2010年05月04日
出張からの帰り、千歳から自宅に電話をかけると、出たのは緊張した声の義父。 「落ち着いて聞けよ。〇〇〇が交通事故に遭って、頭蓋骨骨折だ。」 一瞬 頭が真っ白になって、何も考えられなかった。 自転車に乗って横断歩道を渡る途中、交差点を曲がってきた車に撥ねられるという交通事故。小学2年生の秋だった。幸い大事には至らず元気に育ってくれたのだけど、ほんの一歩間違えばこの本の男の子と同じ運命を辿っていたわけで、決して他人事とは思えずに読み始めました。
かなり売れた本らしいですね。 そういう事は全く知らず、タイトルと表紙に惹かれて購入しました。 読んで良かった、と思えた作品でした。 ストーリーは特に凝ったものではなく、展開もシンプルで、余計なものは無いまま、予定調和というかほぼ予想通りの結末に至ります。 そこにこの本の良さがあり、だからこそ 多くの人に読まれたのだと思います。 特別な宗教色もなく、奇をてらうこともなく、大げさな演出もありません。 主人公が姉に想いを伝えるシーンも、すんなり受け入れられるようなものでした。 もちろん こんな事はあり得ないのだろうけど、これくらいなら あっても良いかな、あって欲しいな と思えます。 現世に未練を残したまま死んだ人の物語としては、小説なら『椿山課長の七日間』、映画だと『ゴースト』なんかを思い出しますが、その中にあって この本はなかなか良い作品だと思います。 ジュニア版もあるようなので、子供達にも読んで欲しいですね。 主人公が子供なので、難しい表現も無く、きっと共感できると思います。