『まほろ駅前多田便利軒』  三浦しをん

2013年02月03日

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第135回(平成18年度上半期)の直木賞受賞作なのですが、ずいぶんと軽い作品で、これが直木賞? というのが素直な感想でした。

東京都南西部にあるという まほろ市は、町田市辺りの設定なのでしょうか。
バツイチの便利屋が、高校時代の同級生と再会し、いろいろな事件に巻き込まれる話です。

便利屋の多田と 居候の行天は 絶妙なコンビです。
飄々とした行天のおかげで いろんな厄介ごとに巻き込まれる多田だけど、それが悪くない結果を生んでるから不思議です。

リアリティがあるような無いような、マンガのように個性の強いキャラクター設定と ゆる~い感じのストーリー展開が なかなか楽しいです。

夫婦関係、親子関係、友人との関係、いろいろな職業の人との関係など、仕事中心のサラリーマンが日常見落としがちな点を物語の端々にちりばめられています。



読みやすく、面白い一冊です。
既に映画化されていて、今は深夜帯でTVドラマ化もされています。
映画も TVも 瑛太くんと松田龍平のコンビですが、原作の雰囲気を壊さずに上手く演じており、なかなか良く出来ていると思います。



ところで、行天役の松田龍平は、「探偵はバーにいる」にも出演しています。
「まほろ駅前多田便利軒」は 2011年4月23日公開で、「探偵はバーにいる」は 2011年9月11日公開。
大泉の方は探偵を謳っているけれど、作中ではススキノの便利屋を自称。
瑛太くんの方は便利屋を謳っているけれど、探偵的な事もやっていて、双方は似通っている部分が多いです。
その中にあって 相棒役はいずれも松田龍平なのだけれど、キャラクター設定は かなり違っています。
どっちが良いかは 好みもあるでしょうけれど、僕は まほろ駅前の行天に軍配。

それでも、「探偵はバーにいる」も 続編が公開されるようで、それはそれで楽しみですね。


post by aozora

23:00

本の話 コメント(3)

この記事に対するコメント一覧

ブラコン2号

Re:『まほろ駅前多田便利軒』  三浦しをん

2013-02-05 23:15

今、発売中の「ダヴィンチ」は三浦しをん特集ですよ~。 (今日、某図書館で読んできたばかり) と言っても、明日には最新号が出ちゃうかな? 北海道だから、明日発売の雑誌は数日遅れかな? 三浦しをんは「神去なあなあ日常」が面白かったです。 ついこの間、続編(スピンオフ?)が出たので、読みたいけど、古本屋で購入か図書館待ちのつもりでおります。

野 風

Re:『まほろ駅前多田便利軒』  三浦しをん

2013-02-06 20:09

『まほろ駅前多田便利軒』受賞後すぐ読みました、あれから七年ですかストリートはあまり覚えていません。男二人、軽トラック、塾へ通う、箱根ぐらい。この時に同時受賞した『風に舞い上がるビニルシート』に鮮烈な印象を受けストリーをおぼえています 僕が読んだ『探偵はバーにいる』シリーズには相棒はいなく。主人公はデブで大泉洋さんとは似てもにつかない。この物語では昔の恋人のすすきのの高級コールガールのために頑張る話。札幌で高級コールガールといえば、青空さんなら村上春樹のあの作品を思い出すでしょう。『探偵はバーにいる』シリーズの作者東直己さんも村上春樹のファンだと決めつけるのは早計でしょか?

青空

Re:『まほろ駅前多田便利軒』  三浦しをん

2013-02-07 00:28

>ブラコンさん  三浦しをん、まだ2~3冊しか読んでいないけれど。結構 面白いですね。 ダヴィンチはともかく、「神去なあなあ日常」は評判も良いようだし、早めに読んでみたいと思います。 面白そうな本が多すぎて、困ってしまいますね。    >野風さん  村上春樹、札幌、といえば ドルフィンホテル(いるかホテル)。20年ほど前の羊年の我が家の年賀状は ドルフィンホテルの前に立つ 親子3頭の羊男(と羊女と仔羊)でした。 「探偵はバーにいる」の主人公は 作者の東直己自身がモデルで、イメージそのままですよね。大泉が主演と聞いた時は イメージが違いすぎると思ったものです。相棒に関しては、小説の中では 腐れ縁の友人という感じでしたかね。 「まほろ駅前」は 小説に近い形で映画化されていますが、「探偵バー」は かなりアレンジされていて、主人公だけでなく、行きつけのバーのイメージも 違いすぎるように感じました。    森絵都の「風に舞いあがるビニールシート」は 野風さんに借りて、3~4年前に読みました。僕もこちらの方が面白かったと思います。 が、読後感をブログに書きかけていたのですが、途中で行き詰まり、下書き状態で非公開となっていました。 小学校の宿題ではないけれど、本の感想(読書感想文)を書くのは結構難しくて、書きかけのまま非公開となっているものも多く、その多さに改めて驚きました。   

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