『ハナミズキ』  吉田紀子

2010年10月06日

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映画の原作ではなく、脚本をもとにしたノベライズ版でした。
映画は観ておらず、この本も読む気は無かったのだけれど、家内が買ってきたので読んでみました。家内とは好きな本の傾向が違いますが、たまには同じ本を読まないと共通の話題がどんどん少なくなってしまいますから。

内容はありきたりのラブストーリーで、さらっと読めます。が、映画は観ていなくても予告編は何度も観ているので、読んでいると新垣結衣の顔が浮かんできて、イメージを切り離す事が出来ませんでした。結局、良くも悪くもそういう小説なのでしょう。




高校生の紗枝と康平が出会って恋に落ち、紗枝が東京の大学に進んで遠距離恋愛となり。。。。。という前半は比較的丁寧に描かれていますが、後半はいささか都合の良い展開が続き どんどん話しが進んで行きます。そんなに焦って飛ばさなくてもいいんじゃない、と思ったほどです。
映画の方もそうなのでしょうか。


気になったのは 東京での紗枝と康平の クリスマスデートのシーン。康平がクーラーボックスに氷を入れてカニやホタテを持って行くというのは、今時いくらなんでもありえない。
黒板五郎じゃあるまいし。

もうひとつは ラストのハナミズキが満開のシーン。
本州ではポピュラーな樹木のようですが、北海道では見かけませんよね。
植物図鑑によると 植栽地域は本州以南 とありますので、北限は東北でしょうか。
いずれにしても、北海道でも寒い地方の釧路ではハナミズキは育たないだろうし、花は咲かないだろうな、などと下衆な親父は思ってしまうのでした。


映画は 一青窈の「ハナミズキ」をモチーフにして脚本を書いたという事ですが、確かに “君と好きな人が百年続きますように” というフレーズは インパクトがあって印象深いですよね。

ところで、歌として聴いていると 透明感のある とても素敵な歌詞なのですが、改めて文字にして読んでみると どうもよくわからなくなります。
サビの部分から 片思いの人が自分は身を引いて好きな相手の幸せを祈る切ない歌なのだと思っていたのですが、実は 9.11アメリカ同時多発テロの時にニューヨークにいた友達からのメールに触発されて書いた歌なのだそうです。この作品の中にも 9.11が出てきますが、やはり 何らかの形で触れたかったのでしょう。
とすると、僕と恋人かもしれませんし、父親と娘なのかもしれません。事故現場で死を間近にした父親が 最後に娘の健やかな成長と幸せを祈る、いずれにしても切ない歌ですね。
解釈が全く間違っているかもしれませんが。。。。。

                      (2010.10.05 読了)


post by aozora

17:55

本の話 コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

ひぐま@紳士服のフタタ

Re:『ハナミズキ』  吉田紀子

2010-10-06 19:29

監督のティーチ・イン付きで試写会で見ています。アイドル映画ならまぁいいかという感じではあります。 それにしても…最近のTBSは何か間違っていますね。

青空

Re:『ハナミズキ』  吉田紀子

2010-10-07 08:54

>ひぐま@紳士服のフタタさん あしたのジョーや宇宙戦艦ヤマトの実写版もTBSでしたっけ? 近年はずいぶんと映画製作に力を入れていますよね。 ハナミズキ、ガッキーは可愛かったでしょうね。 僕もガッキーは好きなので、それだけで充分 とも言えますが、さすがにそれだけでは観に行かないです。 ノベライズの方も、こんな程度で 珠玉の恋愛小説とか泣けるとか書かれると、鼻白んでしまいます。 しかし、古代進がキムタクはないよなぁ。。。 初代アニメの古代進は まだ10代、せいぜい20歳前後という設定でしたよね?

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