソ大阪 0.50% 40,000EUR  
2007年 18歳 セレッソ大阪 0.50% 40,000EUR  
2008年 19歳 セレッソ大阪 0.50% 40,000EUR  
2009年 20歳 セレッソ大阪 0.50% 40,000EUR
=======================
                 220,000EUR = 約3014万円

2010年 21歳 ボルシア・ドルトムント 0.50% 40,000EUR 5,560,000
=======================
                    40,000EUR = 548万円

2011年 22歳 ボルシア・ドルトムント    
2012年 23歳 ボルシア・ドルトムント    
2013年 24歳 マンチェスター   
2014年 25歳 マンチェスター  

というわけで
中学~高校年代で所属したFCみやぎバルセロナには、約1644万円を請求する権利があり
高校~20歳までいたセレッソ大阪には、約3014万円を請求する権利がある。
請求先は・・・ボルシア・ドルトムントです。


連帯貢献金は、権利が与えられるだけで、自動的には払ってくれません。
所定の文書を作成し、移籍先から請求することになります。
決まったルールに則って手続きするので、。
日本での事例が少ないので大変そうですが、請求する価値はありますね。


フッキの連帯貢献金が1千万!?

2013年02月22日

フッキの国際移籍に伴う【連帯貢献金】の一部約1千万円が入金との記事があったらしい。
クラブの請求が通り、投資を回収する経験を1つ積んだのがすばらしい。

連帯貢献(Solidarity Contribution)については、
移籍に伴うトレーニング補償と連帯貢献その3にあるので、詳細は後回し。

今のところの疑問は・・・
・フッキって何歳のシーズンにコンサに所属してたの?
・レンタル移籍じゃなかった?
・南米特有の保有権が何%のような仕組みがあるが、コンサは何%?
・フッキがFCポルト(ポルトガル)⇒ゼニト(ロシア)へ国際移籍した際の
 移籍金が4000万ユーロという報道があったような?
・1年いたはずだから、4000万ユーロの0.5%=20万ユーロ?
・これに保有権が絡む?
・申請は移籍契約から1ヶ月以内。入金の期限は?
・クラブ単独で動いた?他クラブと連携した?


昨年秋のサポーターズミーティング議事録に請求すると載っており、
その後の経過が気になっていたが、先日のサポーターズ集会で質問する人もおらず、
興味のある人少ないんだな・・・と思ってました。

当時はほとんど試合を見てないので、
フッキという若くてすげえ選手がいるんだなあ、くらいの印象しかないのですが、
Solidarity Contributionでコンサの実例をかける日が来るとは。


移籍に伴うトレーニング補償と連帯貢献その3

2013年02月06日

・Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献)
選手が海外移籍をすると、12歳のシーズンから23歳のシーズンまでに所属した
全てのクラブに対し、連帯貢献(金)を配分しなければならない。

■補償が発生する条件
・選手が別の協会に所属する別のクラブへ移籍する場合(すなわち国際移籍)
  (i.e. international transfers).
・連帯貢献金は、新しいクラブによって選手の古巣へ支払われている限り、プロのキャリア全体を通して支払われます。
 (引退するまで?)

■計算方法
A)12歳のシーズンから23歳のシーズンまでのトレーニング年数(最大12シーズン)
 (where this player played between the ages of 12 and 23. )
B)移籍補償(いわゆる移籍金、違約金)の5%を、按分
 (distribute 5% of this transfer compensation)
C)12歳~15歳までの4シーズンは、按分総額のうち1年当たり5%(=違約金の0.25%)
 (from the season of his 12th until the season of his 15th birthday, ... i.e. 0.25% of the total compensation.)
D)16~21歳までのシーズンは、按分総額のうち1年当たり10%(=違約金の0.5%)
 (As from the 16th birthday of the player, ... i.e. 0.5% of the total compensation.)

例2)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、
22歳のシーズンに最初の海外へ完全移籍し、
24歳のシーズンに2回目の海外移籍をした場合。
2回目の海外移籍の移籍金が100万EURとする。

ジュニアユース~ユースでの1年(12歳から始まり15歳のシーズンまで):4年
ユース2年+プロになって3年(16歳から始まり21歳のシーズンまで):5年
最初の海外チーム(22歳のシーズンから23歳のシーズンまで):2年

移籍金の5%を按分するので、
最初の国内クラブには・・・
[100万EUR×0.25%×4年]+[100万EUR×0.5%×5年]=1万EUR+2.5万EUR
=3.5万EUR

最初の移籍先の海外クラブには・・・
[100万EUR×0.5%×2年]=1万EUR

ということは、30歳くらいまで海外移籍を2~3回繰り返す選手は、
元をたどればその回数分請求し続けられるという解釈。
しかし、海外クラブとの請求交渉の費用を考えると、
1回の請求が5万EURを超えないと、メリットが低いと思われる。

とはいえ、高額な移籍金が発生するケース自体、極めて稀なので、
・Training Compensation(直訳すると、トレーニング補償)を優先した方が得策。
・Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献)は、更なる成長を遂げた副産物的位置づけ。

つまり、12歳から21歳まで自前で選手を育てることが、
ビジネスとして成立する市場があるということですね。

複数年契約や、高額年俸、違約金設定ができないコンサの現状を踏まえると、
この期間に所属していなかった大卒選手を獲るとか、
選手発掘のスカウトに力を入れるなどするよりも、
コンサが育成に力を入れている=育成部門に投資する理由が分かります。