2017年01月15日
先日発表された2016年のキネマ旬報ベストテンで 第1位に選出されました。 のん(能年玲奈)が主人公の声を演ずる アニメ作品という事で、以前から 観ようかどうしようか迷っているうちに公開から2か月が過ぎ、上映館が減り、上映回数も減っていたので なかなか観られずにいたのですが、キネ旬1位の影響なのか 上映回数が増えたので、昨日、仕事の後で観て来ました。 サッポロファクトリーのユナイテッドシネマ札幌、8番スクリーンは最前列まで埋まり、満席でした。
日常生活の中に当たり前のように悲劇が訪れる戦時下という特殊状況下でも、食べたり 笑ったり 愛したりという人々の生活がある。そうした世界の片隅で生きる人々の営みを 淡々と描いているのですが、現実に即したリアルなストーリーと 夢のようなマンガチックなエピソードを織り交ぜながら、短いカットを繋げて テンポよく進む脚本と演出が とても良いです。 素朴ながらも実景に忠実な画、ゴッホの作品のような画、イメージが膨らむ抽象的な画、線画など、多様な作画を織り交ぜて駆使した表現方法も素晴らしい。CGアニメーションにはない温かみがあり、目を覆いたくなるような残酷さ、悲しみを ほんの少しやわらげてくれます。 天然系キャラの主人公の声を演ずる のんは 本当に適役、監督が「ほかには考えられない」と言ったのが頷けます。それに ふんわりと優しいコトリンゴの歌が重なって、絶妙な世界を作り上げていました。 大泣きするような作品ではないけれど、柔らかく心が締め付けられ、じんわりと沁みてくる作品でした。 第二次世界大戦当時の暮らしを描いたアニメという事で 「火垂るの墓」 と比べる人は多いでしょうけれど、どちらも素晴らしく、優劣をつけられるようなものではありません。 この作品も 「火垂るの墓」 同様に、末永く残っていく作品だと思います。 アニメですが、映画館の大きなスクリーンでご覧になる事をお勧めします。
ひぐまさん
Re:【映画】 この世界の片隅に
2017-01-15 19:43
ヨコハマ映画祭でも文句なしの第一位でした。 昨年は「君の名は。」が大ブームになっており、そりゃウケるのはわかるんだけど、あんな作りはどうなんだろうと、もやもやしながら年の瀬を迎える段階になって、この「シン・ゴジラ」を上回る圧倒的な破壊力のすごい映画が出てきました。 ひぐまさんはもう6回見ましたwww。先月はユースで呉に行きましたので、当然のように呉の映画館でも見ました(本当)。平日でしたがかなりの大入りでした。 見れば見るほど映画に詰め込まれた情報量の豊かさに圧倒されます。22世紀の日本に伝えたい1本が出てきましたね。
青空
Re:【映画】 この世界の片隅に
2017-01-15 21:57
>ひぐまさん おひさしぶりです。今年もよろしくお願いします。 「この世界の片隅に」、いや本当に良い映画でした。 空襲や原子爆弾はもちろん、空襲警報発令、解除の時間などは事実に即しているのでしょうし、砲弾の破片が降り注ぐシーンなども リアリティがありました。 そんなストーリーを夢と現実を行き来するような演出で優しく包み、誰もが観られる、見応えのある映画に仕上げていますね。 「君の名は。」や「シン・ゴジラ」などとは比べものにならない傑作だと思います。もう一度観たいです。