2017年01月10日
公開から既に1ヶ月経っている為に、スクリーンは小さくなり、上映回数も少なくなっています。 その為、札幌シネマフロンティアで予約しようと思ったら 良い席が残っておらず、サッポロファクトリーのユナイテッドシネマ札幌で観て来ました。 現在も人気はあるようで、10番スクリーンは 9割近く埋まっており、ほぼ満席でした。
原作は 出光興産の創業者、出光佐三をモデルにした、実話を基にした作品で、2013年の本屋大賞を受賞したベストセラーです。 上下2巻の大作を 2時間20分にまとめている為、映画では大きく構成を変え、多くのエピソードを省略しています。登場するエピソードも 簡潔化されている為に 判り辛くなっています。近藤正臣演ずる大恩人、木田章太郎(日田重太郎)のことなどは 観客に どれほど伝わったでしょう? その為か 評価は分かれているようで、僕も観るのを躊躇っていたうちに 今日になってしまいました。 結果、観て良かったです。 原作を読んだ時の感動を、映画でも同じように感じました。 確かに 原作に比べると薄くなっている部分はありますが、やはりVFX技術が多用された映像の力は大きいですし、ポイントポイントで歌われる国岡商店の社歌も効果的です。岡田准一をはじめ俳優陣の演技も良かったし、メイクの技術も素晴らしかったです。 特に 脇役陣は 原作よりもキャラクターが立っており、生き生きと描かれていたように思います。 国岡商店はブラック企業です。タンクの底に残った油を浚う仕事や、イランへタンカーを向かわせるシーンなどは、社員の生命を軽視しているといっても過言ではありません。 しかし、戦前戦後のあの厳しい時代、誰もが生きる為にギリギリの所で戦っていました。まして、日本人の矜持を貫こうとする国岡鐵蔵の場合、狂気とも思える賭けに勝たないと 米英の石油メジャーの圧力に潰され、生き残れなかったという事も また 事実だったと思います。 国岡鐵蔵は 日本人としての誇りを守るために率先して戦います。無謀なチャレンジだと思えても、自らアイデアを出し、率先して行動します。その心意気に突き動かされた 熱い仲間たちが一丸となって無我夢中で働いて 道を切り拓いて行きます。 国岡鐵蔵と、彼を慕う仲間たちの熱い気持ちと団結力、その姿に心を打たれる映画でした。