『とんび』 重松清 

2013年07月08日

書名は “とんびが鷹を生んだ” の “とんび”です。
不器用で真っ直ぐな男が、最愛の妻を早くに亡くし、暖かい仲間たちの協力を得ながら 一人息子を育てていくストーリー。
昨年1月には NHK(堤真一×池松壮亮)で、今年は TBSの日曜劇場(内野聖陽×佐藤健)でドラマ化されていますから、テレビでご存知の方も多いでしょう。
テレビの方は いくつかのエピソードを加えて(特に後半) 話を膨らませていますが、基本的なストーリーは 同じです。
テレビを先に観ていたので、どうしてもそのイメージが被ってくるのですが、ドラマのキャスティングは原作の雰囲気に良く合っていて、違和感無く受け入れられました。


ストーリーは判っているのに、通勤途中にバスや地下鉄の中で読んでいて 思わず泣きそうになってしまう事が1度や2度ではありませんでした。
ヤスの愛情はひたすら真っ直ぐで深く、それを海雲和尚や照雲、たえ子姉さんたちが暖かく見守る姿は素敵です。
どこにでもあるような話ですが、だからこそ身近に感じて、身につまされて、暖かい人情が身に染みるのでしょう。

自分にも息子が一人いるので、どうしても重ねてしまう部分があるのですが、振り返ると僕にもそうした仲間や友人がいて、何度も助けて貰ったのだ と思い至ります。
改めて 彼らに感謝しないといけないですね。



先日の「空飛ぶ広報室」のコメントで ドラマは殆ど観ないと書きましたが、嘘でした。
このドラマも結構楽しみに観ていました。
1年前にNHKでドラマ化されたのを観ていたので 初めはパスしていたのですが、家内に付き合って観ているうちに はまってしまったのでした。

主題歌は福山雅治の 『誕生日には真白な百合を』。
♪ あなたがくれたこの名前は いくつ願い込められているの ♪
僕は息子の名前に “心身ともに康で 人間らしい間になって欲しい” という願いを込めました。
親として いろいろな想いや期待はありますが、健康で幸せに暮らして欲しい という事が何より一番です。


post by aozora

23:55

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