2015年07月27日
2015年J2所属クラブのチーム人件費(いわゆる強化費)をランキングにしてみました。 どのくらいの位置にいるか現状を正しく理解するために、作成しています。 ただし、 Jリーグ経営情報開示資料2014年度版 が数字の元なので、2015年の予算ではありません。 2014年の数字から劇的に増減した(例えば5億円くらい変動した)クラブはないでしょうから、 あくまで、どのくらいの位置なのか基準を知るためと認識してください。 Jリーグ経営情報開示資料2014年度版が公表されたので、更新しました。 ★これから挙げる数字を見て、クラブの目標をどこに設定すべきか考えてみてください。★ ★私なら「○○を今季の目標とする」というのをコメントでいただけると刺激になります★ ※チーム人件費は、主に以下の要素で構成されます。 「トップチーム選手・監督・スタッフ基本報酬、ユース監督・コーチ報酬、勝利給、支度金」 ※移籍金、レンタル料は、その他収入に含まれます。 順 親 チーム 人件費 営業収益 人件費率 1Docomo大宮 1,720 3,422 50% 2ヤンマC大阪1,680 3,771 45% === J1平均1,506 3,294 48%(2014年J1平均) 3ヤマハ磐田 1,352 3,027 45% 4JEF千葉 1,065 2,300 46% 5大塚 徳島 927 2,104 44% 6京セラ京都 695 1,761 39% === J2平均 582 1,371 42%(2015年J2所属クラブ平均(数値は2014))=== (- 札幌 567 1,435 32%★J2/2015予算※1) ★←← 7-- 岐阜 503 831 61% 8-- 岡山 499 1,103 45% 9-- 横浜FC 493 1,042 47% ( -- 山形 463 1,399 33% ※参考2014年J1昇格クラブ) ( -- 湘南 452 1,121 40% ※参考2014年J1昇格クラブ) === J2平均 447 1,117 40%(2014年J2平均)=== ( -- 松本 443 1,185 37% ※参考2014年J1昇格クラブ) 10-- 札幌 430 1,328 32%★←← 11-- 福岡 417 947 44% 12-- 大分 349 1,006 35% 13-- 東京V 346 1,220 28% 14-- 長崎 335 894 37% 15-- 富山 299 735 41% 16-- 栃木 292 941 31% 17-- 北九州 284 747 38% 18-- 熊本 276 750 37% 19-- 愛媛 257 576 45% 20-- 水戸 235 518 45% 21-- 讃岐 180 584 31% 22-- 群馬 168 555 30% =============== (- 札幌 513 1,297 39% 3位★J2/2011) (- 札幌 495 1,347 37% 18位★J1/2012) (- 札幌 359 1,071 33% 8位★J2/2013) (-- 札幌 430 1,328 32% 9位★J2/2014) ★↑の数字を見て、クラブの目標をどこに設定すべきか考えてみてください。★ ★私なら「○○を今季の目標とする」というのをコメントでいただけると刺激になります★ ★雑感 札幌の2015年度の予算をもってしても、J2平均以下なんです。 おそるべし、ビッグな親会社クラブ。 選手や監督や現場スタッフが昨年の評価を超える働きをすれば、プレーオフに届くかもっていうのが、札幌の実力なのでしょう。 徳島はおそらくJ2予算に下げていますが、それでも札幌を、上回るチーム人件費でしょう。 2014年に昇格した湘南、松本、山形は、チーム人件費4億円台で昇格したんですね。 これは、驚異的なことです。 その要因分析は私が行わずとも、サポーターはご存知でしょうから避けます。 しかし、J1での戦いを意識した湘南は今年善戦し、昇格をターゲットとした松本、山形は降格争いしてます。 プロモーションやわかりやすい目標として「昇格」という言葉を使わざるを得ないというのは理解していますから、表向きは何を言おうが受け流していますが、 腹の中ではJ1定着を目標としているはずで、パートナーはクラブを大きくする活動をせにゃならんと解釈しています。
※1 2015予算を、リーグ発表の「チーム人件費」に合わせるには、 コンサ予算実績の「トップチーム人件費」+「ユースチーム人件費」が リーグ発表の「チーム人件費」を数千万上回った値になります。 コンサ予算実績の「トップチーム人件費」には「選手移籍金、レンタル料等」も含まれているので、 この金額を差し引くとより精度があがりますが、有価証券報告書が今年度からないので、 そこは2013年の「選手移籍金、レンタル料等」=10,300千円を差し引き、 「トップチーム人件費:515百万円」 + 「ユースチーム人件費:62百万円」 -「選手移籍金、レンタル料等:10百万円 =567百万円 とします。
野々村社長語録より いや僕はそこに関して言うと(J1昇格について)明確に「こうします」ということは一言も言っていないで すよ。 ただ今シーズン言ったのは先ほどのメッセージで戦力のお話もありましたが、だいたい考えると、選手や監督に使われているお金はJ2で7番目か8番目なんです。 「そのくらいのポジションからプレーオフ行って上を目指すということは可能だよね」という事は言いましたけどね。「J1に!!」というのは僕が選手であったら言っています。 今のクラブの大きさ・かけられるお金の金額が8番目なのに「1番を目指します」と いうのは選手は言っても良いけどクラブとしては「その使えるお金を1番に持って行く」のがクラブの役目な ので。それをやった上で「これだったらいける」「これを目標にする」というのは言っても良いですけど。 僕も言いたいですけどね。 野々村芳和語録より
2015年04月04日
コンサドーレ札幌の2014年度決算情報が公開されました。こちら 赤字、黒字、債務超過にばかり目が行ってしまいますが、 そこへ行く前に各費目に重要な内容がありますので、手短に分析します。 なお、分析に当たっては、5段階計画が動き始めた2004年度からの数字のみを扱います。 2001年はドーム開業特需、2002年はW杯特需、2003年はW杯余韻と、ほとんど参考にならないため。
前回記事 コンサドーレ決算分析(赤字?黒字?債務超過?)2014 その1入場料収入過去3番目 その2客単価は過去最高 その3広告料収入は過去最高
★広告料収入は2004年以降(J2期のみ)で最も多い。 年度 部 広告料収入 (千円) 2014 J2 588,124★ 2009 J2 560,797 2004 J2 421,975 2006 J2 445,774 2010 J2 439,952 2007 J2 432,816 2013 J2 432,134 2005 J2 404,586 2011 J2 399,003 これはすごいですね。 2004年以降(J2期のみ)で最高の数字。 トップパートナーやクラブパートナーの増額、 サポートシップパートナーの拡大など様々な要因があったと思われますが、 金額だけで判断すれば、素晴らしい数値です。 (参考) 年度 部 広告料収入 (千円) 2001 J1 516,968 (ドーム開業) 2002 J1 570,077 (W杯) 2003 J2 416,120 2008 J1 605,310 2012 J1 475,304 2014年度の広告料収入は、ドーム開業年やW杯年も超えています。 J1期も含めると、過去2番目に大きい広告料収入だったんですね。 さて、この広告料収入は、J1クラブと比較すると、どのくらいなのでしょう? 2013年度の数値と比較してみましょう。 ★2013年J1広告料収入順(百万円) (一部のみ) 親会社クラブ広告料 営業収益 広告料の割合 トヨタ名古屋2,457 4,226 58% 三菱 浦和 2,319 5,786 40% Docomo大宮 2,296 3,228 71% ヤマハ磐田 1,645 3,298 50% ヤンマC大阪1,499 3,213 47% ===J1平均1,417 3,078 46%== -- 新潟 963 2,548 38% -- 仙台 901 2,429 37% -- 甲府 683 1,481 46% -- 大分 680 1,406 48% -- 鳥栖 632 1,704 37% -- 札幌 588 1,327 44%★2014年度札幌決算★ -- 湘南 387 1,191 32% ★2013年J2広告料収入順(百万円)(一部のみ) 親会社クラブ広告料 営業収益 広告料の割合 パナ G大阪1,696 2,786 61% JEF千葉 1,515 2,330 65% 京セラ京都 1,235 1,930 64% 大塚 徳島 821 1,211 68% 楽天 神戸 682 1,960 35% -- 札幌 588 1,327 44%★2014年度札幌決算★ -- 横浜FC 579 1,152 50% -- 東京V 534 1,236 43% ===J2平均 533 1,090 49%== -- 松本 386 939 41% -- 山形 258 1,041 25% J1で下から2番目です。 J2ではビッグな親会社クラブを除いて最も高いレベル。 つまり、札幌の広告料収入はJ1残留には手が届かないレベルといえます。 ここを新潟や仙台並みの金額に押し上げていかねばなりません。 そのためには、クラブの価値をもっと向上していかねばなりません。 これらの数値は、2013年度のものですから、2014年度は各クラブとも増減しているでしょう。 それでもDocomo大宮(2,296千円)、ヤマハ磐田(1,645千円)、ヤンマーC大阪(1,499千円)を見ると、 ビッグな親会社の財力がいかにクラブの財政に寄与しているかよくわかります。 これら3クラブは、広告料収入だけで札幌の営業収益(1,328千円)を超えちゃってる。 さっさとJ1帰れ!と言いたくなります。 でも、大宮はスタジアムが素晴らしいので、来年もJ2残ってほしいかなw
2015年04月03日
コンサドーレ札幌の2014年度決算情報が公開されました。こちら 赤字、黒字、債務超過にばかり目が行ってしまいますが、 そこへ行く前に各費目に重要な内容がありますので、手短に分析します。 なお、分析に当たっては、5段階計画が動き始めた2004年度からの数字のみを扱います。 2001年はドーム開業特需、2002年はW杯特需、2003年はW杯余韻と、ほとんど参考にならないため。
前回記事 コンサドーレ決算分析(赤字?黒字?債務超過?)2014 その1入場料収入過去3番目 その2客単価は過去最高 その3広告料収入は過去最高
★客単価(入場料収入/入場者数)は2004年以降(J2期のみ)で2番目に多い。 年度 部 興行収入 入場者数 客単価 (千円) (人) (円) 2004 J2 378,194 208,241 1,816 2014 J2 390,356 232,255 1,681★ 2005 J2 402,355 244,935 1,643 2007 J2 464,358 290,676 1,598 2010 J2 305,385 193,478 1,578 2011 J2 310,544 199,162 1,559 2013 J2 329,788 211,568 1,559 2006 J2 358,693 251,476 1,426 2009 J2 355,113 265,376 1,338 ★これは高く評価したい。★ 単価が1600円を超えたのは、2005年以来9年ぶり。 客単価だけでいえば、2007年をも上回っている。 (参考) 年度 部 興行収入 入場者数 客単価 (千円) (人) (円) 2001 J1 710,294 333,425 2,130(ドーム開業) 2002 J1 711,219 287,098 2,477(W杯) 2003 J2 481,240 236,861 2,032 2008 J1 520,248 247,305 2,104 2012 J1 396,819 204,114 1,944 この客単価1681円が、どのくらいすごいかは、他のクラブと並べてみるとよくわかる。 参考として2013年のJ1J2クラブと比較してみよう。 ★2013J1客単価(=入場料収入/入場者数)(一部のみ) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (ナビ含) (ナビ含) 浦和 3,132 2,132 680,641 19 サカスタ 仙台 2,868 757 263,901 18 サカスタ 木白 2,788 646 231,713 19 サカスタ C大阪2,642 954 361,103 21 サカスタ+陸スタ 名古屋2,529 736 291,036 20 サカスタ+陸スタ 鳥栖 2,510 548 218,326 20 サカスタ 鹿島 2,386 748 313,498 21 サカスタ 磐田 2,166 446 205,908 20 サカスタ J1平均2,124 693 318,948 20== 甲府 1,727 403 233,358 20 陸スタ 札幌 1,681 390 232,255 21 サカスタ★2014年度札幌決算★ 大宮 1,670 341 204,189 20 サカスタ 川崎F1,603 540 336,894 22 陸スタ ★2013J2客単価(=入場料収入/入場者数)(一部のみ) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (人) G大阪1,802 465 257,996 21 陸スタ 札幌 1,681 390 232,255 21 サカスタ★2014年度札幌決算★ 千葉 1,680 353 210,078 21 サカスタ 京都 1,569 260 165,717 21 陸スタ J2平均1,127 179 139,963 21== 2014年度コンサドーレ札幌の客単価1681円は、 J1親会社クラブ大宮や川崎F、J2トップクラブの千葉にも匹敵するレベルなのだ。 これら大都市圏(主に首都圏)のクラブと同等の客単価というのは、もっと誇っていい数字だろう。 J1平均にはまだ遠く及ばないが、少しずつ詰めるべく上昇していくことが求められる。 それにしても、仙台の2,868円という客単価は驚異的だ。 スタジアム規模がそれほど大きくない以上、客単価向上は重要な施策なのだ。 それにJ1の客単価が高いクラブの大半が、サッカースタジアムなのは特筆すべき点だろう。 なお、J1とJ2の客単価に差がある大きな要因の1つとして、「アウェイ客数の違い」がある。 J2だとアウェイ客がまばらな試合が多いが、 J1クラブのサポーターは大量に有料入場し、開幕戦や最終戦に至っては数千人が札幌まで来ます。 すごいですね。 その3広告料収入に続きます。
関連記事 コンサドーレ決算分析(赤字?黒字?債務超過?)2014 その1入場料収入過去3番目 その2客単価は過去最高 その3広告料収入は過去最高
2015年04月03日
コンサドーレ札幌の2014年度決算情報が公開されました。こちら 赤字、黒字、債務超過にばかり目が行ってしまいますが、 そこへ行く前に各費目に重要な内容がありますので、手短に分析します。 なお、分析に当たっては、5段階計画が動き始めた2004年度からの数字のみを扱います。 2001年はドーム開業特需、2002年はW杯特需、2003年はW杯余韻と、ほとんど参考にならないため。
関連記事 コンサドーレ決算分析(赤字?黒字?債務超過?)2014 その1入場料収入過去3番目 その2客単価は過去最高 その3広告料収入は過去最高
