何のための守りか

2007年07月26日

 仙台戦、大通のビアガーデンで観戦しました。仕事が終わって7時15分ぐらいに着いたのですが、ビックリするぐらいの客の入り。前半は立ち見でした。
 さて、試合ですが…、意外にちっちゃいな200インチ(苦笑)。個々人のプレーに関してはよく分かりませんでした。ビールもらおうと並んでいる間に中山が信じられないボレーを決めたみたいだし。勝ったのはいいけれど、やっぱり試合をじっくり見る環境じゃなかったです。
 
 そんな状況だったわけですが、感想を一つだけ書いておくと、「手放しで喜べる勝ちじゃねぇな」ってことです。
 第三クールに入り他チームも札幌の特徴を掴んできた中で、ベースとなる守り方を堅持しつつ、得点を増やしていきたいというのが三浦の狙いのようですが、昨日の試合は「守れた」とはとても言いいがたいものでした。「何で勝ててるのか分からない」序盤戦と内容は大差ないように思えます。だいぶ崩されていた。仙台の詰めの甘さに救われた格好です。
 守りが良くなかったことを端的に示しているのがシュート数です。監督も強化部長も「良い攻めをするための守り」ということを何度も言っていますが、昨日の試合に限っては守備のゾーンが深く、はね返すためだけの守備をしている時間帯が長かった。ボール奪取の位置が深いと効果的な攻めにはつながりません。だからシュート数が少ないわけですね。無失点でしたが、彼らが言うところの「良い守り」ではありませんでした。
 
 仙台が素晴らしいサッカーをしていたことは考慮に入れなければならないでしょう。縦へ直線的に行くだけのプレーが若干多かったとは言え、潔い攻めの姿勢は感動すら覚えました。関口、菅井は最後まで懸命に走っていました。菅井、ボクが「欲しい」と思う数少ないJ2の選手です。

 チームとして目指す戦い方を双方が貫いた、その意味では見応えのある試合でした。しかし、内容的に目指すレベルに近づいているのは仙台の方です。目指すサッカーを体現して結果が伴わなかった仙台と、目指すサッカーができずに結果だけが伴った札幌。
 「それでも失点しなかった」、そのことにケチをつけるつもりは毛頭ありません。厳しい試合をものにしたことがメンタルに与える影響も認めます。次はそれを糧にして、内容を伴った試合を展開してもらいたい。ボクは週末札幌にいないので見られませんがorz
 
 守備のための守備に終始するな。
 


 
【今節の結果】[ ]内は出場記録・()内は通算得点

  • 注目ジョカトーレ・#25藤田:バツカトーレ[○]
  • 今節のマルカトーレ:#13中山(4)・#10ダヴィ(9)

修行の成果を披露するあの男

2007年07月24日

 明日は仙台戦。やっぱ途中からでも見たい、ということで、仕事終わりに大通西八丁目に直行することが決定。久しぶりのビアガーデン、是非勝利を収めてガバガバ呑んでスポンサー様に貢献したいところ。つまり勝ちが欲しいということです。そこで今節の注目ジョカトーレはこの男、
 

「香車」#25・藤田征也

 
です。カナダ帰りのこの男。前節は怪我で欠場したものの、これがかえって疲れを取るためのリフレッシュ休暇となったことでしょう。貴重な経験と少々悔いの残る終わり方をした武者修行の成果を、明日は存分に見せてくれ。行け藤田よ!仕掛けまくり、最後まで闘え~♪
 


 
 居酒屋でビールを注文するときの「とりあえず」っていう枕詞みたいな他会場のカードはこちら。(一回休み:鳥栖)

  • 草津-福岡:連勝が長続きしない福岡。この上連敗継続はヤバイ
  • 東京V-C大阪:じりじり上向きC大阪。差を詰めたい
  • 京都-湘南:好調京都。7月はアウェイに強い湘南。頼む
  • 徳島-山形:ダービー分けの悔しさを晴らせるか>山形
  • 愛媛-水戸:ともに苦しむ両チーム。意地のぶつかり合いだ

 


 
 攻めと守り。対照的な売りを持つ両チーム。が、サッカーは表裏一体。上手く守れなければ攻められないし、上手く攻められなければ守れない。要は何をきっかけに流れをつかむか。守備のためだけではない、主導権を握りゴールを奪い勝ち点3を取るための守備を!We are SAPPORO!


