2008年02月20日
単行本が 刊行されたのが 1996年2月 ウィンドウズ95が発売されて 一気にパソコンが普及しだした頃だ 僕が初めてパソコン(富士通FM-V)を買ったのもこの頃で プリンターからラックまで揃えて 軽く30万円オーバーだった
この小説の中では マッキントッシュが 使われているのだけど モデムを使ったコンピューター通信が 最新技術のように描かれていて あの当時の事を思えば やむを得ないのだが 今となっては 古い技術のオンパレードなわけで これがもっと古く 例えば黒電話くらいまで遡ってしまうと レトロな雰囲気で それなりに楽しめるのだろうけど いかにも中途半端な古さなものだから 違和感アリアリ 主人公にしても アメリカの一流大学を 優秀な成績で卒業した秀才で 肉体の鍛錬にも余念が無く 冷酷なまでに合理的な “悪” という設定なら ゴロワーズは 似合わない ハードな文体を意識して書いているのだろうが カッコよく書こう というのが見えてしまい ダサい 比喩や 言葉の装飾も 垢抜けない ストーリーや仕掛けもありふれたもので ほぼ予想通りに進んだ 登場人物の描き方にも特に深みがあるわけではなく これでは とてもハードボイルドとは呼べないな 『マリアプロジェクト』 が そこそこ面白かったので それ以上に面白く 楡周平の代表作だ というこの本を読んだのだが これが最高なら 他はもう読まなくてもいいや という気分 『フェイク』 を一緒に買ってしまったのだが 読みたくなる時は来るかな?
Zaubrer
Re:『Cの福音』 楡 周平
2008-02-24 19:36
楡周平、その一緒に買われたという『フェイク』しか読んだことがありません。『フェイク』のみの感想としては、それなりに面白く読めましたが。典型的なコン・ゲームで、主人公含め男性キャラクターのどうしようもなさと女性キャラクターの強さが対照的でした。感想を読ませて頂いた限り、『Cの福音』とは趣向が違うようですね。 かといって、あまり強くおすすめするというわけでもなく。下手なねらいがない分、何となく面白味に欠けるような。
青空
Re:『Cの福音』 楡 周平
2008-02-28 00:07
>Zaubrer さん コメントありがとうございます 本当に高校2年生ですか? しっかりした評価 感想だなぁ 自分のエントリーが恥ずかしくなります 近々 『フェイク』 も読んでみます