★入場料収入(興行収入)は2004年以降(J2期のみ)で3番目に多い。 年度 部 興行収入(千円) 2007 J2 464,358 2005 J2 402,355 2014 J2 390,356★ 2004 J2 378,194 2006 J2 358,693 2009 J2 355,113 2013 J2 329,788 2011 J2 310,544 2010 J2 305,385 という優秀な結果になっています。 ドーム開催が過去最多の17試合になったことが最大の要因です。 小野伸二の加入など、話題性があったことも寄与しています。 2014年度予算は440,000千円だったことから勘案すれば、 厳しい結果に終わったと判断せざるを得ません。 小野の怪我と、プレーオフ争いが最終戦までもつれなかったのが痛かったですね。 (参考) 年度 部 興行収入 (千円) 2001 J1 710,294(ドーム開業) 2002 J1 711,219(W杯) 2003 J2 481,240 2008 J1 520,248 2012 J1 396,819 2001年と2002年の決算を初めて見た時の感想は「イケイケの状況と勘違いしてしまうよね、コレ」 というものでした。 つまり、この成長曲線は上昇カーブのまま続くと思ってしまう。 翌年以降少し落ちるかもしれないが、ドームでの試合数を増やせば増収可能と勘違いするはず。 しかし、その勢いがわずか2年で終了したのは、改めて言うまでもありません。 だからといって、何の意味もなかったというと、そんなこともなく、 長くサポーターをやっている人たちは、96~02年の間に何らかの強い影響を与えた人たちが 数多く入るはずで、そういった人たちの心を鷲づかみにする投資として効果はあったと言えます。 高くついたとも言えるが。 なお、ドーム開業特需とW杯特需とその翌年のドームの平均入場者数は以下の通りです。 年 試合 入場者数 平均 2001 5 185,814 37,163 (ドーム開業) 2002 9 212,289 23,588 (W杯) 2003 9 140,559 15,618 もし、2002年の23,588人が昨年のドーム17試合で達成したら、 17試合×23,588人=400,966人 J1の横浜FMやFC東京に匹敵する入場者数になっていたわけです。 当時の経営層やサポーターがドーム平均11,848人になるなんて、想像できたのでしょうか? 少なくとも当時は「今より成長を続ける」と考えていたのではないでしょうか。 当時のクラブの価値基準から、いまのクラブの価値基準に、人の心を変えていくのは大変です。 そういえば、私がJ2を見るようになるまでに、10年くらいかかりましたw その2客単価に続きます。
関連記事 コンサドーレ決算分析(赤字?黒字?債務超過?)2014 その1入場料収入過去3番目 その2客単価は過去最高 その3広告料収入は過去最高
2015年03月31日
コンサドーレ札幌の運営会社 株式会社北海道フットボールクラブの2014年度決算情報が公開されました。 先週3/25(水)に株主総会があり、例年2~3日後に公開されるのですが、今年は週明けの火曜日(3/31)に公開となりました。 (ひょっとする月曜夜に公開されていたかも) 決算情報はこちら 年度末決算は従来どおりの有価証券報告書が載ると思いEDINETで毎日検索していたら、EDINETに公開されることなく、コンサドーレ札幌公式サイトに公開されていました。 今後もこうなるようです。 決算報告の数字くらいは他のクラブでもありますが、ここまで詳細な有価証券報告書の公開は他のJクラブにはない唯一無二な教材だったので、ちょっと残念です。 というわけで、気になった部分をサマリでレポート。 ■年度別、営業利益(損失)と経常利益(損失)と当期純利益(損失) 営業利益 営業外収益 営業外費用 経常利益 当期純利益 H17(2005/J2) -136,506 205,717 11,804 57,406 55,653 H18(2006/J2) -350,679 210,404 13,779 -154,055 -156,017 H19(2007/J2) -186,686 207,514 13,194 7,633 6,653 H20(2008/J1) -151,728 169,945 26,532 -8,314 -28,028 H21(2009/J2) -135,446 120,981 11,127 -25,592 -42,358 H22(2010/J2) -234,512 127,695 10,307 -117,124 -118,992 H23(2011/J2) -84,359 115,596 9,204 22,033 16,848 H24(2012/J1) -119,900 104,641 18,889 -34,148 -37,706 H25(2013/J2) -146,602 95,336 7,350 -58,617 6,339 H26(2014/J2) -45,959 97,258 7,168 44,129 46,818 H26(2014/J2) -45,950 90,240 7,000 37,290 32,790(予算) H27(2015/J2) -78,250 87,758 6,500 3,008 808(予算) ※北海道フットボールクラブ有価証券報告書より 過去10年(2005~2014年)で営業黒字になったことは無い。 (過去には2004年にあったとのこと。過去記事のコメントを参照) 平たく言うと、過去10年で最も営業利益が優秀だった。 営業利益がほぼ予算どおりになり、計画通りの結果になったことも称えてよいと思います。 ただし、補助金や寄付金などの収入を除き、クラブの本業での利益(損失)が過去10年で優秀だったといえるものの、「最高」って言葉を使わないのは、いまだに営業赤字だから。 当期純利益が黒字になり、債務超過解消したことで落ち着いたことになってるサポが散見されますが、厳しい状況にあることは変わりありません。 私は経常利益が予算に達したのかを基準に評価すべきであって、 経常赤字or黒字かを基準に評価するのは誤りと私は考えている。 つまり、経常黒字にするのは当たり前で、経常利益が予算未達であれば、 より一層厳しい経営が必要になる。 国内の経済状況や少子高齢化など、厳しい条件が増しており、 クラブはよくやっている方だと思う。 でも「よくやっている」だけでは債務超過との戦いが続くばかりだ。 そんなときパートナーにできることは? やるべきことは明確だし、計画的、戦略的に行動するのみ。 考える段階は、すでに終わっているのだから。
2015年03月01日
2015年J2所属クラブのチーム人件費(いわゆる強化費)をランキングにしてみました。 どのくらいの位置にいるか現状を正しく理解するために、作成しています。 ただし、Jリーグ経営情報開示資料2013年度版が数字の元なので、2015年の予算ではありません。 2013年の数字から、劇的に増減した(例えば5億円くらい変動した)クラブはないでしょうから、 あくまで、どのくらいの位置なのか基準を知るためと認識してください。 ★これから挙げる数字を見て、クラブの目標をどこに設定すべきか考えてみてください。★ ★私なら「○○を今季の目標とする」というのをコメントでいただけると刺激になります★ ※チーム人件費は、主に以下の要素で構成されます。 「トップチーム選手・監督・スタッフ基本報酬、ユース監督・コーチ報酬、勝利給、支度金、移籍金、レンタル料」
