2009年05月02日
森 浩美 と言っても 知らない人が多い と思う。 僕も知らなかった。 けど、トシちゃんの“抱きしめてTONIGHT”、SMAPの“青いイナズマ”“SHAKE”、ブラックビスケッツの“スタミナ”“タイミング”などを作詞した人だと聞けば、なんとなく イメージが判ったような気になるのが不思議。まぁ、そんなのは こちらの勝手な思い込みでしかないのだけれど。 その 森浩美が書いた短編小説集です。 書店の店頭で平積みになっていて、結構売れているようです。 珍しく うちの奥さんが買ってきました。
ストレートで ベタな 人情物です。 ベタベタと言っても良いくらい ベタです。でも、お年寄りが温泉ホテルの人情芝居や水戸黄門が好きなように、年齢をとると、たまには このようにステレオタイプな人情ストーリーも悪くない、と思える時があります。 作品のレベルは 決して高くはないです。 どれもこれも どこかで読んだ事があるような、観た事があるような ストーリーばかり。意外な展開も無ければ ひねりも無い。でも、だからこそ 安心して読めるというところもあります。 若者が勉強の合い間に マンガを読んで気分転換するように、おじさん、おばさんは こうしたステレオタイプな人情物を読んで 気分転換するのです。何も考えずに 素直にストーリーを追って行けば ホロリとさせられ、ホッコリさせられ、気分がリセットできます。 本業が作詞家だけあって、言葉の使い方は上手いです。 テンポの良い文章、センスの良いセリフ、読みやすいです。 でも、人情物が読みたければ、もっと面白い作品は たくさんあります。 この作品集も 悪くはないけれど、二度は読み返さないな。