第29節・札幌2-2東京V

2007年07月21日

 最後の最後での同点ゴール。久しぶりに「厚別」らしい試合が見られて満足…と言いたいところですが…。以下、雑感。
 
【プラン通りだった0-0の時間帯】
 「三浦の4-4-2は3-5-2にめっぽう強い」。これが何年も前からの私の印象で、今日もそれが当てはまる展開でした。どういうことかというと、中盤の四人をフラットに構える4-4-2だと、3-5-2の相手のウイングハーフ一人に対してこちらのSBとサイドハーフの二人で応対することができる。2004年の札幌-大宮ではこれが見事に嵌って札幌はなにもさせてもらえなかったんですが、その時の印象が強くて、今日もサイドでどう崩すか、守るかを注意してみていました。
 まず攻めの方ですが、特に左サイドが上手く機能していたと思います。西嶋が持つ、海本がチェックに来るが早いか西谷がその裏へ出ていく、西嶋から縦へボールが出る、西谷の応対に一柳が出てきて中央が空く…。前半はここが非常に上手くいっていました。が、東京Vも前半はリスクを冒さない戦い方だったので、最後の所ではね返されて決定的なチャンスは作れずじまい。
 一方の守備。こちらは右サイドが忙しかったですね。さっき書いた数的不利を打開するために東京Vはフッキが左サイドに流れてプレー。明らかにスピードで劣る西澤のところを崩しにかかり、開始直後から主導権を握りました。札幌は、「フッキが中盤にひいたときは芳賀が捕まえる」というプランだったようで、ディフェンスラインとの一対一を極力作らせないように頑張っていました。
 
【試合の締め方を誤った札幌】
 双方決定的な場面を作れず作らせず、という展開で勝負は大詰め。左サイドで西谷が粘って得たFKからまたしても曽田が頭で先制。時間帯も時間帯、あとは慎重に試合を運んで逃げ切りたかったところですが、前がかりになった東京Vの攻めにディフェンスがバランスを崩し、試合開始直後に問題となっていた右サイドを突破され失点。この場面、西澤は内にしぼっているのか見あたらず、砂川一人で守備している形になっていました。フォーメーション上の数的優位を保てなかったのが失点の原因。それと、前がかりに来られてディフェンスラインが下がっちゃいましたかね。結果、サイドで後ろから飛び出してくる選手を捕まえきれなかった。
 2点目は…まぁ、あれだ。しょうがない(苦笑)。ただここでもディフェンスラインは少々低すぎです。
 で、ロスタイムもほぼ尽きた最後のCK。ここで戸川が頭部を切り出血。東京Vの選手は「もう出血は止まっている」と必死に抗議、ディエゴは水かけて血を誤魔化そうとしていますが、そりゃ必死になるでしょう。治療で一人出ればフリーの選手が必ず一人できるということ。札幌としてはあとはそのフリーの選手を上手く見つけてそこに合わせればいいだけ。もちろんそれはとても難しいところだったのですが、まさかあそこでニアに早いボールを蹴るとはね。「曽田をはじめとして札幌の選手は高い」というのが頭にあったんでしょう。その裏をかいた、見事なゴールでした。
 


 
【今日のピカイチ君・イマイチ君】

  • ピカイチ君:西谷。良く動いてボールを引き出し、攻めに絡んでいたと思います。
  • イマイチ君:ブルーノクアドロス。ここで大事につなげれば…というところでの敵パスが目立った。

 
【今節の結果】[ ]内は出場記録・()内は通算得点

  • 注目ジョカトーレ・#15ブルーノクアドロス:バツカトーレ[○]
  • 今節のマルカトーレ:#4曽田(7)・#9石井(3)

 


 
 しかし、勝たなくてはならない試合でした。「引き分けでもいい」とかいうのはあくまで試合前の星勘定の上から見たものであって、試合展開から言うとプラン通りに無失点で来て、待望の先制点をあげたわけですから、絶対に逃げ切らなければならない。ちょっと前がかりに来られたからといって途端にバランスを崩しているようではいけない。それまでは、東京Vとしては「いくらサイドチェンジを入れてもサイドで一対一になれない」という感覚だったはずなのに、あの時間帯だけバランスが崩れた。何とも勿体ない勝ち点2喪失。
 次はアウェイ仙台戦。取り返すには格好の舞台です。