★2015年J2チーム人件費ランキング(百万円) (注:数字は2013年度のJリーグ経営情報開示資料より) 順 親 チーム 人件費 営業収益 人件費率 1Docomo大宮 1,606 3,228 50%(2013/J1) 2ヤマハ磐田 1,369 3,298 42%(2013/J1) 3ヤンマC大阪1,212 3,213 38%(2013/J1) 4JEF千葉 994 2,330 43% 5京セラ京都 692 1,930 36% 6大塚 徳島 601 1,211 50% 7-- 大分 556 1,406 40%(2013/J1) === J2平均 519 1,277 41%=J2平均(2015J2クラブに入れ替えた場合) (- 札幌 483 1,341 32%★J2/2014(予算※1)) ★ 8-- 横浜FC 482 1,152 42% === J2平均 467 1,090 43%=2013J2平均 9-- 岡山 411 1,034 40% 10-- 栃木 410 876 47% 11-- 福岡 390 871 45% === J2平均 387 981 39%=J2平均(2015J2から10億以上クラブ除いた場合) 12-- 札幌 359 1,071 34% ★J2/2013★ 13-- 東京V 357 1,236 29% 14-- 富山 273 701 39% 15-- 熊本 261 680 38% 16-- 北九州 249 686 36% 17-- 愛媛 247 547 45% 18-- 岐阜 241 576 42% 19-- 水戸 230 508 45% 20-- 長崎 229 718 32% 21-- 鳥取 207 646 32% 22-- 群馬 163 469 35% =============== (- 札幌 513 1,297 39% 3位★J2/2011) (- 札幌 495 1,347 37% 18位★J1/2012) (- 札幌 359 1,071 33% 8位★J2/2013) (- 札幌 483 1,341 36% 10位★J2/2014(予算)) ※1 2014予算を、リーグ発表の「チーム人件費」に合わせるには、 コンサ予算実績の「トップチーム人件費」+「ユースチーム人件費」が リーグ発表の「チーム人件費」を数千万上回った値になります。 コンサ予算実績の「トップチーム人件費」には「選手移籍金、レンタル料等」も含まれているので、 この金額を差し引くと、より精度があがりますが、有価証券報告書2014が出るまで分かりませんので、 そこは2013年の「選手移籍金、レンタル料等」=10,300千円を差し引き、 「トップチーム人件費:430百万円」 + 「ユースチーム人件費:63百万円」 -「選手移籍金、レンタル料等:10百万円 =483百万円 とします。 ★↑の数字を見て、クラブの目標をどこに設定すべきか考えてみてください。★ ★私なら「○○を今季の目標とする」というのをコメントでいただけると刺激になります★ おまけ。 2015J1昇格組 (注:数字は2013年度のJリーグ経営情報開示資料より) 順親 チーム 人件費 営業収益 人件費率 --- 湘南 530 1,191 45% --- 松本 368 939 39% --- 山形 468 1,041 45%
■解説■ チーム人件費10億円未満でビッグな親会社がないクラブが3つ昇格し、 チーム人件費10億円以上でビッグな親会社があるクラブが2つ降格しました。 これにより、J2平均が上昇しています(467→519)。 2015のJ2には、チーム人件費10億円以上のクラブが3つ(大宮、磐田、C大阪)いて、 ほぼ10億円の千葉がいる。 この時点で、4チームのプレーオフ進出以上(自動昇格2位以内+プレーオフ)が非常に固い。 残り2つの枠を他のクラブが争う構図か。 昨年よりも厳しい昇格orPO進出レースが展開されそうです。 2015年度の札幌は、2014年度よりさらにチーム人件費を増額し約5億円にするそうですが、 増額してもなおPO圏内である6位に手が届くかどうかというところ。 もっとクラブが大きくならないと、「昇格」が現実的な目標とはいえそうもありません。 とはいえ「昇格」というキーワードが分かりやすく伝わりやすいのも事実ですから、 立場によってはそれを口にする者もいるでしょう(特に選手)。 こればかりは、サッカーという競技の性質を考えると、避けられないといえます。 以前はよく出た「昇格できなかったら責任が云々」という話は、 実のところ、それが現実的な目標といえる事業規模にならないと、 口にする意味が無いと思います。
昇格やプレーオフという言葉をもう少し分類すると、以下のようになると考えています。 自動昇格(リーグ戦2位以内) PO昇格(リーグ戦3位~6位でPO優勝し昇格) POホーム開催(リーグ戦3位or4位) PO進出(リーグ戦3位~6位) POのホーム開催まで手が届けば、経営的には大助かりでしょうけれど、 ホーム最終戦でPOをチラつかせて集客の見込める興行ができるとよいですね。 2013年度は最終戦でPOが進出がかかっていたので、2万人を超えていました。
■チーム人件費基準 これらの数字は、2013年の経営情報開示資料の数値から導いたものです。 J1定着==14億円(J1平均1,390) J1残留--10億円(J1,15番目1,012) J1自動昇格11億円(J2,2番目1,160) J2PO争い 5億円(J2,6番目482) J2クラブ 4億円(2015J2クラブから10億以上クラブ除いた平均387) 売上も加えると↓このくらい大きくならないことには、J1に上がっても相手になりません。 チーム人件費/売上基準 J1定着14億円/30億円 J1残留10億円/17億円 J1昇格11億円/20億円 J2PO争い5億円/12億円
こういう話題を書くと 「人件費どおりにはいかない」「お金がすべてではない」「夢が大事」など 過去にコメントいただいたことがあります。 目先の勝利や通年の目標に対して一喜一憂するのはサッカーの醍醐味でもありますし、 心の栄養として必要なので、否定するつもりはありません。 ただ、人件費どおりにいくかどうかが問題ではなく、 人件費が多いほうが選択肢が広がり、競技においてより有利に運ぶことは事実です。 ならば、これを増やすためにやるべきことをやり、 その輪を拡げていくことが先決なのではないかと言いたいのです。 クラブを大きくすることに参加して、せっかく協力できるメニューが用意されているのですから。 サポーターへ毎年1億円を供出するパートナー企業を見つけてこいとは言いませんが、 成すべきことやできることは明確になっていますから、 できる範囲で知恵を使って全力を尽くして輪を拡げて結果を残せばよいですね。 (有料客を年間40人以上連れていく、サポートシップパートナーを見つける、など) 「勝てば客が増える」「魅力あるサッカーをすればサポーターが増える」 という考え方が先に立つと、これまでと同じことを繰り返すと思います。 まず先に「クラブを大きくする」ことや「クラブが持つ価値を高めて広める」ことが大事かなと。 もう少し言い換えると、 「魅力あるサッカーができる選手が集まるようになるためにクラブを大きくする」 という考え方で接していきたい。(注:[集める]ではなく[集まる]) そしてこれは、少しずつ成果が出始めています。 かつては中学卒業すると道外へ流出していた人材が、コンサドーレを経由するようになった。 トップチームに小野伸二選手が加入した。 これもまた、クラブが大きくなり魅力が高まり、人材が集まるようになってきた一環だと感じています。
■まとめ■ 今回のチーム人件費を整理した結果、 目先の勝利や昇格にだけ惑わされることなく、昇格することだけを目標とせず、 いつかは定着することを最終目標にして、 まず先に「クラブを大きくする」活動をすべきと改めて強く認識しました。 そして、コンサドーレ札幌には「お金がない」のではなく、 「北海道は潜在能力あるが、お金がコンサドーレ札幌に集まる魅力が不足している」 という感覚が正しいと思います。 年間売り上げが兆単位くらいのビッグな親会社が無いので、 会社の規模を少しずつ高めて、クラブを大きくする道が、遠回りのようで最短な気がします。 「クラブを大きくするのが先か」か「目先の勝利や昇格が先か」。 どちらかに偏り過ぎず、そのバランスを見失わないようにしたいですね。 「クラブを大きくすることに参加する」ことを楽しみましょう。
2014年12月22日
Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、コンサドーレ札幌のアカデミー収入と現在地と目指すべき未来を探ります。 今回は、2013年J1/J2アカデミー収入に焦点を当てます。
