『在日』  姜尚中 

2014年08月03日

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著者である 姜尚中(カン サンジュン)は 在日韓国人二世で、現在は東京大学名誉教授で 聖学院大学学長、テレビ番組などでもよく見かける論客です。
“在日”というタイトルですが、この本は基本的に彼の自伝であり、決して一般論ではなく、多くの“在日”に共通のものではないと思います。
それでも、彼のアイデンティティに関する苦悩や葛藤が率直に語られ、面白いという表現は適切ではないのでしょうけれど、興味深く 面白かったです。


“在日”に関しては 根深い思いや 見方があるだけに、こうした語り口には いろいろな意見や批判が出て来るのだろうな と思いながら読んでいました。
実際、読み終えた後で ネットでカスタマーレビューを見ると、見事なまでに 星5つから 星1つまで ばらけていました。
本当に難しい問題です。

それでも、
植民地支配という心身に及ぶ深い「精神的外傷」をこうむった民族が、そのトラウマを必死になって除去しようと格闘しているにもかかわらず、その苦渋に満ちた葛藤のドラマに、いささかの痛みも共感も抱くことのない「加害者」がいるとすれば、その「加害者」に向けて、新たにナショナリズムの神話を捏造して自分たちを主張したいという誘惑に駆られることは決して理解できないわけではない。
読み進める中で、この文章には すんなりと共感できましたし、なるほどな と納得できました。



この作品が最初に出版されたのは 2004年、それから10年たちましたが、姜氏が夢に見る 南北朝鮮の統一は全く進んでいません。
それどころか、ますます問題は混迷してきている状況であり・・・・

第二次大戦後に分断された 東西ドイツ、南北ベトナムは既に統一されましたが、朝鮮半島の統一は何時になるのでしょう。

世界では 民族や宗教の対立による紛争が一向に無くならず、一方で 一向に格差の縮まらない南北問題や エボラ出血熱に象徴されるような医療問題、世界的な温暖化や 異常気象など、多くの問題を抱えています。
マレーシア航空機撃墜事件で ロシアを非難するアメリカは、パレスチナ問題では イスラエルを支持して非難を浴びているし、国際問題は 本当に根深く 難しいです。

応援するサッカーチームの成績に 一喜一憂出来る幸せを噛みしめながら、今日も コンサドーレ札幌を応援します。


post by aozora

08:33

本の話 コメント(1)

この記事に対するコメント一覧

歴史を直視しよう

Re:『在日』  姜尚中 

2014-08-03 17:16

日朝併合だけを見ても、日本人は朝鮮人に対してこれだけの罪を犯してしまいました。 どんなに謝罪してもしきれません。 1.朝鮮国民を飢餓から救った罪 2.朝鮮国民を内乱から救った罪 3.朝鮮国民に教育を実施し、就学率を61%まで高めた罪 4.耕地面積を246万町から449万町まで拡大した罪 5.鉄道を3827km引いた罪 6.禿山に5億9千万本の植林を行った罪 7.反あたりの収穫量を、0.49石から1.49石まで増加させた罪 8.平均寿命を24歳から56歳にひきあげた罪 9.独立国家にするために支援した罪 10.ハングルを広めた罪 11.人口を1313万人から2553万人に増加させた罪 12.大規模インフラ整備を行った罪 13.日本国として対等に接した罪 14.朝鮮人に希望を持たせた罪 15.2000年以上に渡って続いていた中国の従属国から独立させた罪 これら日本人が行った朝鮮人への罪のお陰で、 日本は未来永劫謝罪し続けなければ なりません。 http://sora1975.blog88.fc2.com/blog-entry-48.html

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