人間拡声器なあの男

2007年07月20日

 明日は東京V戦。天気も何とか持ちそうです。先週、全く心当たりのない天譴で試合が流れてしまったため、試合勘に若干の不安がありますが、高い集中力で試合に入ってもらいたい。ボケーッとしているヤツがいたら容赦なく叱って、コミュニケーションを取って試合を進めていこう。そこで今節の注目ジョカトーレはこの男、
 

「丁髷兄さん」#15・ブルーノクアドロス

 
です。後方からのコーチング、味方を鼓舞するその姿勢、選手個々の能力ではどうしても苦しい相手に、チーム一丸となって立ち向かうには彼の声は不可欠。加えて、明日は人数をかけて守らざるを得ない展開になりそう。一対一・カバーリングと忙しくなるはず。最後まで冷静にプレーしてくれ。行けブルーノ!喋りまくり、最後まで闘え~♪
 


 
 コンビニ弁当の箸袋に入っている爪楊枝みたいな他会場のカードはこちら。(一回休み:福岡)

  • 山形-仙台:気がつけばダービー。こんな時に教採とは不運よのう(独り言
  • 水戸-京都:好調を維持したい京都。攻めるか守るかはっきり>水戸
  • 湘南-愛媛:スピーディーな展開が期待される好カード
  • C大阪-草津:じわじわ来たC大阪。若手攻撃陣の勢いは本物か?
  • 鳥栖-徳島:札幌同様試合勘が心配な徳島。立ち上がり注意

 


 
 仙台戦はテレビ観戦不可、来週末は某所へドナドナと、個人的には明日以降しばらく試合を見られない状況なので、是非勝ってもらいたい。それ以上に、チームにとって大きな山場になりそうな一戦。最低でも直接対決の年間勝ち越しだけは決めておこう。We are SAPPORO!


アジアカップ2007・日本3-1UAE

2007年07月14日

 やっぱり延期になった徳島戦。15日も帰れない可能性が高いということで、次に向けての調整が非常に心配です。コンディションってのは定期的に試合をすることで整ってくるものなので、試合が一つ飛ぶと少なからず影響が出てくるでしょう。上手く調整して21日の東京V戦に備えてもらいたい。
 それにしても一昨年の山形戦に続く二度目の延期。ついてない。余所のカードはすぐに代替日が設けられたのにうちは未定。遠隔地故のハンデですね。9月のミッドウィーク、12日か19日あたりになるんじゃないでしょうか。
 
 さて、代わりにと言っては何ですが、代表戦のレビューを。大きな勝ち点3でした。失点した前後の時間帯を除けば非常によいサッカーをしたのではないでしょうか。以下、雑感。
 
【時間帯と流れを考えた攻撃】
 UAEがどう出てくるかを窺いながらの立ち上がり。思ったより攻勢に出てきた相手に、序盤は押し込まれる時間帯が続きました。UAEは中盤の運動量が多く、セカンドボールへの寄せを早くして分厚い攻撃を展開。対する日本はその中盤のプレッシャーを無理にかいくぐろうとせずに、マイボールになったら早めに縦を狙うというシンプルな攻め。流れが変わるのを辛抱強く待ちました。
 15分頃から分厚い攻めを展開するようになった日本。両サイドを広く使いUAEを押し込みはじめます。そして22分、ショートコーナーから高原。UAEのみならずテレ朝の放送ブースにまで生じた妙な空白を上手くついた、狡い得点でした。
 その後も効果的なサイドチェンジを使いゲームを支配する日本。27分、二つのサイドチェンジが入った後、加地のクロスから高原。シュートまでが早い、質の高いゴールだったと思います。その後、序盤は後手に回っていた中盤での守備からボールを奪えるようになり、41分にはさっぱり分からないPKを、これまたさっぱり分からないカードを喰らいながらも中村俊輔が決めて大きな3点目。これでゲームは決まりました。
 