もくじ 1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら 2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら 3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら 4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら 5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちらこちら 5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら 5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら 5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら 6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら 6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら←今回★ 8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら 9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)こちら 10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら 11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか? 参考資料 2013年度Jクラブ経営情報開示 有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB) 予算実績平成25年12月期(PDF:189KB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ) コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)
★2013年J1アカデミー収入順(百万円) 親会社クラブ収入 経費 粗利 売上利益率 日産 横浜FM455 314 141 31% 東京ガF東京422 255 167 40% 鈴与 清水 319 197 122 38% 住友 鹿島 269 166 103 38% トヨタ名古屋258 191 67 26% ヤマハ磐田 249 182 67 27% 富士通川崎F164 75 89 54% ===J1平均158 113 45 28%== -- 新潟 143 128 15 10% Docomo大宮 142 68 74 52% エディ広島 99 126 -27 -27% -- 仙台 88 68 20 23% -- 鳥栖 74 23 51 69% 日立 木白 71 40 31 44% -- 大分 48 70 -22 -46% -- 甲府 36 21 15 42% 三菱 浦和 15 102 -87 -580% -- 湘南 0 0 0 0% ヤンマC大阪 0 0 0 0% ※浦和、湘南、C大阪は別法人化されてるので別会計です。 歴史と伝統があり、大都市圏にある横浜FMとF東京が4億円超え。 ここの粗利だけで、1億円を超えている。 トップにアカデミー卒の選手が昇格→ブランド向上→スクールに入る子供が増える→収入増える J1クラブのアカデミーは、そのブランド力の維持をしつつ、良い選手を集め、スクール生も集める。 こういうサイクルが生まれている証拠だ。 週1回のスクールで月謝1万とかどーなの?って思うけど。 札幌もアカデミー部門で1億円の粗利を生むようになってほしい。
★2013年J2アカデミー収入順(百万円) 親会社クラブ収入 経費 粗利 売上利益率 楽天 神戸 231 115 116 50% -- 東京V174 91 83 48% -- 福岡 171 58 113 66% パナ G大阪138 114 24 17% 京セラ京都 134 145 -11 -8% -- 岡山 75 18 57 76% == J2平均 74 46 28 38%== -- 愛媛 67 9 58 87% -- 栃木 64 32 32 50% -- 山形 61 64 -3 -5% 大塚 徳島 58 28 30 52% JEF千葉 55 73 -18 -33% -- 札幌 54 59 -5 -9% -- 富山 52 22 30 58% -- 北九州 50 26 24 48% -- 横浜FC 46 38 8 17% -- 岐阜 41 33 8 20% -- 鳥取 40 27 13 33% -- 水戸 38 10 28 74% -- 長崎 36 26 10 28% -- 熊本 23 17 6 26% -- 松本 5 5 0 0% -- 群馬 4 9 -5 -125% 意外なのは、G大阪の収入の低さ。 伝統もあるので、もっと稼いでいると思っていた。 東京Vはここが支えているといえる。 大健闘しているのは福岡。 人口の多さもあると思うが、強豪高校が多い九州で、これだけの収入と粗利を生むのは大変だろう。 しかし、昨年福岡U18がプリンス降格したのに対し、東福岡が高校総体で優勝するなど、 ユースに逆風が吹いているともいえる。 岡山、愛媛も健闘している。 こう考えると、札幌は少なすぎる。 収入も低いが、粗利も低すぎる。 人口は多いが、若年齢人口が少ないのと、 人を集めようにも人口密度が低いので活動範囲が広域なため人集めが苦しいだろうか。 少しずつ収入は増えている(41百万→44百万→54百万)ので 札幌U-18ブランドが向上した今のうちに、さらに事業拡張したいところだ。 ・・・千葉も札幌に似てますね。
2014年12月20日
Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、コンサドーレ札幌の客単価と現在地と目指すべき未来を探ります。 今回は、2013年J1/J2入場料収入と入場者数から、客単価に焦点を当てます。
もくじ 1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら 2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら 3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら 4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら 5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちらこちら 5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら 5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら 5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら 6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)←今回★ 6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら 8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら 9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)こちら 10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら 11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか? 参考資料 2013年度Jクラブ経営情報開示 有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB) 予算実績平成25年12月期(PDF:189KB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ) コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)
