2013年02月27日
僕が本好きという事もあるけれど、この作品も 本で読んだ方がしっくり来ました。 本なら 時間(ページ)の制約が無いし、判らない事があると ちょっと読むのを休んで考えたり、前に戻って確認したり、自分のペースで読み進められるけれど、映画だとそうは行かないですからね。(ビデオなら出来るけれど・・・) 本を読みながら “あぁなるほど、映画のあの映像はこういう事だったのか” と納得する場面も多々あって、改めて 微妙な心の揺れなど、細かいニュアンスを映像で伝えるのは難しいと感じました。 それでも 映画を観て狂気と感じた部分、やはり 映画の方は説明不足だと思います。 更に、木のトンネルのシーンを削ったのはどのような理由だったのでしょう? あそこは ラストに向かって とても大切なシーンだと思うのですが・・・・・ あのシーンが無いから 映画の方は 薄っぺらで中途半端な印象になってしまったのではないのかな。 田舎暮らしの夫婦の物語で、絵本と絡めてストーリーが進む映画というと 「しあわせのパン」がそうでした。 「しあわせのパン」は その辺が上手く行っていましたが、「きいろいゾウ」は そこが活かされていなかったのではないかな。 ちょっと判りにくかったです。 “周囲の生き物の声が聞こえてしまうツマ” という作品紹介のコピーも良くないと思います。 いつでも 全てが聞こえる訳ではないのに、それを前提に映画を観てしまいますもん。 映画の キャスティングは 良かったです。 ツマ役の宮崎あおいは、この小説が大好きだというだけあって 本当にハマリ役だと思います。 ムコ役の向井理は、小説の中のムコさんとはかなりイメージが違いますが、向井理も良かった。 アレチさん役の柄本明、大地くん役の濱田龍臣もとても良かったな。 全体像が把握できたので、ビデオが出たら もう一度観てみようと思います。 多分、今回とは 違う感想になりそうな気がします。