『イエスの遺伝子』  マイクル・コーディ

2008年11月16日

京極夏彦の単行本 『どすこい(仮)』 と 文庫本の 『どすこい。』 は同じ本なのだろうか? 『どすこい(安)』 という本もあるようなのだけど、なにが違うの? と思って検索してみたら、単行本が(仮)で、軽装版が(安)、文庫本が 。らしい。  まぁ どうでもいいや。

単行本と文庫本でタイトルが違う という本は少なからずあって ( このブログで最近紹介したものだけでも、佐々木譲著 『うたう警官』→『笑う警官』、夏見正隆著 『僕はイーグル』→『スクランブル』 などがある)、単にタイトルを変更するケースだけではなく、文庫化を機に 内容や文章にも手を入れてタイトルを変更するケースなど、様々だ。
より良いタイトルに変更されるなら まだ良いけれど、間違って同じ本を買ってしまう可能性があるから、気をつけないといけない。そもそも 年齢のせいか 最近は同じタイトルでも 同じ本を二度三度と買ってくることがあるのだから、本当に困ったものだ。



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マイクル・コーディ著 『イエスの遺伝子』 は、同じタイトルで 一度文庫化されたが、後に 『メサイア・コード』 とタイトルが変更されて 再発売されている。明らかに 『ダ・ヴィンチ・コード』 の影響で、二匹目のどじょうを狙ったものだろうけど、これは行き過ぎだよね。


この本は 古本屋に安く山積みされていて、普通はこの手の本は買わないのだけれど、「ディズニーで映画化決定!」 と書かれた帯に惹かれて買ってしまった。
(物語) 天才的遺伝子学者トム・カーターは、人間の遺伝子をすべて解読する装置を開発し、ノーベル賞を受賞した。だが 祝賀晩餐会の直後、彼を狙う暗殺者が 妻の命を奪った。やがて 妻が脳腫瘍を患っていたことが判明、彼は自らの装置で八歳の愛娘を調べるが、脳腫瘍で一年以内に死ぬことを知る。彼は娘を救う方法を探るものの、有効なものはなかった。残された道は、奇跡の治癒をもたらす イエス・キリストの遺伝子の謎を解くことだった。

イエスのDNAを求めて世界各地を探し回るプロジェクトチーム、イエスの復活を待つ秘密結社、悪を粛清する謎の暗殺者、コンピュータのエキスパートなどが複雑に絡み合い、クライマックスに向かって ぐいぐいと疾走する。
良くも悪くもアメリカ的な小説で、ハリウッドの臭いがプンプン。でも、単純に面白いです。有り得ないストーリーなのは判りきった事なのだけど、あえて騙される楽しみですね。一気に読み終えました。
このラストは意見の分かれるところでしょう。この小説が映画化されなかったのは 当然だと思います。( これから 実現するのかもしれないけれど )

それにしても、この作品が日本で発表されたのは 1998年、アメリカでの発表は その1~2年前なのでしょうけど、この10年間のDNA研究・DNAビジネスの進展は 驚くものがありますね。この作品の中で出てくる最新の技術が 既に半ば常識となり、荒唐無稽なお話とは思えなくなっているのですから ビックリです。





post by aozora

19:37

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