【映画】  SPACE BATTLESHIP YAMATO

2010年12月09日

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昭和49年にTV放映された「宇宙戦艦ヤマト」の第一作は 「アルプスの少女ハイジ」の裏番組だった為に 視聴率が伸びず、人気が出たのは再放送と劇場映画からでしたが、当時高校生だった僕の周囲では 「科学忍者隊ガッチャマン」と並んで 当初から大人気でした。
年齢的なものもあるのでしょうが、その後のヤマトシリーズには魅力を感じず、劇場版は殆ど観ていません。


それから30年以上を経て、今回の SPACE BATTLESHIP ヤマト です。

家内は 特に観たくないというので、昨日のメンズディ、仕事帰りに札駅で 一人で観てきました。


注意! 以下、かなりネタバレがあります



1.様々な設定やストーリーが変えられているのは仕方ないと割り切る事にして、全体を通して原作に対するリスペクトが感じられ、思ったよりも悪くない出来に仕上っている。
2.音楽は宮川泰作曲のテーマが程よいアレンジで使用され、名場面、名台詞も原作に近い形で登場。
3.CGに関しても、ヤマトが地上から発進するシーンは圧巻。ただ、良かったけれど、CGではあのシーンがこの映画のクライマックスかな。
4.配役も意外と良かった。キムタクと古代は髪型が同じだし、黒木メイサのストレートな黒髪も良かった。古代と島の年齢が倍ほどになったのはご愛嬌。佐渡酒造+森雪=高島礼子か。
5.ヤマト側が原作のデザインを比較的忠実に再現している割に、ガミラス軍は現代風のデザインだったが、違和感無く納まっていた。


気に入らない点。
1.艦隊を守る楯になるために死に行くゆきかぜ艦長古代守の表情が軽すぎ。ヤマト艦内も出発早々から酒を飲んだり、雰囲気が軽い。
2.古代進が仲間を見殺しにして悩む森雪にキスをして押し倒してしまうのはやりすぎ。仮に相思相愛だったとしても、あの場面であの行為は許されない。
3.人間模様でいろいろなエピソードが出てくるが、説明不足で唐突な印象は否めない。原作を知らないと理解できないシーンが多々登場。
4.イスカンダル星到達までに戦闘シーンが少なく、割とあっさり着いてしまう。その割に到着後の地底での戦闘シーンが長い。
5.ガミラスやイスカンダルが思念の集合体とされた点。思念ならば存在できる環境は問わないだろうから、ガミラスが地球を放射能汚染させるために攻撃する意味が無くなる。
6.ガミラス星の地底でワラワラと沸いてくるロボット?スターウォーズのクローンとそっくりだ。
7.アナライザーにあんなトナンスフォームは似合わない。尚、アナライザーは昭和49年、SWのR2-D2は昭和52年だから、アナライザーの方が先。これはSWの方が真似たのかも。
8.戦闘や危機を目の前にして逡巡やお別れシーンが長い。そんな事していたら、ヤマトが、地球が、やられてしまう。
9.最後に古代がヤマトと共にガミラスのミサイルに突撃するが、古代の死によって沖田艦長の死が霞んでしまった。


なんだか、マイナス点の方が多くなってしまったけれど、これは原作への愛情ゆえで、原作を知らずに観ても(むしろ知らない方が)結構楽しめる出来になっていると思います。もっとこうして欲しかったという希望はたくさんありますが、限られた予算の中では頑張ったのではないでしょうか。
DVDを待つのも良いですが、ヤマト発進のシーンは大きなスクリーンで観て欲しいですね。


post by aozora

20:29

映画 コメント(4)

この記事に対するコメント一覧

クラシック

Re:【映画】  SPACE BATTLESHIP YAMATO

2010-12-09 22:42

私も見ました。 そして思ったことは・・・ 「SPACE BATTLESHIP YAMATO」であって「宇宙戦艦ヤマト」ではないということ。それが全てだと感じました。 脚本のひどさが映画のひどさにつながったと私は思います。

