【映画】  ムーンライト 

2017年04月05日

昨日、仕事が終わった後で 家内と観て来ました。
ディノスシネマの2番スクリーン (108席) は 20人程の観客で、寂しいくらいでした。

今年度のアカデミー賞作品賞 受賞作です。
発表の時のドタバタで すっかり有名になりましたね。


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マイアミの貧困地区を舞台に、少年期、ティーンエイジャー期、成人期の3部構成で、自らのアイデンティティや セクシュアリティに悩みながら成長する主人公の姿を描いています。
それぞれに Little、Chiron、Black とタイトルが付いていますが、それは主人公の名前やあだ名で、それぞれの時代を象徴しています。
また、この作品のポスターの顔は3色に塗り分けられていますが、それぞれが 各時代の主人公を演じた3人の俳優の顔です。耳の形は違いますが、眼の印象が似ているので、こうして並べても あまり違和感は無いですね。

基本的なテーマは、“変わって行くものの中にあって、いつまでも変わらない気持ち” といったところでしょうか。
初めの方で 「自分の道は自分で決めろ、決して周りに決めさせるな」 というフアン (主人公を保護するドラッグの売人) のセリフがあるのですが、これも大切なテーマのひとつなのでしょう。

思い切って簡単に言ってしまえば 初心な青年の純愛ラブストーリーなのですが、そこに いじめや差別、偏見、貧困、暴力、ドラッグ、ネグレスト、LGBT など、現代社会が抱える様々な問題が詰め込まれており、ストーリーに幅と深みを与えています。

全編を通して 明と暗の対比があり、静かで詩的な印象が残ります。

エンタメ的な要素はありません。

ラスト近くの海辺の回想シーン、月の光の下で青く輝く肌は美しく、幻想的です。

麻薬中毒の母親を演じた ナオミ・ハリスが 凄かったです。

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ただ、どうにも理解し難い部分や共感できない部分、回収されない伏線も多くあり、映画を観た直後は 消化不良のモヤモヤ感が身体中に満ちていました。
こうして思い出しながら、あれこれ考えながら文章を書いていて、初めて気付いたことも多々あります。
いろいろな意味で 難しい映画でした。 



post by aozora

22:22

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