第15節・札幌3-0岐阜

2009年05月17日

 先手先手で押し切る、今のところ札幌が計算できる唯一の勝ちパターンがうまくハマった試合でした。以下、雑感。

【効果的だった得点の時間帯】
 28分、46分、65分。これ以上ない分布です。押し込むものの相手の守備を崩しきれない中でのセットプレー、後半開始早々の得点、相手が前がかりになったところでカウンター。取り方も理想的です。これで流れを失えと言う方が無理というもの。もっとも三点差になってから危ない場面が何度かあったわけですがorz
 今節はたまたまこういう形になったものの、上位との対戦ではこんなに上手く行くとは思えません。かなり攻撃的なサッカーをしているらしい次節の相手・水戸はともかくとして、ベッタリ引かれた時にどうなるか。勝ちが続いているからと言って楽観視する材料はないですね。

【今後のことを言い始めたノブリン】
 ただ、今後に向けて一つ、チームが課題としていることが監督の口から語られました。
 試合後会見(J'sGOAL)

そうですね。前半と後半の立ち上がりは本当にいいパススピードで、ミスもなかった。ただやはり30分過ぎからイージーなミスが出てきました。やはりミスが出ると、攻められてしまうので、終盤にかけてどう体力の維持をしていくか。それと基本的にフィジカルが弱いですので、そういうところをもっと上げていかなければ、これから先もっと厳しくなってくるんじゃないかと思います

 前回も書いたように、ゲームのペースをコントロールする力などいまの札幌にはないので、コントロールを考えず飛ばしまくるしか勝ちパターンはないわけですが、シーズンをトータルで考えたとき、そのパターンだけで昇格争いに加わることは無理。どこかでチームを一つ上のレベルに持っていく策が必要です。
 そこで序盤戦の戦い方ですが、ノブリンは「トレーニング」を序盤戦の一つのテーマにしているフシがある。ゲームをやる体力はゲームを通してでないとつかないもので、それをつけることを課題としているのではないでしょうか。そうでなければ「現実的にやる」と言っていたはずのアウェイでの戦い方がアグレッシブすぎることの説明がつかないもん。ここで厳しく追い込むことで主導権をつかむ時間を長くするとともに、劣勢の状況で我慢する力をつける、これが一段階上へのビジョンのような気がします。


【あっぱれ!】

  • ダニルソン:だいぶ余裕が出てきました。上里より遠くが見えているんじゃないか。

【喝!】

  • なし


 上位が取りこぼさないのでなかなか詰まりませんが、取れるところをしっかり取っていくしかないですね。次節、こちらは移動があるものの相手は中二日。走り負け厳禁!


勿体ないお化け

2009年05月10日

 テレビ観戦でした。勿体ない。高い授業料と考え、今後に活かしてもらいましょう。

 前半、前線からの厳しいプレスからペースをつかんだ札幌。CKから西のビックリドッキリヘッドで先制すると直後にDFラインの裏へ飛び出したキリノがGKのミスにも助けられ追加点。
 ただ、前半のうちに三点目を取れれば、という雰囲気ではなかったですね。運動量が落ちたというのもありますが、積極性を欠き始めた40分頃からは危ない時間帯が続いて前半終了。

 後半、明らかにテンションをかけてきた徳島をいなすことができずにPKから失点。これでゲームが生き返ってしまいました。キリノのゴールで3-1とするも、中盤の守備で後手を踏み始めて流れは徳島に。最後はGKのミスのお返しで同点。

 試合後の監督会見にもあるように、芳賀の投入から中盤の真ん中の守備が弱くなったと思います。ダニルソン・宮澤が芳賀・宮澤になったんであればまだマシだったでしょうが、芳賀は左サイドのパッチとして投入され、したがって中盤は西・宮澤に。それまでSBで奮闘していた西にダニルソンの様な対人の強さを求めるのはかなり酷でしょう。スタメンが痛んだりして、今回はベンチワークも厳しかったですね。

 負けなかったのを良しとするしかないでしょう。現状、スタメンではボールの収まりどころがクライトン一人なので、時間を作って試合そのもののペースを落とす、ゲームを殺す戦術眼を持った選手が出てこないと、今日のようなバタバタした試合が続くでしょう。それまでは先手先手で押し切るしかなさそうです。不安定な戦いは当分続くのではないでしょうか。やれやれ。


第13節・札幌3-2栃木

2009年05月05日

 展開は痛快。内容は消化不良。以下、雑感。

【怖さがなかった前半の攻め】
 栃木は予想以上に良い守備をしていたと思います。最終ラインのバランスが非常に良かった。対する札幌はボールを回すものの相手の前でのパスばかり。ワンツーを使って裏へ、斜めに入るクロスでDFラインの裏へ、というプレーが少なかったと思います。シュートは前半なかばからほとんど打っていないんじゃないでしょうか。
 その中でも思い切りの良さを見せたのは藤田。クロスの精度はもう少し、といった感じですが、味方が持ったときに走り出すタイミング、受け方、調子は良さそうです。

【またしてもミスから失点した守備】
 一点目は4-4-2から3-5-2に変更した直後のFKから。フォーメーションを変えたことが影響したか、逆サイドに抜けてきたボールに対しアウトサイドの選手の絞りが遅れました。しかし何よりニアサイドでしっかりクリアできなかったのが拙かった。
 二点目は趙晟桓の判断ミスで抜け出されたことがきっかけ。もちろんあってはならないミス。ただ、ここ数試合、吉弘と晟桓は後半になるとスプリントがきかなくなることが多い。フィールドで出ずっぱりなのは彼ら二人だけですから、相当消耗しているでしょう。できれば休ませたいぐらいです。


【あっぱれ!】

  • 吉弘:疲れの残る中で奮闘。安定感も出てきた気がします。

【喝!】

  • 趙晟桓:仕方ないでしょう。攻撃陣に感謝、ですね。


 連戦を負けなしで乗り切ったわけですから、上々とせねばならないでしょう。内容にはまだまだ危なっかしさを残していますが、精神的にはひとつ突き抜けたかなという感じです。勝ち点ですぐ上にいる相手との対戦が残っていますので、そこを勝ちきって、順位は5位、昇格圏との勝ち点差5を目標に五月を乗り切って欲しいと思います。