『下町ロケット2 ガウディ計画』 池井戸 潤

2015年11月26日

下町ロケットに続く第2弾、
今回は 医療用の人工心臓、人工弁の開発がテーマです。
佃製作所の面々はもちろん、引き続き 帝国重工の財前部長や 陰険な富山主任も登場します。

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以下、多少のネタバレがあります。



前作同様、善悪がはっきりとした 勧善懲悪の 判りやすいストーリー展開で、疲れずに すんなり読めます。
佃製作所に勝つために データの偽装をするライバル会社、ドロドロとした医学界と厚生労働省の繋がりなど、旧くて新しいテーマも加えられ、面白かったですよ。
ただ、判りやすくするために 構造をシンプルにしているだけに 物足りなさがあるのも前作同様で、特に NASA品質を売り物にしているライバルのサヤマ製作所の中身が薄っぺらで 弱すぎます。

結末は予想通りで 特別な展開はないのですが、仕事をする理由は お金だけではないという事に気付き、自らのプライドを胸に、夢に向かって誠実に頑張るエンジニアたちを ついつい応援したくなります。ソニーも ホンダも トヨタも パナソニックも、最初は そんな中小企業だったはず。

コンサドーレの選手たちが頑張ってもなかなか勝てないように、何事にも相手がありますから、現実世界では 努力しても報われない事も多い訳ですが、それだけに この小説のような 「信じて頑張り続ければ 夢は叶う」 というシンプルな夢物語も たまにはいいものです。



post by aozora

20:57

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