【余計な失点を喫した拙さ】
 後半立ち上がりも中盤で人数をかけて守れており、相変わらずの日本ペース。53分、UAEの14番が退場になると、ワンタッチで回してキープしUAEのプレッシャーをかわし、こりゃ寝てしまうぞ、と思った66分、中央をスルーパスで割られてやらずもがなの失点。相手陣内で振り向かれてしまった中村憲剛、ラインを上げるのか下げるのか躊躇した阿部と中澤、逆サイドからしぼり切れていなかった鈴木と、何人かのミスが絡んだ失点でした。前半のPKがなければこの一点で試合は分からなくなっていました。これからに向けていい薬になったのではないでしょうか。
 もう一つ拙かったのは交代で入った選手たちです。水野はプレーの選択が最後まで独りよがりでしたし、鈴木に代わり投入された今野は効果的な働きはできず、ほとんど試合から消えていました。難しい時間帯、怪我による交代であったことを差し引いても、彼の不調は気になります。FC東京で最終ラインをやっていることも影響しているのでしょうか、持ち味が出ていないなぁ。
 
 これでだいぶ楽になりました。もし勝ち点2で最終戦に臨むことになれば、自らにヘンなプレッシャーをかけることになっていました。相手がホーム・ベトナムということを考えてもそうしたプレッシャーがかからない展開にしておく方が良かった。その意味で大きな勝ち点3と言えるでしょう。これで落ち着いて自分たちのサッカーができるはず。ベトナム戦は結構楽観視しています。警告、怪我に注意して戦うように。川口は絶対にイエローもらうな!


試合のペースをコントロールしよう-第二クール総括

2007年07月12日

 既に第三クールに入ってしまいましたが、第二クールの総括をメモ。
 
【順調に積んだ勝ち点-成績】
 第二クールは8勝3分1敗・勝ち点30。対戦相手・日程などから厳しい闘いになると予想した5月末は連勝。6月の鳥栖戦に勝ち7連勝。「ヘタしたら第2クール中には届かないかも」と思っていた勝ち点45をあっさりクリアしてしまいました。一方で、日程的に厳しかった愛媛戦は取りこぼし、そこからやや失速気味になりました。第三クールの話になってしまいますが、昨日の勝ち一つで判断を下すのはまだ早い。復調したかはもう少し見てみないと分からないでしょうね。
 福岡には昨日の試合の勝利で勝ち点7対1。今シーズンの勝ち越しが決定しました。上位・中位相手にはこのように「相手の勝ち点を削る」ということも大事になってきます。もちろん選手は毎試合勝ち点3を目指して闘うわけですが、星勘定の上では「引き分けでも良し」とすべき試合も出てくると思います。
 
【もう一度原点を見つめ直そう-戦術】
 第二クールの得点は18、失点は8。失点は第一クールと同じ。得点は微増。攻撃に関しては後で書くとして、失点した試合が4から6に増えています。第二クールラスト五試合で無失点は一試合。昨日も失点しましたし、これまでに比べて崩される場面が多くなっているように感じます。
 相手が札幌のやり方を研究しているというのもあると思います。細かい話ですが、先日の山形戦では、ゴールキックの際に西嶋のところを避けて蹴るということもありました。手を焼いているのは二列目からの飛び出しと、裏へのボールを多用してラインを下げさせて…という攻め。前者はゾーンの弱点をつくこと、後者は「前には強いCB」の長所を出させないことを狙った戦い方です。
 対策としては、最終ラインを含めて全体をコンパクトにすることで、二列目から出てくる選手の受け渡しをしやすくすること、ロングボールを蹴らせないように前からしっかり守備をすることが肝要です。結局、この二点はこれまで守備が機能していた要因であって、それが疎かになりかけているということでしょうか。もう一度基本に立ち帰って、ですね。
 
