2015年11月08日
昭和30年代後半の国境の町、根室を舞台に、地元の有力水産会社の家に生まれた三姉妹の、愛憎渦巻く三者三様の生き方を描いています。 主人公は母親に反発して花街に飛び込み、芸者からヤクザの妻となった次女なのだけれど、お家の事情もあって政治的野心を持った運送会社の長男に嫁いだ長女のキャラクター、変貌ぶりが際立っていて、作品の良いアクセントとなっています。 利権と野心、陰謀が渦巻く中で、三姉妹それぞれが自らの運命を受け止める潔さを持っており、ドロドロしていながら ベタベタしていないのが 作者らしくないと言えばそうなのですが、良いですね。 最後は腹を括った次女が組の二代目、極道の妻となる事を選んだシーンで終わりますが、この後はどうなって行くのか。たぶん続編は出ないでしょうけれど、展開が気になります。