はじめての文学 ~ 山田詠美

2007年09月29日

はじめての文学シリーズ(文藝春秋社)も 全12巻中 11巻目 
今回は 山田詠美 です 

このシリーズは まだ あまり本を読んだ事のない 中高生に向けて 
作者自身が 自分の作品の中から選んで構成する というものです 


山田詠美というと 「ベッドタイムアイズ」 や 「指の戯れ」 「ひざまづいて足をお舐め」 いった
本当に初期の頃の作品しか読んでおらず 
恋愛やセックスを主題にした 官能的な作品が多い作家 というイメージしかありませんでした 

山田詠美に 中高生向けの作品 なんてあるのだろうか? 



でも そんな事ないんですね 
「僕は勉強ができない」 「放課後の音符」 「風葬の教室」 など 
近年は 少年少女の心の動きを描いた作品も 多いようです

この本の中にも セックスをテーマにした作品は収録されていますが 
離婚した母親と 母親の初恋の相手との 再会を見つめる少女の揺れる心 
人生を諦め 死を見つめる少年の虚ろな目に惹かれていく少女 など
決して軽くないテーマを 彼女なりの価値観 感覚で 巧く表現しています  
今回読んでみて ちょっと見直しました 



彼女に対して 黒人との恋愛やセックス といったイメージしか持っていない 
昨日までの僕のような 本好きな皆さん 
一度 最近の作品を 読んでみてください 

新しい 山田詠美 が現れます  




このシリーズは 白無地に 大きな円を一つ描いてある シンプルなデザインです 
作者によって その円の色が違うのですが 
山田詠美は 紫 でした 
カバーを外すと 紫一色の本体が あらわれます

僕は表紙を外して 裸で本を持ち歩くので
この紫には ちょっとびっくり、、、、 
構わずに 持ち歩きましたけど





話はちょっと違うのだけど 
川上弘美の「センセイの鞄」の中で 
「買った本の帯を取るよりも取らずに置いておきたい」 のが 「まっとう」
と 評価するような一文があったのだが  そうかなぁ、、、、 

僕は 「買ったらすぐに帯は捨ててしまう派」 で 
本を読むときは 「カバーも外して持ち歩く派」 です 
カバーが汚れるのを 気にしないで済むし
何より 軽くて煩わしくないのが良い


post by aozora

18:27

本の話 コメント(5)

この記事に対するコメント一覧

ブラコン2号

Re:はじめての文学 ~ 山田詠美

2007-09-29 19:37

またまた登場(笑) 帯は取って捨てたりしません。 帯もデザインの一部だったりするのもあるし 買ったまま保存が望ましい。 青空さん、邪道…(笑)。 カバーは、読むときは外して(読みづらいもん) 読み終わったら、またカバーをして本棚へ。

Zaubrer

Re:はじめての文学 ~ 山田詠美

2007-09-29 21:21

山田詠美、逆に初期の作品をことごとく読んでいないせいでセンスの良い恋愛小説を書くイメージを持っています。『風味絶佳』がお気に入り。映画は見ていませんが。 帯がどうこう以前に、本は借りることの方が多いのです・・・。 買うのは大抵文庫なので、帯を外してカバーをかけて。 とっておこうと思うのに必ずどこかに行ってしまうのですけれど、帯は。

A21

Re:はじめての文学 ~ 山田詠美

2007-09-29 23:25

私は初期の短編しか読んでいませので、山田作品からはあまり文学の匂いは感じられませんでした。新しい山田詠美も読んでみたいと思います。 映画『かもめ食堂』の原作者が群ようこだと、分かった時も以外でした、無印シリーズしか知りませんでしたから。 私の帯生存確率は50%。

青空

Re:はじめての文学 ~ 山田詠美

2007-09-30 08:48

>ブラコンさん  帯を付けたままにしておくと 帯の部分だけ色あせずに残るので 悲しくなります  カバーデザインをする人は 基本は帯無しで考えていると思うし、、、  >Zaubrer さん 山田詠美 ~ 今回見直しました 面白そうですよね 次は 『風味絶佳』 も読んでみます  >A21 さん  僕たちの世代は 初期の作品の印象が強すぎて 敬遠してしまった人が多いですよね  僕も群ようこは 『無印~』シリーズしか 読んでいないな  『かもめ食堂』 がそうだとは意外   映画は ブルマ部長も 児玉社長も 観にいってブログに書いていたくらい 結構話題になりましたけどね ところで 『吉原手引草』 は今ブラコンさんが読んでいます  もう少し貸して置いてください

番台番

Re:はじめての文学 ~ 山田詠美

2008-02-10 11:54

TBありがとうございました. 風味絶佳は若造より,ある程度「どうにもならんこと」を知った年齢の方が読んだ方が面白いと思います. 最近の「無銭優雅」はリズム感がよく下手を打てば陰鬱な空気になりそうな情景を心地よく読むことが出来ました.天才ですな.お薦めします.

コメントする