2015年10月29日
『ロスジェネの逆襲』 ご存知半沢直樹シリーズの第三弾、野風さんからお借りして読みました。 面白いです。 冒頭から勢いがあり、すぐに半沢直樹の痛快活劇の世界に取り込まれ、1日ほどで読み終えました。 ただ、相変わらず 対立軸を単純化した構図で判りやすく、スラスラ読めるのですが、それだけに現実感に乏しく、深みに欠ける印象です。 まぁ、水戸黄門と同じで、リアリティが無いからこそ、余計な事を気にせずにシンプルに楽しめるのでしょうけれど。 『銀翼のイカロス』 半沢直樹シリーズの第四弾、ロスジェネを読んだ後で古本屋に行ったら安く出ていたので思わず買ってしまったのですが、読み始めてすぐに後悔。1年前に読んで、あまり面白くなかった事を思い出しました。 一応最後まで読みましたが、感想は変わらず。安かったとは言え、お金と時間を無駄にしてしまいました。 『下町ロケット』 平成23年上半期の直木賞受賞作で、TVドラマ化されて現在進行形ですが、テレビは観ていません。 この作品は面白かったです。 前半はライバル会社からの理不尽な特許権侵害訴訟、後半はロケットエンジンの部品納入を巡る中小企業のプライドを中心に展開されます。それにメインバンクとの関係、降ってわいたような多額の補償金に振り回される従業員間の対立、社内の出世争い、別れた妻や手元に残された娘との関係、などのエピソードが絡められ、忘れかけていた研究者としての夢を追うストーリーに リアリティと面白さを加えています。 ただ、登場人物はステレオタイプなキャラクターが多く、善人と悪人の設定が判りやすい半面、深みには欠けます。ストーリーにももう一ひねりあっても良いのではないかと思いました。 それでも、文章はシンプルで、読みやすく、スピード感を持って読み進められます。ハッピーエンドという事もあって、実生活ではなかなか味わえない爽快な読後感があり、あまり細かい部分を気にせず読めば、ストレス解消にはもってこいかもしれません。