2017年06月22日
公開から2ヵ月が過ぎて、そろそろ上映が終わりそうなので、慌てて観て来ました。 お目当てはもちろん、ベルを演じるエマ・ワトソンです。 果たして彼女は歌えているのだろうか? と一抹の不安を抱えての鑑賞だったのですが、結構ちゃんと歌えていましたね。 一部に音声修正ソフトで修正しているのではないかとの批判もあるそうですが、昔は歌の部分だけ吹き替え (マイ・フェア・レディのオードリー・ヘプバーンは有名) をしたり、今だってミュージシャンが発表する楽曲にも様々な修正が施されているそうですから、全然許容範囲でしょう。そもそもそこを全否定すると CGの使用もダメという事になります。 とにかくエマの透明感のある歌声は素敵だし、ミュージカルっぽくない歌い方や演技も好印象でした。 映画も良かったですね。 現在上映されているのは ディズニーアニメの実写映画化版なのですが、基本的なストーリーや楽曲はそのままに、多少今風にアレンジを施し、数曲の新曲を追加しています。さすがディズニー、CGの完成度も素晴らしく、素敵なファンタジー、ミュージカルに仕上がっています。 ハッピーエンドが変わるはずはなく、次はこうなると判っているのですが 良いものは良い。ラストはやはりジーンと来ます。とても面白く、あっという間の 129分間でした。 御多分に漏れずエンドロールは長かったですが、アリアナ・グランデとジョン・レジェンドが歌う主題歌など、飽きさせない工夫をしていました。
「美女と野獣」は 18世紀にフランスで発表された童話で、元々は子供たちに道徳的な事を教える為の寓話でした。イソップも寓話ですし、グリム童話にもそのような傾向があると思います。 僕の本棚にあるのは 角川文庫のボーモン夫人版で、前後の子供たちに教え諭すような部分を省いて、お話の部分だけを訳して集めたものです。「美女と野獣」 自体は27ページ程度の短いお話ですが、詩人のジャン‣コクトーが絶賛し、1946年に自ら監督として映画化しています。 その後も2009年にオーストリアで、2014年にフランスで映画化されています。2014年のフランス版は先月の金曜ロードショーで放送されましたが、設定は原作に近く、ディズニー版とは 相当 趣きの異なる作品でした。野獣の姿も、ディズニーのはアメリカらしくバファロー基本、フランス版のはネコ科という雰囲気で、違っていましたね。 一番馴染みがあるのは 1991年に公開されたディズニーアニメで、これは多くの方がご覧になった事があると思います。1993年には それを基に舞台化され、1994年からはブロードウェイでロングラン公演、日本でも劇団四季が公演しています。 現在上映されているのは、そのディズニーアニメの実写映画化版です。
2017年06月20日
右の円いのは おまけのコースターです。
【帯のコピー】
二日酔いのような読後感。
酒にまつわるエッセイや路地裏感漂う小説、呑兵衛の言い訳、何の役にも立たない泥酔記録などをチビチビ拾い集めた、酒場の何かの金字塔。
良くはない。だが、酔い本だ。
「二日酔いのような読後感」 って、最悪ですよね(笑)。
札幌在住のいろんな方々が ノーギャラで書いた原稿を集めた本 という事なので読んでみました。
酔っぱらいの戯言、失敗談、酔っぱらいあるあるなど、そんな掌編が 24編、収録されています。中にはホロっとくる話もありますが、大方は 自分も経験した事のあるような どうでもよい話ばかりで、”酔っぱらい同好会の会報” というところでしょうか。
ちびりちびりと お酒を片手に読むには ちょうど良いくらいの本でした。
ところで、
執筆者の中に お隣のご主人もいたのに ビックリ!