【兆しは見える(らしい)-攻撃】
 「中盤から前の方の構成はがらりと変わっているのではないか」という私の予想は大ハズレでした(苦笑)。守備同様、攻撃も大きく変えるつもりはないようです。
 得点は微増していますが、少なくとも私が見た試合では攻撃が劇的に進歩した、と感じさせる要素は見られませんでした。SBの位置が結構高くなっているのは確かですが、それとてエンドライン際までえぐるといったものではなく、昨年までのサイドに起点を作って崩すというサッカーとはほど遠い印象を受けます。
 フィニッシュの場面での雑さ、というのも大きな課題です。トータルで考えると中山・ダヴィの貢献度は高いと思いますが、得点に限れば物足りない。守備で同じ役割を果たせてなおかつ得点も取れる、そんなFWが出てくれば間違いなく取って代わられるでしょう。それがチーム内から出てくるか余所からくるのかは分かりませんが。
 しかし、ネット上の試合の感想などを見ていると、「攻めていた」「久しぶりにワクワクした」といった意見が見られるので、兆しはあるようです。行けるときには行く、という柔軟な闘い方をするようになってきた、ということでしょうか。もっともそういう試合に限ってボクは出場停止w
 ただ、それは草津や昨日の福岡など比較的オープンな試合を挑んでくる相手に限られているようです。曲がりなりにも首位なのですから、こちらのホームでそのような試合を相手が挑んでくるのはあまりないのではないでしょうか。総じてじりじりするような展開が多い、第三クールもそんな感じで進んでいくと思います。
 もう一つ、攻撃的な選手の使い方についてですが、どうやら砂川がスタメンを張るということは今シーズンはなさそうです。藤田がいないときに彼ではなくてカウエを右に持ってきたのは、単なる山形対策かと思っていましたが、昨日もそうだったところを見ると、「砂川がスタメンに相応しくない」のではなくて「砂川はベンチに置いておきたい」という三浦の考えは不変のようです。確かに砂川が入ると攻撃のバリエーション・展開力は格段に上がる。良い働きをしています。
 藤田に同じ役割を期待するのは酷、ということで、彼個人の問題ではなくベンチを含めたメンバー構成という観点から「ジョーカー砂川」はジョーカーのまましばらく行く、というのが私の見立てです。ただこれも余所からどんな選手が来るかによって変わってくるわけですが。
 
【落ち着きを見せた-ピカイチ君 of the 2nd cours】
 高木。腰痛により一試合欠場したものの、安定感あるプレーで何度もチームを救いました。草津戦では連携ミスで残念な失点を喫してしまいましたが、貢献度は非常に高いと思います。DFラインとの間のケアが今後の課題か。
 
【夏場に合わせた試合運びを-展望】
 さて、第三クールのカギは夏場のアウェイをどう乗り切るか。バカ正直に同じペースで90分闘うわけにはいかないので、意図的に試合をペースダウンさせるような試合運びが求められると思います。リスクを冒さず前半は0-0でOK。勝負所でチャンスをものにして逃げ切る、という、これだけ見れば「何だいつものパターンか」となりますが、それに加えて「マイボールの時間を長くする」ということが大事になってきます。「走る」のと「走らされる」のとは疲労度が違いますから、ボールをキープして「走る」展開に持ち込みたい。相手に持たれて「走らされる」時間を減らしたいところです。
 順位は下がらなかったものの、勝ち点差は最大時からやや詰められて迎えた第三クール。調子をあげてきたチームもいくつかあり、そのうちの一つとは7月中に対戦があります。21日の試合は一つのターニングポイントとなりそうです。また、日程的には8月末から9月にかけて室蘭・函館開催による「なんちゃってアウェイ5連戦」をどう乗り切るかが心配です。だからこそ7月にできるだけ稼いでおきたい。


声を出そう!な老若男女

2007年07月10日

 明日は福岡戦。私は野暮用で出場停止です。そんな中、「厚別の歌」で選手を出迎えようという企画が進行しているのは、多くの方がご存じでしょう。というわけで今節の注目ジョカトーレは、
 

#12・サポーター

 
です。負けているわけではないが、ここ数試合は内容的にもじり貧な札幌。正直ゲームの質は非常に悪い。正念場です。ここでズルズル行くと夏場には地獄が待っている。踏ん張りどころです。普段は立って応援できない皆さんも、選手が入ってくるときだけなら、声を出して歌うことはできるんじゃないでしょうか。それで選手が奮い立ってくれればこんなに嬉しいことはないじゃないですか。是非、歌ってあげてください。是非。
 


 
 他会場のカードはこちら。(一回休み:草津)

  • 仙台-東京V:ここも大一番。仙台はサイドでの数的優位を作りたい
  • 山形-京都:ここもだな大一番。復調の兆しを見せ始めた山形は勢いに乗りたい
  • 水戸-湘南:連敗はしたくない湘南。先制点取って楽に進めたい
  • C大阪-徳島:前節粘り強く追いついたC大阪。確実に勝ち点3を
  • 鳥栖-愛媛:ダービー敗北のショックを払拭できるか>愛媛

 


 
 返す返すも無念の出場停止。開幕当初から欠場は確定しており、その時は「今年は福岡が見られない」などと嘆いていましたが、まさかこんな企画までかぶるとは…。スタジアムに行けるみんなは美しく歌い上げろ!We are SAPPORO!


