東南アジア戦略を推し進めても放映権収入で札幌は潤わない(ではなぜイルファン?)

2015年01月06日

前回記事
コンサドーレ札幌がマレーシアのクラブと提携する5つの理由こちら
 おさらい。
 ★理由1★マレーシアで1番人気のスポーツはサッカー
 ★理由2★北海道へ来るマレーシア人の数がうなぎ上り(2年で3倍増!)
 ★理由3★マレーシアからの来道者数は東南アジアの国の中で2番目に多い(2013年)
 ★理由4★マレーシアはGDPが東南アジアで3番目
 ★理由5★マレーシアは1人あたりGDPが東南アジアで4番目
 ★理由6★マレーシアからの訪日ビザ緩和


前回記事の結論
コンサドーレ札幌がイルファン(インドネシア代表)を獲得すると大儲け?こちら
1)インドネシア人旅行者が札幌ドームに大勢押し寄せることはない
2)コンサドーレ札幌の収入を増やすという考え方ではなく、パートナー企業に寄与することを優先する
3)インドネシア進出しているパートナー企業は道内企業に限らず全国に多数いる
4)イルファン・インパクトは、パートナー企業と連携する商材として活用する
5)リーグの放映権料収入やコンサドーレの配分金収入が、短期的・爆発的に増えることはない
(長い話が苦手な方は、↑だけ認識すればよいです)


先にこの項の結論
1)コンサドーレの収入が増えるポイントは以下の2つ
 ・パートナー企業のインドネシア市場拡大を支援する
 ・北海道の観光客増に貢献するためサッカーを通じて「Sapporo」を発信
2)ビッグな親会社を持つJ1クラブ(G大阪(パナ)など)にできなくて、J2札幌にできる強みを活かす
 ・最もインパクトあるのが、東南アジアの代表レベルの選手獲得
3)コンサドーレには、東南アジア戦略で現地と連携した動きを推進できる人材が少ない
 ・ビッグな親会社を持つJ1クラブ(G大阪(パナ)など)の親会社にはたくさんいますね
(これだけ理解できれば胸一杯)


東南アジア戦略を推し進めたからといって、
放映権収入でJ2コンサドーレ札幌が潤うわけではないということが、
ご理解いただけたかと思います。

では、東南アジア戦略で得られる収入はどこを軸とすべきなのか?
何をすれば、J2コンサドーレ札幌の収入が増えるのか?

それが↓になります。
・パートナー企業のインドネシア市場拡大を支援する
・北海道の観光客増に貢献するためサッカーを通じて「Sapporo」を発信

具体的には、
イルファンが出場する試合をインドネシアで放映したいWakuWakuJapanを支援するため、
出場する可能性が高いJ2クラブがイルファンを獲得する。
(これがJ1には無く、J2にある優位性)

WakuWakuJapanはコンサドーレ札幌のパートナーであり、
そのインドネシア市場拡大の貢献度によって、広告料収入増が見込める。
(これはリーグの放映権収入に関係ない札幌への直接収入)
(WakuWakuJapanがパートナーにいなければイルファンを獲得しなかっただろう)

似たようなケースで、日本企業が東南アジア進出する際の支援を行うというものがあります。
一口に企業の東南アジア進出といえども、実際に事業を始めるまでにやるべきことは多々あります。
特に難儀するのが、現地での人脈拡大と公的手続。
東南アジアのサッカークラブ・オーナーの多くは、大企業の社長であることが多い。
場合によっては国営企業の社長とか、皇太子とかとんでもない人までいたりします。
そういった人脈との接点を設けることでの仲介料(紹介料)を進出企業からいただく。
横浜FMの場合は1国1回につきウン百万円です。
これも広告料収入となります(アジアパートナーみたいな広告枠)。

つまり、東南アジアの企業から収入を得るのではなく、
東南アジアに進出する日本企業から収入を得るのです。
一口に広告料収入といえども、その商流は多岐にわたります。
放映権料収入やMD(グッズ収入)といったものに捉われないでください。
(10年スパンの長期的には拡大したいですけど)

G大阪(パナ)、横浜FM(日産)、柏(日立)、C大阪(ヤンマー)など、
ビッグな親会社クラブがこぞって東南アジア戦略を推し進めるにあたり、
それを推進できるグローバルな人材を親会社が抱えていることは、彼らの大きな強みです。
(番組制作と配信と親善試合まで行い、国をも巻き込むG大阪(パナ)の本気度はすごい)

J2コンサドーレ札幌は、ここが決定的に弱い。
(年俸が低すぎて有能な人材が来るわけない)
そこでJ1クラブにできなくて、J2クラブならできる優位性を活かすべく、
大きな一手として、イルファン獲得に動きました。

これからインドネシアでのイルファン獲得のメディア反応を追いますが、
AFFスズキカップに出場してない選手(開催直前にケガで離脱)なので、扱いは小さいと思います。
たぶん。

さて、どうなる?
2015年度のJ2コンサドーレ札幌の東南アジア戦略。

おわり。


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