2008年06月18日
大規模で 急激な 地殻変動により 2年以内に 日本が沈没してしまう そうなった時 自分は何をするだろう? 何が出来るだろう? 海外へ逃げて 助かる道を探すか それとも 日本と一緒に 海へ沈む道を選ぶか 全ての国民が 安全に逃げられるのなら 子供や老人 病人など 社会的弱者を 優先して 逃がすだろうけど 限られた国民しか 逃げられないのなら 日本人の将来を考え 体力や 適応力のある若者を中心に 技術者や職人 芸術家などを優先して 逃がす方が良いのではないか 異常気象に 食糧不足 世界中で民族紛争 国境紛争が絶えない中 流浪の民として 生き残ることは 果たして幸せなのだろうか この小説は もともと “帰るべき国土を失った民族は どうなるのか” という発想から 書き始められたという おそらく半数近く、死ぬことになりまっしゃろうな 生き残りの人たちも・・・・・辛いことになるでしょうな・・・・・ このまま・・・・・何の手も打たないほうが・・・・・ 世界中で 日本人を救え というキャンペーンが行われるが 大多数の人は 日本沈没という 一大スペクタクルの観客 = 傍観者 となり 中継される映像を観ながら 「私たちの国でなくて良かったね」 と喜ぶだけ 学者は 未曾有の大変動を リアルに観測できる 喜びに打ち震え 大国や周辺諸国の政府は 日本無き後の 勢力拡大を狙って 暗躍する 中国四川省で 日本の東北で 大きな地震が相次ぐ昨今 規模の大小はあっても 似たような事態が起きてはいないだろうか 自分は単なる傍観者となっていないだろうか この 『日本沈没』 は 架空の事態を想定した SF小説だが そこで展開される人間ドラマは 決して あり得ない他人事ではない この小説が 発表されたのは 1973年3月 その年の12月に 映画が 公開されている この速さからも 当時の 衝撃の大きさ 話題性の凄さ が 分かる この映画は 封切間もなくに観た記憶があるが 記憶に残っているのは 阿部玲子役のいしだあゆみが 大草原を走る貨物列車に乗って運ばれる ラストシーンだけ もう35年も前の事だけど 彼女の 虚ろな表情が 今も 強烈な印象で 残っている (草ナギ剛と 柴咲コウの リメイク版は観ていません)
筒井康隆の作品に 『日本以外全部沈没』 という短編がある 『日本沈没』 の パロディだ 地殻変動により 日本以外の陸地が全部水没してしまうという設定で 世界中の有名人が 生き残るために 日本めがけて押し寄せる というお話 ブラックユーモア満載の 短編なのだが 発表された当時の 時代背景が分からないと なかなか笑えない 角川文庫版では この短編の後に 登場人物の紹介 があるけど いちいち確認しながら 読んでもねぇ..... 発表されてすぐに こんなパロディ小説を発表する 筒井康隆も凄いが この短編を発表することを許可した 小松左京の 懐の深さはさすがだな