2008年02月10日
料理屋「ふね屋」の娘おりんは 病気で生死の境をさまよっているうちに 三途の河原まで行ってしまい それから幽霊が見えるようになってしまう ふね屋に憑いている幽霊たちが 成仏できないでいるのは 何故? 幽霊が見える人と 見えない人がいるのは 何故? 幽霊が見える人も 見える幽霊と見えない幽霊がいるのは 何故? いろいろな謎を解く鍵は思わぬところに ...... この本は 江戸時代の料理屋を舞台に繰り広げられる 怪談 人情とファンタジーに彩られたミステリー というところか ひとつひとつのエピソードを見ていくと 怖くて重いお話しもあるのだが 妙に人間臭く魅力的な幽霊 = お化けさんとの触れあいは楽しそうだし 純粋で優しい少女の視点で書かれているからか 全体に柔らかく温かい 書名になっている 「あかんべえ」 お梅ちゃんの 「あかんべえ」 は 本当に切ない おりんの 「あっかんべえ、だ」 は 微笑ましい 30年前に起きた忌まわしい事件の謎と ふね屋をめぐる人間模様が複雑に絡み合うという なかなかおどろおどろしいテーマなのだが 宮部みゆきが描くと温かいお話しになる 登場人物の多くが いろいろな業や罪を抱えていても 根は善人として描かれているからかな? 宮部みゆきは 本当にお話しが上手い この本も 細かい事を言えば 気になるところが無いではないが 楽しさや哀しさを含めて この面白さは それを補って余りある 同じテーマで 桐野夏生が書いたら 興願寺の住職や おつたに焦点を当てて 人間の欲や醜さを描く作品になるのだろうか? 恩田陸なら 岩井志麻子なら と想像すると 面白いね
野風
Re:『あかんべえ』 宮部みゆき
2008-02-10 13:29
今は、ねじめ正一。今日明日ぐらでしょうか。 その後は角田光代か、宮部みゆき『鳩笛草』この作品には幽霊とか霊能力者は出てくるのかな? 恩田作品は未遭遇です『歩行祭』を来月ぐらいには読みたいですね。 青空さん、女性作品が多くないですか?女性作品は口当たりがいいと言うか読み易いかも?そおゆう私も今年初めて読んだのは『Love Songs』女性作家の短編集でした。