2014年12月20日
Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、コンサドーレ札幌の客単価と現在地と目指すべき未来を探ります。 今回は、2013年J1/J2入場料収入と入場者数から、客単価に焦点を当てます。
もくじ 1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら 2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら 3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら 4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら 5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちらこちら 5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら 5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら 5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら 6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)←今回★ 6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら 8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら 9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)こちら 10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら 11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか? 参考資料 2013年度Jクラブ経営情報開示 有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB) 予算実績平成25年12月期(PDF:189KB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ) コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)
★2013J1客単価(=入場料収入/試合数) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (ナビ含) (ナビ含) 浦和 3,132 2,132 680,641 19専 仙台 2,868 757 263,901 18専 木白 2,788 646 231,713 19専 C大阪2,642 954 361,103 21専陸併用 名古屋2,529 736 291,036 20専陸併用 鳥栖 2,510 548 218,326 20球 鹿島 2,386 748 313,498 21専 磐田 2,166 446 205,908 20球 J1平均2,124 693 318,948 20== 横浜FM2,064 1,069 518,049 22 清水 1,990 523 262,778 20専 広島 1,898 541 284,983 18 甲府 1,727 403 233,358 20 F東京1,713 788 459,909 20 大分 1,692 370 218,700 20 大宮 1,670 341 204,189 20専 川崎F1,603 540 336,894 22 新潟 1,432 674 470,805 20 湘南 1,420 263 185,265 20 =============== (札幌 1,557 310 199,162 19★(J2/2011)) (札幌 1,787 397 222,192 20★(J1/2012)) (札幌 1,560 330 211,568 21★(J2/2013)) (札幌 1,650 440 266,666 21★(J2/2014予算)) ※専:サッカー専用スタジアムで半数以上の試合を行うクラブ ※球:球技場(ラグビー兼用)で半数以上の試合を行うクラブ 浦和については語るまでもない。客単価も入場料収入もNO.1。 大健闘しているのは、仙台と鳥栖だろう。 鳥栖は札幌と入場者数が大きく違わないのに、客単価で1000円近く差がある。 これは個別に分析する価値がありそうだ。 また客単価が高いクラブは、ほとんどが球技場or専用スタジアムなのは特筆すべき事項だろう。 J1平均を超える8クラブ中、球技場=8クラブ(C大阪と名古屋は陸スタもあり)、陸スタonly=0 J1平均以下の10クラブ中、球技場=3クラブ(清水,大宮,横浜FM(※))、陸スタonly=7クラブ ※横浜FMは年間3試合程度三ツ沢で行うので含めた それだけ支払う価値があると、観る側も理解しているようだ。 コンサートやライブで、最前列や、アーティストに近い席が高値で取引されるのと似ています。 札幌ドームの場合、陸スタより近いが、専用スタジアムより遠いという存在。 でもドームのバックスタンド前方から見ると、結構近く感じるし、 がつがつした衝突音や、ボールを蹴る音が聞こえます。 各専用スタジアムとも、メインよりバックスタンドの方がピッチに近いですし。 なので私は、普段見ない人に、バックスタンドSB席アウェイ寄りをすすめています。
★2013J2客単価(=入場料収入/試合数) クラブ客単価 入場料 入場者数 試合数 ___(円)_(百万円) (人) G大阪1,802 465 257,996 21 千葉 1,680 353 210,078 21専 京都 1,569 260 165,717 21 札幌 1,560 330 211,568 21球★ 東京V1,532 204 133,201 21 福岡 1,497 180 120,270 21球 栃木 1,403 145 103,360 21球 神戸 1,402 339 241,841 21球 横浜FC1,390 177 127,354 21球 山形 1,370 202 147,416 21 北九州1,320 88 66,665 21 鳥取 1,151 99 86,033 21専あり 徳島 1,150 105 91,303 21 J2平均1,127 179 139,963 21== 群馬 1,120 84 74,990 21 長崎 1,019 132 129,517 21 水戸 926 90 97,237 21 熊本 902 118 130,769 21 岡山 894 161 180,056 21 富山 894 84 93,960 21 松本 858 199 231,866 21球 岐阜 779 74 95,032 21 愛媛 675 56 82,952 21 =============== (札幌 1,557 310 199,162 19★(J2/2011)) (札幌 1,787 397 222,192 20★(J1/2012)) (札幌 1,560 330 211,568 21★(J2/2013)) (札幌 1,650 440 266,666 21★(J2/2014予算)) ※専:サッカー専用スタジアムで半数以上の試合を行うクラブ ※球:球技場(ラグビーなどと兼用)で半数以上の試合を行うクラブ J1経験があるか、ないかで大きな差が出るこの指標。 J1経験がない中では、栃木、北九州の高さが目立っている。 これは今後のクラブの成長によっては、飛躍的に収入が増える余地があるといえる。 そのまま読み解いても正しい分析にならないので、上記の観点も踏まえ、 入場者数20万人以上、10万人以上20万人未満、10万人未満の3カテゴリに分けて考察する。 入場者数が20万人以上のクラブの中で、最も客単価が高いのはG大阪。 J1クラブなのだから、当然の結果といえる。 逆に最も低いのが松本。 20万人以上を集めながら、入場料収入が2億円を超えていない。 集客力のの背景には、単に盛り上がっているだけでなく、 非常に安いチケット価格帯の席割りが大部分を占める状況もあるのだろう。 これがJ1価格になった時でも、地元客はついてこられるだろうか? 入場者数が10万人以上20万人未満のクラブの中で、最も客単価が高いのは京都、次いで東京V。 逆に熊本、岡山はJ2平均以下となっている。 やはりここでもJ1経験の有無が、その差になっている。 これは、J1で戦える財務体質にするには、必要な措置であり、 一度降格したからといって、おいそれと価格を下げるわけにはいかないのだろう。 入場者数が10万人未満のクラブの中で、最も客単価が高いのは北九州。 地域住民の収入の差が出ているともいえる。 北九州一帯は歴史ある工業地帯で、この地域の住民は、 レジャーに使える費用が地方都市よりも多いと考えられる。 これは、愛媛の客単価からもいえることだろう。 岐阜は中部工業地帯に近いので潜在能力がありそうだが・・・。 極端な例を挙げると、ベトナムでは年間で20万人を集めても、 入場料収入は1億円どころか5000万円程度にしか届かないそうだ。 これは、その地域の賃金差もしくは1人当たりGDPの差が出ている結果です。 結果的にオーナーに依存する体質となっている。 さて、札幌。 北海道内の経済不況が長引き、レジャーに落とす金が目減りしていることも手伝って、 客単価がなかなか上がらない状況になっている。 コンサドーレの収入が増えるようになるには、社会人なら「一生懸命に働くこと」で、 経済活性化の一助になると考えている。 ただ、私はここに1つ付け加えて、【外貨を獲得するビジネスで社会に貢献すること】としたい。 道内の金を回すだけでは、経済が大きく活性化するとは言えず、 外の資金が流入してくることが求められる。 道内で稼いだ金を道内で使っても、地域経済は大きくならないのだから。
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