明治安田生命J2リーグのタイトルスポンサーを大歓迎なワケ(新聞に毎節ロゴ掲載)

2015年03月06日

2015シーズンから、J1、J2にタイトルスポンサー(冠スポンサー)がつきました。
漢字だから見た目の観点で少し違和感も感じますが、
市場がようやくタイトルスポンサー(冠スポンサー)の価値を認めたということで、歓迎しております。

さて、直近で何が起きるのかをまとめておきます。

各種メディアで「明治安田生命J1リーグ」「明治安田生命J2リーグ」
「明治安田生命J3リーグ」という文字が必ず報じられる。
⇒説明不要ですね。刷り込みです。いやでも覚えてしまいます。

各地域の地元の新聞で、試合当日と翌日にロゴが掲載される(はず)。
⇒J3では、各クラブの報道でロゴが掲載されていました。
 私が見たのは、福島と長野の新聞。他地域も同じと思いますが、未確認です。
 地域密着を謳うJリーグですから全国紙に載るのではなく、
 各地域の新聞に掲載されれば、高い広告効果が望めます。
 例として北海道新聞は道内シェアダントツ1位ですから、高い広告効果が望めます。

リーグ公式サイトや各クラブ公式サイトで、ロゴが掲出される
⇒リーグ公式は当然として、各クラブにもロゴが掲載されます。
 J1クラブには明治安田生命J1のロゴが、
 J2クラブには明治安田生命J2のロゴが、
 J3クラブには明治安田生命J3のロゴが、掲出されています。
 例えば、横浜FM公式や札幌公式には一番上に掲載されていますね。
fm
cs

ちなみにこれ、タイトルスポンサーになるための
スポンサーサイドの条件だったように思えます。
より広告効果を高めるにはどうすればよいか?という議論の中で、
地域によって発行部数やシェアに差のある新聞だけをアテにするより、
各クラブの公式HPにも載せることで広告効果を向上させる。


さて、1つ議論の種を撒いておきます。
「クラブ名には企業名が認められないのに、リーグには企業名が認められるの?」

クラブ名に付与する場合、ネーミングライツというより、親会社の宣伝という色合いが強まります。
これは、日本のスポーツ界が企業スポーツから発展したことが大きな要因であり、
企業スポーツは、地域との結びつきが必ずしも強固にならないというデメリットがあります。
今のプレミアリーグ(バレー)や、NBL(バスケ)が良い例で、企業名+地域名というのが多い。
観客として社員が動員されるケースが多いし、
その企業に所属する社員同士の意気昂揚に使えるメリットがあるのは事実だ。
そこに属するクラブは、地域貢献活動をしているのは理解しているけれど、
企業名が前面に出すぎて「ビッグな親会社傘下の企業チーム」という印象が拭えない。
当然、今のJリーグは、ビッグな親会社の存在の有無が成績や地域貢献の原資として
大きな位置づけにあるのは否定できません。

しかし、クラブ名に企業名が入っていないことで、
地域の人たちはより身近に感じて、クラブを応援しよう、関わろうと思うのではないでしょうか。

では、これをJリーグというリーグ名称に対して考えると、どんな影響があるのでしょう?
企業名や商品名が入ると、サポーターが失望する?地域貢献に影響が出る?
率直に「長いな」と「20年経ってやっとタイトルスポンサーがついたか」というのが私の感想。

Jリーグには通年で冠スポンサーがついたことがなかったので、違和感を感じる人も多いと思いますが、
(注:サントリー、ニコスシリーズというのがありましたが、あれは半期毎のステージにつけた)
タイトルスポンサーは今までつけたくてもスポンサーがいなくて付かなかっただけです。
そこにJリーグ百年構想云々というのは、あまり結びつかないと思います。

ここで注意が必要なのは、百年構想とか地域密着という考えの中で、
企業を排除するという考えはありません。
地域住民、自治体、企業の三位一体で支えていこうというのが基本的な考え方です。
企業の論理で一方的に潰されたり、縮小されることがないよう、
クラブとして独立した意志をもって存続(経営というべきか?)していく。
そのバランスを見失わないよう定期的に監視するのが、クラブライセンスの役割の1つです。
話がそれました。

結論として「明治安田生命J1リーグ」のようにタイトルスポンサーが付くことは、
長くて呼びづらいというくらいの影響はあるにせよ、
タイトルスポンサーを降りたから急にJリーグが無くなるということもありませんし、
どちらかというとメリットの方が多いと考えます。
まあ、その価値はマスメディアの協力によって成り立ちますので、
報道量を減るようなことがあれば「タイトルスポンサーに価値なし」と判断され、
「タイトルスポンサーすらつかないJリーグ」という印象を与えてしまいかねません。
なので、一度つけたら、企業が変わることはあっても、
継続的にタイトルスポンサーが付くことが望ましいですね。


参考)
各国のリーグのタイトルスポンサー。
欧州CL:ハイネケン
イングランド・プレミアリーグ:バークレイズ
ベトナム・Vリーグ1:TOYOTA
タイ・TPL:TOYOTA(TOYOTA THAI PREMIER LEAGUE)
タイ・Div1:YAMAHA(YAMAHA League-1)
シンガポール・Sリーグ:Yeo's、Great Eatern(Yeo's Great Eatern  S.League)
カンボジア・カンボジアリーグ:Metfone(Metfone Cambodian League)
オーストラリア・Aリーグ:HYUNDAI(HYUNDAI A-League)

Jリーグの東南アジア提携国のうち、4カ国(ベトナム、タイ、シンガポール、カンボジア)には、
リーグ冠スポンサーがついています。
しかも、タイに至っては、2部相当(日本で言うJ2)のDivision.1にもついていて、
ともに日本企業(TOYOTA,YAMAHA)です。



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