★2013J1客単価(=入場料収入/試合数) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (ナビ含) (ナビ含) 浦和 3,132 2,132 680,641 19専 仙台 2,868 757 263,901 18専 木白 2,788 646 231,713 19専 C大阪2,642 954 361,103 21専陸併用 名古屋2,529 736 291,036 20専陸併用 鳥栖 2,510 548 218,326 20球 鹿島 2,386 748 313,498 21専 磐田 2,166 446 205,908 20球 J1平均2,124 693 318,948 20== 横浜FM2,064 1,069 518,049 22 清水 1,990 523 262,778 20専 広島 1,898 541 284,983 18 甲府 1,727 403 233,358 20 F東京1,713 788 459,909 20 大分 1,692 370 218,700 20 大宮 1,670 341 204,189 20専 川崎F1,603 540 336,894 22 新潟 1,432 674 470,805 20 湘南 1,420 263 185,265 20 =============== (札幌 1,557 310 199,162 19★(J2/2011)) (札幌 1,787 397 222,192 20★(J1/2012)) (札幌 1,560 330 211,568 21★(J2/2013)) (札幌 1,650 440 266,666 21★(J2/2014予算)) ※専:サッカー専用スタジアムで半数以上の試合を行うクラブ ※球:球技場(ラグビー兼用)で半数以上の試合を行うクラブ 浦和については語るまでもない。客単価も入場料収入もNO.1。 大健闘しているのは、仙台と鳥栖だろう。 鳥栖は札幌と入場者数が大きく違わないのに、客単価で1000円近く差がある。 これは個別に分析する価値がありそうだ。 また客単価が高いクラブは、ほとんどが球技場or専用スタジアムなのは特筆すべき事項だろう。 J1平均を超える8クラブ中、球技場=8クラブ(C大阪と名古屋は陸スタもあり)、陸スタonly=0 J1平均以下の10クラブ中、球技場=3クラブ(清水,大宮,横浜FM(※))、陸スタonly=7クラブ ※横浜FMは年間3試合程度三ツ沢で行うので含めた それだけ支払う価値があると、観る側も理解しているようだ。 コンサートやライブで、最前列や、アーティストに近い席が高値で取引されるのと似ています。 札幌ドームの場合、陸スタより近いが、専用スタジアムより遠いという存在。 でもドームのバックスタンド前方から見ると、結構近く感じるし、 がつがつした衝突音や、ボールを蹴る音が聞こえます。 各専用スタジアムとも、メインよりバックスタンドの方がピッチに近いですし。 なので私は、普段見ない人に、バックスタンドSB席アウェイ寄りをすすめています。
★2013J2客単価(=入場料収入/試合数) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (人) G大阪1,802 465 257,996 21 千葉 1,680 353 210,078 21専 京都 1,569 260 165,717 21 札幌 1,560 330 211,568 21球★ 東京V1,532 204 133,201 21 福岡 1,497 180 120,270 21球 栃木 1,403 145 103,360 21球 神戸 1,402 339 241,841 21球 横浜FC1,390 177 127,354 21球 山形 1,370 202 147,416 21 北九州1,320 88 66,665 21 鳥取 1,151 99 86,033 21専あり 徳島 1,150 105 91,303 21 J2平均1,127 179 139,963 21== 群馬 1,120 84 74,990 21 長崎 1,019 132 129,517 21 水戸 926 90 97,237 21 熊本 902 118 130,769 21 岡山 894 161 180,056 21 富山 894 84 93,960 21 松本 858 199 231,866 21球 岐阜 779 74 95,032 21 愛媛 675 56 82,952 21 =============== (札幌 1,557 310 199,162 19★(J2/2011)) (札幌 1,787 397 222,192 20★(J1/2012)) (札幌 1,560 330 211,568 21★(J2/2013)) (札幌 1,650 440 266,666 21★(J2/2014予算)) ※専:サッカー専用スタジアムで半数以上の試合を行うクラブ ※球:球技場(ラグビーなどと兼用)で半数以上の試合を行うクラブ J1経験があるか、ないかで大きな差が出るこの指標。 J1経験がない中では、栃木、北九州の高さが目立っている。 これは今後のクラブの成長によっては、飛躍的に収入が増える余地があるといえる。 そのまま読み解いても正しい分析にならないので、上記の観点も踏まえ、 入場者数20万人以上、10万人以上20万人未満、10万人未満の3カテゴリに分けて考察する。 入場者数が20万人以上のクラブの中で、最も客単価が高いのはG大阪。 J1クラブなのだから、当然の結果といえる。 逆に最も低いのが松本。 20万人以上を集めながら、入場料収入が2億円を超えていない。 集客力のの背景には、単に盛り上がっているだけでなく、 非常に安いチケット価格帯の席割りが大部分を占める状況もあるのだろう。 これがJ1価格になった時でも、地元客はついてこられるだろうか? 入場者数が10万人以上20万人未満のクラブの中で、最も客単価が高いのは京都、次いで東京V。 逆に熊本、岡山はJ2平均以下となっている。 やはりここでもJ1経験の有無が、その差になっている。 これは、J1で戦える財務体質にするには、必要な措置であり、 一度降格したからといって、おいそれと価格を下げるわけにはいかないのだろう。 入場者数が10万人未満のクラブの中で、最も客単価が高いのは北九州。 地域住民の収入の差が出ているともいえる。 北九州一帯は歴史ある工業地帯で、この地域の住民は、 レジャーに使える費用が地方都市よりも多いと考えられる。 これは、愛媛の客単価からもいえることだろう。 岐阜は中部工業地帯に近いので潜在能力がありそうだが・・・。 極端な例を挙げると、ベトナムでは年間で20万人を集めても、 入場料収入は1億円どころか5000万円程度にしか届かないそうだ。 これは、その地域の賃金差もしくは1人当たりGDPの差が出ている結果です。 結果的にオーナーに依存する体質となっている。 さて、札幌。 北海道内の経済不況が長引き、レジャーに落とす金が目減りしていることも手伝って、 客単価がなかなか上がらない状況になっている。 コンサドーレの収入が増えるようになるには、社会人なら「一生懸命に働くこと」で、 経済活性化の一助になると考えている。 ただ、私はここに1つ付け加えて、【外貨を獲得するビジネスで社会に貢献すること】としたい。 道内の金を回すだけでは、経済が大きく活性化するとは言えず、 外の資金が流入してくることが求められる。 道内で稼いだ金を道内で使っても、地域経済は大きくならないのだから。