青空

Re:【映画】  SPACE BATTLESHIP YAMATO

2010-12-10 20:25

>クラシックさん  仰るとおり 脚本の拙さが目立つ作品でした。 実写化までに長い年月を要した割に 練り方が足りなかったように思います。 2時間半に納めるためには もっと思い切ったストーリー変更が必要で、我々世代には思い入れのあるセリフやシーンもカットして良かった。中途半端に残したために 中途半端な仕上がりになったように思います。 それでも 僕としては アリだと思います。 第2弾は要りませんが。

親ばか

Re:【映画】  SPACE BATTLESHIP YAMATO

2010-12-16 08:43

 私もこのヤマトはアリだと思いました。  スタッフや俳優の方々のヤマト愛を感じました。 「ヤマトはさらばまで」という人たちにとっては、エンディングが「ヤマトより愛をこめて」だったら泣けてたと思います。  あと、製作期間と予算が少ないのは日本映画なので仕方ないですね。 <好印象部分>  カプセルに波動エンジンの設計図があるのになぜコスモクリーナーDの設計図が入っていなかったという問題点をクリア。  最初は???だったキャスティングも今回の映画にはマッチ。  オリジナル声優の起用や懐かしい台詞、手中エーションのオンパレードで昔のファンには嬉しい。  沖田艦、ゆきかぜ、ブラックタイガーのデザインアレンジは良かったと思います。  マイクやレバーなど、ださいデザインが良。  やっぱり第三艦橋は落ちた。 <気に入らない点>についての試験 1. もっとも。堤さんとキムタクは兄弟に見えない。2. その前に雪が昔古代にあこがれていたこと。その前の命がけの救出、雪は最初から「きらい、きらい」は「好きのうち」だったと思います。  でもワープ前であれは確かに違和感がありました。 3.原作がある映画のサガではないでしょうか。 4.確かにあっという間に着いてしまいましたね。 5.あのクリスタルのような状態には放射能があると助かるのでしょうかね。。 6.あまり気にしませんでした。 7.出ない予定だったので、私は嬉しかったです。コスモゼロで雪を助けるシーンのマニュピュレーターはアナライザーだったというのが泣かせる。 8. デスラーとしてはもう、波動砲をふさがれたヤマトは相手にしてなかったと思います。 9.最後の古代のシーンを際だたせるため、あえて沖田のシーンの演出は抑えていたのだと思います。 <残念な部分追加>  コスモゼロのデザインがまるでXウィング。  ヘルメットが小さすぎ、顔はCG合成かと思いました。  真田さんが「こういうこともあろうかと、爆薬を用意してきた」という台詞がほしかった。  ガミラス戦闘機がインディペンデンスデイ。  CG化されたヤマト自体の戦闘シーンの見せ方は、復活編の方が迫力がありました。CGだけでんなく模型のヤマト使ってくれた方が、リアリティがあったと思います。(今回のヤマトはかっこいいですけどいかにもCG)ただ、予算と時間が無いですね。  スターシャが雪に憑依?するシーンでジャンパーだけ脱げるのは不自然。アニメであれば裸にしたでしょう。でもそうすると斉藤も裸に・・・・見たくない。  いろいろ書きましたがコレもヤマト愛です。  良いところも残念なところば書けばきりがありませんね。  わりと長い映画でしたがあっという間に見終わってしまいました。第2作目は無いでしょう。それならば別のSF作品を作って欲しいです。

青空

Re:【映画】  SPACE BATTLESHIP YAMATO

2010-12-16 21:40

>親ばかさん  コメント、ありがとうございます。 確かにアニメであれば 森雪は裸にされたでしょうね。(笑) 波動砲の発射レバーや照準器、ブラックタイガーのコクピット等は 本当にアナログな感じで、思わず笑いそうになるくらい 良かったです。 仰るとおり、良いところも 残念なところも挙げればキリが無いわけで、皆さんと またヤマトの話が出来る、それだけでも観てよかったと思いました。

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