2012年10月11日
今年のノーベル文学賞は 中国人作家の莫言が受賞し、村上春樹は またも残念。 まぁ、仕方ないですね。 莫言という作家は知りませんでした。 映画「紅いコーリャン」の原作者なのだそうですが、この映画も観たことありません。 代表作くらいは読んでみたい気がしますが、2~3日もすると 莫言という名前さえ 忘れている可能性が大。 本屋さんにコーナーが出来ていたら、ちょっと手にとって考えてみます。
中国系作家としては 2000年に受賞した高行健(ガオシンジェン)に次いで2人目の受賞ですが、同氏は 1987年に出国、1989年に政治亡命、1997年にフランス国籍を取得しているので、中国人としての受賞には数えられないようです。 この2人は いずれも中国国内で一時発禁処分を受けています。 (莫言は過激な性描写により。高行健は西欧の手法を大胆に取り入れた事で批判を招き、結果として亡命したため。) それくらいの反骨精神が無いと、あの国では 世界に認められる良い作品は書けない という事なのでしょうか。 こうした発禁処分を 言論の弾圧 と批判する事は簡単ですが、日本国内でも 少なからず似たような事がある訳で、いろいろな意味で気を付けないといけない。 過激な性描写のマンガや写真集が事実上の発禁というのはイメージしやすいですし、「ちびくろサンボ」が 人種差別を理由に一斉に自主的絶版(発禁ではない)となった件は ある年代以上の人の多くが記憶していると思いますが、あの「ブラック・ジャック」(手塚治虫)の中にもあるというのは 驚き。 差別につながる言葉や表現は要注意という事は理解できますが、時々行き過ぎではないかと思う事もあります。(この辺は 先日のエントリーの追記の追記で少し触れた放送禁止歌にも通じる部分です。) 話が逸れてしまいましたが、ノーベル文学賞。 来年こそは 村上春樹の受賞を期待したいですが、独特の世界感なので、正直 来年も難しいような気がしています。 しかし、受賞なんてしなくても 一番好きな作家である事は 変わらないわけで、それよりも 早く新作が出ないかな と、そちらの方を期待してしまいます。