今度 一緒に飲みたいものです。
2017年06月15日
昨日のメンズデーに、札幌駅の上で一人で観てきました。
封切から1ヵ月以上が過ぎ、さすがに観客は少なめ、4番スクリーンに20名弱でした。
実は6月1日のファーストデーに、同じスクリーンで 一度観ています。
しかし、よく理解できずにモヤモヤが残ってしまい、その後で 原作を読んで、成程 そういう事だったのかと半分理解し、その確認もあって 二度目の鑑賞でした。
以下、ネタバレがあります。
ある日突然 地球の各地に出現した宇宙船、
それに乗っている異星人 (エイリアン) は、果たして敵なのか 味方なのか。
主人公は まだ若い女性言語学者で、それを探る為に 異星人の言葉を、文字を必死に解読しようとします。
相手の言葉を知るという事は、相手の文化や考え方、思考回路を知るということ。
異星人とのコミュニケーションを図る内に、次第に主人公は 異星人の能力まで身に付けていきます。
地球上に突然現れた 異星人とのコミュニケーションが 表向きのテーマで、事前の宣伝などでもそれを前面に出してPRしていたと思うのですが、テーマは別な所にもあります。
一つは、
時間は ひと時も止まらずに流れ続けるものなのか・・・・ という疑問。
時間というものの捉え方、時間という概念に対するアンチテーゼでしょうか。
二つめは、
異星人の時間に対する概念を理解する中で、未来を知る能力を身に付ける主人公。
しかし、未来は決して良い事ばかりではなかった。
その結末を知りながら、なお その未来に向かって進むのか。
その葛藤と切ない決断こそが この作品のメインテーマでしょう。
邦題は 「メッセージ」、
原題は 「ARRIVAL」、
原作のタイトルは 「あなたの人生の物語 (Story of Your Life)」です。
さて、「あなた」とは誰なのか。 映画の中でも 主人公はずっと「あなた」に語り掛けますが、原作では 文章の未来形、現在形、過去形で書き分けられている部分が 映像では曖昧で、作品を判りにくいものにしています。 特に最初の子供と一緒に遊ぶシーンを 過去の思い出と捉えてしまうと (実際 そうなるように仕向けている訳ですが)、僕と同じように混乱します。 途中でいるいろなフォロウがあり、判ってしまえば過剰なくらいに丁寧なフォロウなので、ちょっと勘の良い人であれば すぐに仕掛けに気付くような作りになっているのですが、僕は一度目は半分しか気付けませんでした。 原作も映画も なかなか面白いものでした。 「2001年 宇宙の旅」 のような 未来に残る作品とはならないでしょうけれど、しばらくは心に残る作品だと思います。 残念、その1 異星人は 「ヘプタポッド」 と命名されます。 7本脚という意味なのですが、異星人の姿が大昔に戻っています。 まるで 「イカール星人」 です。 それは良しとして、吐き出した墨で文字を描くという設定は 如何なものでしょう? 因みに、原作では 異星人も自分たちの機械を操作してスクリーンに文字を映し出します。 残念、その2 全世界に 12隻の宇宙船が現れ、そのうちの1隻は北海道に現れた! という設定なのですが、北海道のどの辺りなのか、残念ながら 全く分かりませんでした。 山間の緑の谷間が北海道だったのでしょうか?
2017年06月13日
CVS仲間の野風さんから お借りしました。 作者は 「テンペスト」 で有名な池上永一ですが、彼の作品は今回 初めて読みました。 漫画家の池上遼一とは一字違いですが、出身地も年齢も異なっており、何も関係は無いようです。
タイトルは 「黙示録」。 黙示録というと 「ヨハネの黙示録」 や 「地獄の黙示録」 などがイメージされ、終末ものなのかと思いましたが、全く違いました。 黙示録は、ギリシャ語では 「アポカリュプシス」 といい、「ベールを外す」 とか 「覆いを外す」 といった意味だそうです。この小説では、主人公・蘇了泉の一生を描く中で、長年隠されていた 「月しろ」 のベールが取り除かれ、その謎が明らかにされるのですが、そういう意味での このタイトルなのでしょう。 この本の商品説明には こうあります。 18世紀前半の琉球王国。数奇な運命の下に生まれた少年・蘇了泉は、病身の母のため、立身出世を目指して舞踊の頂点を極めようとするが…。天才の 「天国」 と 「地獄」 を描く一大叙事詩。 主人公の蘇了泉は最下層出身のダーティヒーローで、自分が生き残る為にはどんな卑劣な事でも平気でやってしまいます。時には不快に感じる場面もあります。 その彼が、一度は高みに上りながら、自らの慢心により底辺まで叩き落され、更にそこから這い上がり、やがて伝説に昇華していく物語は まさにスペクタクル、一大叙事詩でした。 登場人物の中で、蔡温 (1682年~1762年)、清の徐葆光 (1671年~1723年)、組踊の祖・玉城朝薫 (1684年~1734年)などは実在の人物です。その頃の琉球を舞台に、史実も含めながら、琉球舞踊をテーマにした壮大なドラマが描かれます。 