2017年06月15日
昨日のメンズデーに、札幌駅の上で一人で観てきました。
封切から1ヵ月以上が過ぎ、さすがに観客は少なめ、4番スクリーンに20名弱でした。
実は6月1日のファーストデーに、同じスクリーンで 一度観ています。
しかし、よく理解できずにモヤモヤが残ってしまい、その後で 原作を読んで、成程 そういう事だったのかと半分理解し、その確認もあって 二度目の鑑賞でした。
以下、ネタバレがあります。
ある日突然 地球の各地に出現した宇宙船、
それに乗っている異星人 (エイリアン) は、果たして敵なのか 味方なのか。
主人公は まだ若い女性言語学者で、それを探る為に 異星人の言葉を、文字を必死に解読しようとします。
相手の言葉を知るという事は、相手の文化や考え方、思考回路を知るということ。
異星人とのコミュニケーションを図る内に、次第に主人公は 異星人の能力まで身に付けていきます。
地球上に突然現れた 異星人とのコミュニケーションが 表向きのテーマで、事前の宣伝などでもそれを前面に出してPRしていたと思うのですが、テーマは別な所にもあります。
一つは、
時間は ひと時も止まらずに流れ続けるものなのか・・・・ という疑問。
時間というものの捉え方、時間という概念に対するアンチテーゼでしょうか。
二つめは、
異星人の時間に対する概念を理解する中で、未来を知る能力を身に付ける主人公。
しかし、未来は決して良い事ばかりではなかった。
その結末を知りながら、なお その未来に向かって進むのか。
その葛藤と切ない決断こそが この作品のメインテーマでしょう。
邦題は 「メッセージ」、
原題は 「ARRIVAL」、
原作のタイトルは 「あなたの人生の物語 (Story of Your Life)」です。
さて、「あなた」とは誰なのか。 映画の中でも 主人公はずっと「あなた」に語り掛けますが、原作では 文章の未来形、現在形、過去形で書き分けられている部分が 映像では曖昧で、作品を判りにくいものにしています。 特に最初の子供と一緒に遊ぶシーンを 過去の思い出と捉えてしまうと (実際 そうなるように仕向けている訳ですが)、僕と同じように混乱します。 途中でいるいろなフォロウがあり、判ってしまえば過剰なくらいに丁寧なフォロウなので、ちょっと勘の良い人であれば すぐに仕掛けに気付くような作りになっているのですが、僕は一度目は半分しか気付けませんでした。 原作も映画も なかなか面白いものでした。 「2001年 宇宙の旅」 のような 未来に残る作品とはならないでしょうけれど、しばらくは心に残る作品だと思います。 残念、その1 異星人は 「ヘプタポッド」 と命名されます。 7本脚という意味なのですが、異星人の姿が大昔に戻っています。 まるで 「イカール星人」 です。 それは良しとして、吐き出した墨で文字を描くという設定は 如何なものでしょう? 因みに、原作では 異星人も自分たちの機械を操作してスクリーンに文字を映し出します。 残念、その2 全世界に 12隻の宇宙船が現れ、そのうちの1隻は北海道に現れた! という設定なのですが、北海道のどの辺りなのか、残念ながら 全く分かりませんでした。 山間の緑の谷間が北海道だったのでしょうか?