2014年12月20日
Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、コンサドーレ札幌の入場料収入と現在地と目指すべき未来を探ります。 今回は、2013年J1/J2入場料収入に焦点を当てます。
もくじ 1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら 2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら 3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら 4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら 5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちら←今回★ 5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら 5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら 5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら 6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら 6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら 8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら 9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)こちら 10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら 11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか? 参考資料 2013年度Jクラブ経営情報開示 有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB) 予算実績平成25年12月期(PDF:189KB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ) コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)
★2013年J1入場料収入順(百万円) 入場料収入 試合関連経費 興行粗利 売上利益率 クラブ入場料 試合 興行 売上 ___収入__経費 粗利 利益率 浦和 2,132 497 1635 77%専 横浜FM1,069 341 728 68% C大阪 954 464 490 51%(専) F東京 788 373 415 53% 仙台 757 144 613 81%専 鹿島 748 384 364 49%専 名古屋 736 283 453 62%球 J1平均 693 261 432 62%== 新潟 674 283 391 58% 木白 646 198 448 69%専 鳥栖 548 273 275 50%球 広島 541 263 278 51% 川崎F 540 174 366 68% 清水 523 208 315 60%専 磐田 446 328 118 26%球 甲府 403 101 302 75% 大分 370 75 295 80% 大宮 341 226 115 34%専 湘南 263 82 181 69% =============== (札幌 310 205 105 34%★J2/2011) (札幌 397 254 143 36%★J1/2012) (札幌 330 212 118 36%★J2/2013) (札幌 440 285 155 35%★J2/2014予算(試合経費は興行原価より)) 浦和は見事というしかない。 横浜FMも大箱を活かして、ビッグゲームで観客が多いし、ホーム最終戦は完売となった。 C大阪は2012年度比で倍増(495⇒954)。 ここでもう1つ特筆すべきは仙台だろう。 売上利益率が81%って驚異的だ。 仙台は決して大箱ではないものの、高い収容率も手伝って客単価が高いことが大きな要因だ。 入場者数でいえば、鹿島や名古屋のほうが上だが、入場料収入は仙台のほうが上なのだ。 札幌に限らず、各クラブが目指すべき理想はここだろうなあ。 1)大箱過ぎない(2万~3万) 2)客単価が高い(2500円以上)、 3)客が少ない時でも盛り上がってるように感じる(屋根付き、小箱(中箱?)、球技場)
★2013年J2入場料収入順(百万円) クラブ入場料 試合 興行 売上 ___収入__経費 粗利 利益率 G大阪465 233 232 50% 千葉 353 146 207 59%専 神戸 339 187 152 45%球 札幌 330 212 118 36%球★ 京都 260 135 125 48% 東京V204 144 60 29% 山形 202 63 139 69% 松本 199 100 99 50%専 福岡 180 73 107 59%球 J2平均179 93 86 48%== 横浜FC177 71 106 60%球 岡山 161 70 91 57% 栃木 145 76 69 48%球 長崎 132 115 17 13% 熊本 118 42 76 64% 徳島 105 52 53 50% 鳥取 99 44 55 56%(専) 水戸 90 35 55 61% 北九州 88 48 40 45% 群馬 84 58 26 31% 富山 84 59 25 30% 岐阜 74 67 7 9% 愛媛 56 21 35 63% =============== (札幌 310 205 105 34%★J2/2011) (札幌 397 254 143 36%★J1/2012) (札幌 330 212 118 36%★J2/2013) (札幌 440 285 155 35%★J2/2014予算(試合経費は興行原価より)) J2クラブの中では、高額なスタジアムを使っている札幌と東京V。 売上利益率の低さが、その苦しさを物語っています。 ただし苦しいといっても、両クラブの試合関連経費はJ1平均以下。 入場者数の違いによる警備費用などが一因といえるが、 J2の方が試合数が多いので、 J2クラブの試合関連経費の方が多くても不思議ではない。 入場料収入で1億届かないってのは、キツイ! 2億でもキツイけど。 せめて、チーム人件費を賄えるくらいになりたいですね。 専スタや球技場をホームとするクラブが上のほうに多いのはよい傾向です。 札幌にも専スタを? いやいや、札幌ドームで安定して2万人入れることの方が大切ですし、 わざわざ作る経費考えたら、ドーム利用する方が現実的。 と、3000人のスタジアムが練習場なクラブを見て思いました。
2014年12月19日
Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、コンサドーレ札幌のチーム人件費(強化費)&勝ち点比率と現在地と目指すべき未来を探ります。 今回は、2013年J1/J2チーム人件費(強化費)&勝ち点比率に焦点を当てます。 勝ち点を獲得するために多くのチーム人件費が必要なのは言うまでもありません。 では、その勝ち点を効率よく獲得したクラブはどこでしょう? 人件費をかけた割には勝ち点の取れてないクラブ、 人件費が少ない割に勝ち点を多く獲得したクラブ。 コンサドーレ札幌はどちらでしょう?