江戸幕府や島津藩と 清朝との間で 微妙なバランスを取りながら生き残りを図る琉球王国。その為の駒として使われる 舞踊家、楽童子たち。それぞれのキャラクターが、それぞれの思惑で、それぞれに波乱万丈な生涯を送るのですが、それもまた丁寧に描かれていて なかなかに面白く、作品に厚みを与えています。 かなりボリュームのある作品で、前半と後半の印象は ずいぶんと異なるものでした。 中には 何人かとんでもないキャラクターがおり、それはさすがに行き過ぎではないかと感じる部分もありましたが、全編を通して読みごたえがあり、十分に堪能させていただきました。 生き生きとした描写により 次々と映像が浮かんできます。 ただ、この作品のポイントは 「舞踊」 なのですが、琉球舞踊だけでなく 能や 歌舞伎も重要な位置にあり、その舞踊のシーンを映像化するのは至難の業。 そこが上手く表現出来ないと この作品の良さが伝わらない訳で、現実的には無理でしょうね。
2017年06月11日
今年の YOSAKOIソーラン祭りは 雨に風、寒さと天気に恵まれず、残念でした。
大通西8丁目のステージも 観客が少なく、晴れの舞台にしては寂しいくらい。
天気が回復した午後からは 各会場ともまずまずの人出になったようですが、1年間頑張って練習して来た踊り子さんたちには申し訳なかったです。
雨に濡れたままの衣装で 寒い中の移動を余儀なくされた踊り子さんたち、体調を崩していなければ良いのですが・・・・。
さて、
今年のコンサフリーク、2014年以来、3年振りにセミファイナルには進出しましたが、残念ながら優秀賞止まりで、ファイナル進出は叶いませんでした。
セミファイナルの1位がファイナルに進出出来るのですが、携帯投票では人気が高く、もしかすると・・・と期待しただけに、余計に残念。
来年こそは・・・・・
一応、最終結果も書いておきます。
大賞 平岸天神
準大賞(札幌市長賞) 粋~IKI~ 北海学園大学
準大賞(札幌商工会議所会頭賞) 夢想漣えさし
優秀賞 井原水産&北星学園
恵庭紅鴉
北昴
コカ・コーラ札幌国際大学
THE☆北海道医療大学
新琴似天舞龍神
遨 ~すさび~
CHI よ REN 北天魁
平岸天神は さすがの演舞でしたね。
夢想漣えさしは 北見枝幸のチームなのですね。ずっと道南江差だと思っていました。ゴメンなさい。
2017年06月10日
雨の中の YOSAKOIそーらん、 衣装は濡れて スムーズな脱ぎ着は難しいでしょうし、濡れたままでの移動は 寒くて大変でしょうね。体調を崩さないと良いのですが。 一番可哀想なのは せっかくの晴れ舞台に観客が少ないこと。 今もTVで中継していますが、観客席はガラガラです。 昨晩、FUNKY!すすきの会場で観て来た コンサフリークです。 元気いっぱいの演舞は素敵でしたよ。 ボケボケで申し訳ありませんが、雰囲気だけでも・・・・
今日はこれから、 12:36 札幌駅南口広場 14:35 新琴似会場 17:42 大通北パレード 20:07 サッポロガーデンパーク の予定です。
2017年06月06日
学生の頃にお世話になった古書店といえば 四丁目プラザの地下1階にあった 「一誠堂書店」 なのですが、とっくに閉店となり、今は影も形もありません。 最近は ブックオフを利用していますが、新刊書店でも古書店でもない新古書店なので、あの店を舞台にした小説というのは書きにくいでしょうね。 という事で、 引き続き、本屋さんを舞台にした小説を探して読んでいます。
『せどり男爵数奇譚』 梶山季之 故 梶山季之はトップ屋(ルポライター)から作家へ転身し、社会派ミステリーから経済小説、風俗小説、官能小説、歴史小説など、様々なジャンルの作品を量産したベストセラー作家ですが、代表作は? と尋ねられても、これといって思い浮かびません。「と金紳士」 や 「色魔」 など、後にアダルト漫画の原作となった作品が記憶に残るくらいでしょうか。 正直、今更 梶山か? と思ったのですが、ビブリア古書堂シリーズにも登場したからでしょうか、「書店を舞台にした小説」 で検索すると結構な確率でヒットしたので、読んでみました。 この作品は、彼が亡くなる1年前、昭和49年1月から6月まで、「オール読物」 に連載したものです。本や古書にまつわる人間模様、ビブリオマニアと呼ばれる人たちの奇行、狂気を描いているのですが、いかにも古風なおどろおどろしい作品が多く、特に最終話はグロテスクで、決して気持ちの良い読後感ではありません。 文体や言葉遣い、舞台や登場人物、それぞれの短編のタイトルに麻雀の役を冠するところなど、全てに時代を感じました。 『淋しい狩人』 宮部みゆき (再読) さすが 宮部みゆき、ぐいぐい引き込まれるストーリー展開、読みやすい文章で、久しぶりにバスを乗り越してしまいました。 全6話の連作短編集で、扱われている謎は 少々重たかったり 切なかったり 辛かったりするものばかりなのですが、謎解き役の古書店の雇われ店主の爺さんと 店を手伝う孫の高校生の ほのぼのとした関係に救われます。 