2015年11月04日
誤審はスポーツを見ている者にとって不快なものだし、興ざめしてしまうものだ。 より精度を高めるならGLT(ゴールラインテクノロジー)を導入することは正しい方向だろう。 JFAサッカー競技規則(pdf 16MB)によると、GLTは明記されている。
ゴールライン・テクノロジー(GLT) GLTシステムは、得点があったかどうかを検証し、主審の決定を援助するために使用することができる。 GLTの使用は、各競技会規定に明記されなければならない。
しかしながら、それをFIFAやJFA、Jリーグは積極的にやろうとはしない。 (投資して、検証して、アンダーや女子W杯に導入したりしてるけど) それがなぜかというと、何事もなく勝ち負けが決まるリーグ戦に対して、「ゴシップ」的な話題をメディアに提供するためだと捉えている。 そういう観点でいえば「それがサッカー」といった言葉を広めてなかなかGLTを採用しようとしないFIFAのメディア戦略は、高く評価できる。 ワールドカップでの誤審、CLでの誤審、プレミアでの誤審・・・これらは世界中に発信され、話題を提供し「サッカー」の認知度向上に貢献している。 正論だけで新聞が売れるわけはなく、ゴシップやネガティブな話題ほど世間の耳目を集めやすく、結果的に金を生む仕組みになっている。 昨今の言葉を使えば、メディアの発展or維持は炎上マーケティングに支えられている。 面白いのは、正論には無反応なのに、ゴシップにはいちいち反応せずにいられない人が多いことだ。 不快なら無視すればいいのに無視できずに、ついチラリと記事のリンクを押してしまう。 この辺の取捨選択ができてる人は時間を無駄にしない人だと思うし、いちいち反応しちゃう人は・・・律儀な人? ラグビー・ワールドカップでのこと。 TMO(テレビ・マッチ・オフィシャル)で審判が際どいペナルティを見逃さずにジャッジできることを褒めたり報じたりしないが、 TMOが使われない場面で見極めが難しい判定が試合結果に影響する=誤審だと世界中のメディアが報じる。 審判の判定が正しかったのかどうかなんて、マスメディアは決して検証しないのだ。 批判した方が、世間の耳目を集めるから。 そして、そういう類の意図は、記事のタイトルに表れる。 タイトルで煽ってPV集める=耳目を集められれば、世間の人々がどんなに正論をかざそうとも、発信した側の思惑通りなのだ。 審判問題に対して、双方の立ち位置で検証した記事(紙媒体)は、ここ数年で「フットボール批評(旧サッカー批評)」でしか見たことがない。 (サカダイとか近所で売ってなくて読んでないだけですが) つまり、それをきちんと読んで書き手にペイしてるのは、ごく一部のサッカーファンだけということ。 「もっと誤審や判定を検証する報道を!」なんて正論は、マスメディア(スポーツ新聞など)=一般大衆には、悲しいくらいにスルーされていくのでした。
■推奨記事 審判委員会がJリーグ前半戦を分析…判定における課題とは(川端暁彦) 一部引用 7月3日、日本サッカー協会審判委員会記者ブリーフィングが東京都内のJFAハウスにて開催された。同様のブリーフィングはシーズン前などにも審判の判定基準などを説明する場として設けられてきたが、「ちょうどJ1が折り返しになるタイミングで、開幕してここからの判定についてのスタンダードに加え、ミスも含めたその原因の追究や、シェアしていくべきことを伝えられれば」(上川徹審判委員長)という考えでの開催。50人近い記者が集まり、「こんなにたくさんの方に来ていただけるとは思っていなかった」と上川委員長が語る中で活発な意見交換が行われた。 ■推奨記事その2 【石井紘人レポート】オープンになった審判委員会 【石井紘人レポート】2015Jリーグ前半戦のジャッジを振り返る 第一回 ※ほぼ会見全文です。 (一部引用) 出席者は、JFA審判委員長である上川徹氏とJFAトップレフェリーインストラクターの廣嶋禎数氏。FIFAワールドカップ2006年ドイツ大会で3位決定戦を担当したコンビが、50人近いメディアに明瞭に判定を説明した。
50人近い記者が来て、世に出た記事が2~3本(私が調べた限り、川端暁彦さんと石井紘人さんの記事のみ)くらいしかないのは、 読み手が少なく、金にならない記事だという証明のように思える。
■推奨記事その3 週間審判批評 石井紘人さんの審判批評。 フラットな批評なので読んでて好感がもてます。 批評全文と結論はこちらFBRJ
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