もくじ 1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら 2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら 3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら 4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら 5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちら 5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら 5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら 5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら 6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら 6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら 8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら 9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)←今回★ 10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら 11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか? 参考資料 2013年度Jクラブ経営情報開示 有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB) 予算実績平成25年12月期(PDF:189KB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ) コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)
★2013年J1勝点1あたりの人件費順(百万円) クラブ 勝点 人件費 勝点1あたりの人件費 甲府 37 707 19.11 新潟 55 1,077 19.58 C大阪59 1,212 20.54 湘南 25 530 21.20 鳥栖 46 1,012 22.00 広島 63 1,449 23.00 清水 50 1,251 25.02 川崎F60 1,557 25.95 仙台 45 1,169 25.98 横浜FM62 1,701 27.44 鹿島 59 1,701 28.83 J1平均47 1,390 29.44=== F東京54 1,637 30.31 浦和 58 2,016 34.76 大宮 45 1,606 35.69 大分 14 556 39.71 木白 48 2,118 44.13 名古屋47 2,348 49.96 磐田 23 1,369 59.52 ※グラフは別掲します。 勝点を人件費で割ると、勝ち点1を得るための人件費コストがわかるが、 これでは予算の小さいクラブと大きいクラブで傾向が分かれてしまうので、 必ずしも「効率よく勝ち点を得ている」とは言い難い。 そこで、単に勝ち点1あたりの人件費による分析と、 散布図+近似曲線による分析を行う。 ★勝点1あたりの人件費による分析 甲府、新潟、C大阪が効率よく勝ち点を得ていることがわかる。 甲府はまだまだ事業規模がJ1定着レベルになっていないが、 2年連続で残留を決めており着実に力をつけている。 新潟も人件費に10億円をかけられる規模で安定している(正確には漸減している)ので、 ビッグな親会社がない地方クラブとして効率の良い経営ができているようだ。 C大阪は若手の活躍で年俸がまだ低いうちに上位進出したといえる。 フォルラン効果で人件費が急増するだろうがどこまで効率の良さを維持できるか注目だ。 非効率なのは、磐田、名古屋、柏。 柏と名古屋は人件費だけなら1、2を争う20億円超え。 これでACL出場にも手が届かないようでは、問題が多いといえる。 名古屋は2013年末に主力選手を大量に切ったので、2014年は減りそうだが、再建(?)の道は険しい。 そして、磐田。 チーム人件費でいえばJ1平均以下で、選手の平均年齢も高めなため、 成長の伸びしろやシーズン後半での伸びが大きく期待できない。 けが人や監督交代も原因だろうし、1つだけ何かが悪いわけではないだろう。 ぶっちぎりでJ2優勝しますというような雰囲気を感じたが、結果はJ2残留であった。 ★近似曲線による分析 効率よく勝ち点を獲得したのは、広島、C大阪、新潟であった。 広島は、ここ数年主力が引き抜かれながらも、2連覇という偉業を成し遂げた。 引き抜かれたことが年俸抑制につながったといえるが、もはや脱帽である。 非効率なのは、名古屋、磐田、大分。 大分は非効率というより、そもそも人件費自体が低いので、戦いにならなかったというのが正解か。 とはいえ、湘南のほうがわずかに低いため、効率の悪さがあった点は否めない。
★2013年J2勝点1あたりの人件費順(百万円) クラブ 勝点 人件費 勝点1あたりの人件費 長崎 66 229 3.47 群馬 40 163 4.08 水戸 55 230 4.18 北九州49 249 5.08 愛媛 47 247 5.26 松本 66 368 5.58 札幌 64 359 5.61★ 熊本 43 261 6.07 富山 44 273 6.20 東京V56 357 6.38 栃木 63 410 6.51 岐阜 37 241 6.51 鳥取 31 207 6.68 福岡 56 390 6.96 岡山 56 411 7.34 山形 59 468 7.93 J2平均57 467 8.13== 横浜FC58 482 8.31 徳島 67 601 8.97 京都 70 692 9.89 神戸 83 1,160 13.98 千葉 66 994 15.06 G大阪87 1,486 17.08 こちらも、勝ち点1あたりの人件費と、近似曲線によるグラフで分けて分析をしよう。 ※載せようとしましたが、別掲します。 ★勝点1あたりの人件費による分析 長崎、群馬、水戸が効率よく勝ち点を得ていることがわかる。 人件費2億円台(群馬は1億円台!)のクラブの中でも、多くの勝ち点を得たクラブが 効率よく勝ち点を得たといえる。 とりわけ、この3クラブの成績は驚異的で、長崎に至ってはPO進出まで果たしている。 非効率なのは、予算が大きいG大阪、千葉、神戸。 これら3クラブについては、自動昇格やPO進出を果たしているのだから、予算に見合った成績だったといえる。 ★近似曲線による分析 長崎、松本、札幌が効率よく勝ち点を得ていることがわかる。 松本は、この勢いを持続し、2014年は2位で自動昇格を決めている。 反町監督の手腕と、初昇格に向けたクラブの勢いを感じる。 このクラブが本当に試されるのは、昇降格を繰り返してもなお、 あれだけの集客力が持続するかどうかだろう。 そして札幌。 PO進出できなかったことでかすんでしまったが、昨年の成績はもっと評価されてよい。 人件費は、J2平均以下で下から数えたほうが早いにもかかわらず、 最終節までPO進出を争った。 松本もほぼ同じ状況だったが、2014年は大きな差がついてしまった。 その差が何かは、多くのサポーターやパートナーが感じているだろうから、ここでは言及しない。 予想よりも成績がよいと、翌年の期待度は高まりすぎてしまうということだろうか。 効率が悪かったのは、鳥取、岐阜、千葉。 鳥取、岐阜は、予算が小さいことをカバーする何かが足りなかったといえる。 千葉はもう伝統芸能なので、これでいいじゃないでしょうか。 現実路線の関塚監督が、2014年はどこまで引き上げるか注目したい(3位になるもPO決勝で敗れる)。
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