【映画】 Dr.パルナサスの鏡

2010年02月11日

シュールでシニカル、時にブラック、幻想的な大人のファンタジー映画。

撮影中に トニー役のヒース・レジャーが急逝して、彼の友人であるジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が 鏡の世界でのトニーを演じることで完成したという事で話題の映画なのだけど、俳優陣目当てで観に行くと “なんじゃこりゃあ” となるかもしれない。




以下、ネタバレあります。


悪魔との取引で永遠の命を得た パルナサス博士の鏡(というより幕)の奥は、自分の欲望がリアルな世界として表現される 夢の世界。
次々と繰り広げられるイマジネーションの世界は カラフルで幻想的だが 奇妙に可笑しい。
直接ストーリーに関係しない分、ゲーム好きな子供や 偽善的なおばさんの夢は 俗っぽくて結構笑えるし、ロシアンマフィアに迫る警官隊のダンスは かなりショッキング。

全体のストーリーは 難解という訳でもないのだけれど、辻褄の合わないところも多く、判ったような 判らないような 不思議なストーリー。
ラストは 一応ハッピーエンドなのだけれど、観た後で スカッとするようなタイプの映画でもない。
笑える場面も ワッハッハではなく ニヤリだし、全体の雰囲気も はまる人ははまるだろうけど、馴染めない人は全然ダメだろう。
僕としては 結構好きだけど、妻はダメだったみたい。
評価は かなり分かれる作品だと思う。




パルナサス博士は 娘を 悪魔との賭けの賞品にしてしまうし、自分の欲望のためなら 他人を犠牲にすることを厭わないところもあり、結構な悪党だ。そうした一時の気の迷いを反省はしているのだが、また繰り返してしまう俗物でもある。不老不死の博士、娘が死んだ後も 生き続けなくてはならないわけで、また、自分の死を 悪魔と賭けるのだろうか。

娘役の リリー・コール、スタイルも良く、丸顔で可愛いらしかった。

エンドロールの最後におまけを予感させるような小細工があるけど、それだけだった。


post by aozora

23:22

映画 コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

ひろゆき

Re:【映画】 Dr.パルナサスの鏡

2010-02-12 00:23

私も今、見てきたところです。警察官のダンスはモンティ・パイソンですねえ。昔、その一員だった、テリーギリアムもはや70。なんだか、あのシーンで、感無量でした。

青空

Re:【映画】 Dr.パルナサスの鏡

2010-02-12 00:31

>ひろゆきさん  悪魔が傘を差して雲の上を歩くシーンでは メリー・ポピンズでしょうか。 雲に届く梯子のシーンは 芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出しましたが、映画ではないですね。 探すと 色々出てきそうな作品でした。

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