『羊の目』  伊集院 静

2010年08月31日

8月も終わるというのに 暑いですね。
我が家には 扇風機も無いので、風の無い日は堪えます。

この暑さの中、本田選手は何故 あのような服装で帰国したのでしょう?


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伊集院 静を 久しぶりに読みました。

伊集院 静といえば 『乳房』が好き、
『乳房』 といえば 夏目雅子、
夏目雅子は早世して、今の奥様は 篠ひろ子、
篠 ひろ子といえば 小料理屋の女将さん役、「時間ですよ」でしたっけ? 
金妻シリーズもありましたね。
篠 ひろ子は 敬虔なクリスチャンだそうで、
この作品の主題がキリスト教なのは 彼女の影響 との見方もあるそうです。




夜鷹の女が産み捨てた男児が 浅草の侠客に育てられ、やがて闇社会を震撼させる暗殺者となる。神に祈りを捧げつつも、なお“親”のため人を殺し続ける男の生涯を描いた大河小説。


牡丹の女、観音堂、ライオンの舌、眠る蝶、竜の爪、ホットドッグ、羊の目、という7章から成る 長編というか 連作短篇集です。

冒頭の「牡丹の女」で一気に引き込まれます。
戦前、戦後の闇社会を舞台にした前半は面白いです。
さすが伊集院静、修羅の世界を描いても艶っぽいです。

惜しむらくは後半。
アメリカに舞台を移した頃からやや冗長、薄味になりました。
舞台を広げすぎたのでしょうか。



どれだけ人を殺しても 澄み切ったままの殺人者の瞳を 「羊の目」という言葉に象徴させていますが、田舎育ちの僕にとって 羊の目というと眠たそうにドヨ~ンとしているイメージが強いんですよね。
深く澄んだ瞳と言えばそうかもしれないけれど、何も考えていないような ガラス玉のような目 というイメージもあります。
単に 「迷える子羊の目」 という意味で使っているのでしょうが、それに“澄み切った、穢れのない”イメージを持たせる事に 最後まで違和感が残りました。



もしかして 「羊の目」 という言葉自体に 僕の知らない何か特別な意味があるのだろうか、と思って調べてみたら、大人のおもちゃが引っ掛かって来ました。
いくらなんでも これは関係ないですよね。


post by aozora

23:14

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