2010年12月15日
昨日の夜に 札幌駅のシネコンで観てきました。
当たり前ですが トラン監督の解釈による 「ノルウェイの森」です。
村上春樹のOKが出るまで 何度も書き直したという脚本、菊地凛子や松山ケンイチの好演、美しい映像の持つ力もあって、原作よりも判りやすく仕上がっていると思いますが、それでも重く苦しく難しい作品です。
評価に迷います。
注意! 以下、ネタバレあります。
ナメクジを飲む 永沢、ラジオ体操をする 突撃隊、緑の家の物干し台からの火事見物、緑の父親の病室での介護、13歳の女の子に翻弄される レイコ、レイコとワタナベによる 50曲のお葬式、などなど。 原作にある印象的なエピソードやシーンが削られていて、2人以外の登場人物の描き方が浅くなったり、ストーリー的にも不満や物足りなさを感じる部分は少なからずあります。 ただ、2時間強という制約の中では やむを得ないのでしょうか。全体としては なかなか上手くまとめていると思います。 細かい事を書き出すと キリが無いので、ちょっとだけ。 菊地凛子、演技はとても良かったけど、如何せん今回の役は 20歳前後。 瑞々しい水原希子と並べられると ちょっと厳しい。 いろいろ言われているようですが、水原希子はとても良いです。 ワタナベが寮を出て借りた部屋。あの部屋では直子は癒せないと思う。 ラスト近くで レイコがワタナベに抱かれるシーン。 あそこでブラスリップを着けたまま というのはあり得ない。 ラストのワタナベが緑に電話を掛けるシーン。 電話を掛ける場所を原作と変更した意図がわからない。 あのシーンが象徴していたものが失われてしまうように思います。 予告編では 「この曲を聴くと深い森の中で迷っているような気分になるの」という台詞があるけれど、本編の中にありました? 僕が気付かなかっただけ?