短編集なので、ミステリーとしては書き込み不足で物足りなさは残るのですが、宮部みゆきらしい人情味のあるミステリーでした。 『天国の本屋』 松久淳+田中渉 (再読) 本屋を舞台にした小説とはいえ、本屋は本屋でも天国の本屋ですから どうしようか迷いましたが、入れてしまいました。 こういうファンタジックな作品は、受け入れられる人と受け付けない人と、評価が大きく分かれますよね。この優しい温かさが、僕は好きです。文章はシンプルで、量も短めですが、それも良いと思います。 子供が小さい頃、寝る時に一緒にベッドに入り、いつも読み聞かせをしていたのが懐かしいです。 『配達あかずきん』 大崎 梢 舞台は駅ビルの6階にある新刊書店、主人公は書店員・杏子さんと、謎解き役のアルバイト店員・多絵ちゃんという2人組なのですが、このコンビが良いですね。 扱われているのは書店や本にまつわる身近な謎が中心かと思いきや、本当の犯罪もあり、人間の悪意と温かさが丁寧に描かれていて、思わず引き込まれます。作者は元書店員というだけあって、新刊書店の日常や裏側、エピソードも面白いです。創元推理文庫に収録されているだけあって、しっかりとしたミステリー、推理小説でした。 まだ第一作のこの本しか読んでいませんが、成風堂書店事件メモ というシリーズだそうで、これから残りも読んでみようと思います。 『森崎書店の日々』 八木沢里志 「続・森崎書店の日々」も一緒に読みました。 失恋と失業で失意のドン底にある主人公が、周囲の人々の温かな優しさに包まれて自分を取り戻していくという どこにでもあるようなストーリーで、軽く読めますが、こういう癒し系の小説はそれで良いのでしょうね。 千代田区が実施している「ちよだ文学賞」への応募作品なので神田神保町の古書店を舞台にしていますが、そうでなければ舞台はどこでも良かったというレベル。ただ、それなりに雰囲気はあるし、古書店街ならではのイベントも登場して、それはそれで面白かったので良しとします。 『すずらん通り ベルサイユ書房』 七尾与史 全体としてはライトなミステリーですが、ちょっとお洒落ないたずらや、妙にインパクトのある重い作品もあり、まぁ面白かったです。 ただ、ベルサイユ書房という店名の由来でもある男装の麗人の店長は必要でしょうか? 表紙の絵も含めて、いない方がスッキリするように思うのですが。他の登場人物のキャラクターも含めて、全てが ちょっと中途半端な印象でした。
2017年06月06日
明日7日(水曜日)から YOSAKOIソーラン祭りが始まります。 今年も 「コンサフリーク ~北海道武蔵女子短期大学~」 が参加しています。 女子短期大学なので 男手は無し、メンバーは2年で入れ替わるというハンデを抱えての戦い (?) ですが、今年はどんな演舞で魅せてくれるのでしょう? 楽しみです。 彼女たちの今年の演舞のスケジュールです。 8日(木) 21:11 大通公園西8丁目 9日(金) 19:25 すすきの第1 (南5~6条) 19:45 すすきの第2 (南4~5条) 10日(土) 11:00 サッポロガーデンパーク (サッポロビール園) 12:36 JR札幌駅南口広場 14:35 新琴似会場 (新琴似6・7条6丁目) 17:42 大通パレード 北コース 20:07 サッポロガーデンパーク 11日(日) 11:18 大通パレード 南コース 13:21 白い恋人パーク 15:36 道庁赤れんが コンサドーレの試合のない週末、コンサフリークを応援しに行きませんか? 因みに、昨年の演舞は こちら。 後半、コンサヴァージョンに変わった後、後方でゴール裏のように 大きな旗を振ったら映えるだろうになぁ・・・・ と思いますが、迷惑でしょうね。
2017年06月03日
今日、札幌駅の上で 18時55分からの回を観て来ました。 残念ながら 4番スクリーンはガラガラ、観客は 10人くらいだったでしょうか。
昨年3月に公開された 「家族はつらいよ」 の続編です。 前作は熟年離婚がテーマでしたが、今作は 高齢者ドライバー、下流老人、身寄りのない独居老人の孤独死、介護問題など、様々な高齢者問題を扱っています。 いかにも山田洋次監督らしい人情派喜劇、ホームコメディで、前作同様 ちょっとベタ過ぎて 苦笑いというシーンもありますが、ホロッとくるシーンや ほのぼのするシーンも多く、全体としては安定した面白さです。 高齢者の悲哀、死までも笑いに繋げていくというのは、85歳の山田洋次監督だからこそ許される 力技なのでしょうね。 ただ、テーマがあまりにも身近過ぎて、特に 高齢の親に運転を止めさせるというのは まさに現在進行形で我が身にも降りかかっている問題で、橋爪功のセリフは 義父の言い分と全くと言っていいほどに重なるわけで、笑うに笑えないという・・・・・ 平田家の問題は まだ解決していませんし、家族会議で うな重も食べられていませんし、このままシリーズ化して欲しいところですが、今日の観客数を見てしまうと 難しいでしょうか?