2008年02月04日
恩田陸の 「常野物語」 三部作を読みながら 他の恩田作品も何冊か読みました 「六番目の小夜子」 「不安な童話」 「ライオンハート」 「MAZE(めいず)」 「ドミノ」 「劫尽童女」 「夜のピクニック」
この中で良かったのは 「ライオンハート」 愛し合い 惹かれあう二人が 時を越え 国境を越えて 永い歴史の中で 何度も出会い 別れるというラブストーリー 作者自身が 「ジェニーの肖像」 へのオマージュだと書いている他 「しゃばけ」 シリーズの中にも 似たようなお話しがあるし こういうテーマ自体は 何度も繰り返し 使われているが この本は 全体に構成も設定もよく出来ており とても面白い 5枚の絵画の名を題名に冠した 5編の連作という形をとっているが それぞれの短編が SF的な設定 ミステリーの手法も絡めながら なかなか上手くまとめられている 一度読んでみて 決して損は無い本です 他に良かったのは 「夜のピクニック」 くらいかな 他の5冊は いまいちだな 「六番目の小夜子」 「不安な童話」 「MAZE(めいず)」は 前半は面白区ぐいぐい引き込まれるものの 途中から あれっ? と思うところが出てきたり ラストにいたっては ちょっと無理があるんじゃない? あれはどうなった? そりゃないだろう という作品も 初期の作品が多いから まだ習作レベルということかな 「ドミノ」 は スラップスティックコメディ マンガ的な エンターテイメントとして楽しむ分には OK たくさんの登場人物が出てくるが 個性的なキャラクターが多いので 混乱せずに楽しく読めます 「劫尽童女」 は せっかく面白い作品になりかけたのに アイデア倒れで 尻すぼみ 世界が拡がらないまま 終了 文庫の表紙を見て 以前から読みたいと思っていた作品だっただけに とても残念 「夜のピクニック」 は SFでもミステリーでもなく 青春小説 爽やかな読後感があります 素直に 楽しく 読めます 常野シリーズの新作が出るまでは 恩田作品は一休みと思っていたのだけど enu さんが 『Q&A』 を推しているので 今度読んでみます 他に お薦めの恩田作品は ありますか?