アジアカップ2007・日本1-1カタール

2007年07月09日

 甘~い!甘すぎるよ今野さ~ん。何でそこで壁に穴あけるんじゃおんどりゃあ!以下、雑感。
 
【辛抱して奪った先制点】
 立ち上がりから日本は圧倒的にボールをキープ。ただこれは押し込んで、というのではなく、カタールがひいて守ってのこと。この展開はむしろカタールの望むところで、横パスは通るものの縦に入るボールには厳しく来られ、また入ったとしてもスペースが上手く作れず、効果的な攻撃は出ず。
 もっとも日本としても強引にこじ開けに行って逆襲を喰らう、というのを避けたいという意図はあったでしょう。実際そうした場面は試合を通じていくつかありましたが、それをことごとく潰していったのは鈴木啓太。6分、中村憲剛がボールを失った場面での見事なディフェンス。守備時には4-1-4-1となる布陣のアンカーとしても良く効いていました。
 15分頃から相手ゴール前での球さばきにスピードが出てきて、22分、左サイドを崩して山岸から中村俊輔。その後も右一回・左二回ぐらいサイドを崩せていたと思います。ただいかんせん1トップ。中が薄すぎました。
 後半右サイドを代えてきて攻勢に出たカタール。ここで受けに回らずに相手5番の裏のスペースを山岸と今野で突いていったことは評価して良いと思います。5番が攻撃的に行けたのは最初の5分ぐらい。以降、この左サイドを起点に日本は攻め、56分には高原の落としから山岸が良いタイミングで飛び込むもふかしてしまう。そして61分、連動性の高い崩しから左サイドにスルーパス、これを今野が中央に折り返すと待っていたのは高原。待望の先制ゴール。
 
【集中力欠如による必然の失点】
 このまま1点を守りきる、という考えではなかったでしょう。実際仕掛けられるところでは仕掛けていたし、カタールには速攻以外の攻め手はなかった。にもかかわらずのお粗末な失点。
 試合後に高原が言っていたように、失点前の時間に、ハーフウェー付近で浮き球が続く場面がありました。チャレンジしてできない距離ではないのに、ボールの周りにいる日本の選手は棒立ち。競りに行っているのはカタールの選手ばかり。で、拾われたボールを縦に放り込まれてこれが阿部のファウルを誘発。これはちょっと可哀想な判定だったと思います。主審は立ち上がりこそ頻繁に笛を吹いていたものの前半半ばから接触に対してあまり吹かなくなり、その基準なら吹かないだろう、と思って阿部は行ったんじゃないでしょうか。ただ、縦へ出たボールにちょっと遅れているのも事実。集中していれば防げた。
 で、何だあの壁は?前半から23番はストレート系のボールしか蹴ってなかっただろうが。そもそもベンチも壁を閉めろというジェスチャーをしているんだから、スカウティングの段階で分かっていることだったんじゃないのか?それをあっさり間をあけやがって。大事な時間帯に危険な位置からのFK。もっと厳しく行けよ。カード覚悟で相手をはじき出すなり何なりしてみろってんだ。
 何とも勿体ない失点。まぁホントのところはハイボールに競らなかったところから始まっているわけだから今ちゃんだけじゃなくてチーム全体の責任。川口じゃないけど、二度とすんなよこんなマネ。
 
【今後の展望】
 とは言えサッカーの内容自体は悪くなかったと思います。狭いエリアを連動性と速いパス回しで崩すことはできていた。思ったよりもボールは走っており、このグラウンドでもなんとかできるかなという感じです。羽生がジョーカーとしてある程度の目処がついたことも収穫。最後のチャンスは決めて欲しかったですが…。
 だから、この結果を一刻も早く忘れて気持ちを切り替えて次の試合に臨めば、グループリーグ突破は大丈夫だと思います。ベトナムが勝ったことでこのグループは混戦になりそうですし、一位通過の可能性もそんなに低くはなっていない。ただし、次の相手が「後がなくなったUAE」というのがちょっとイヤですが。
 とにかく、自分たちのサッカーを見失わないことです。


第26節・札幌1-1山形

2007年07月07日

 またしても勝てませんでした。もう少し積極的に行っても良いと思ったんですが…。以下、雑感。
 
【孤立した前線】
 前半、両チームとも慎重な立ち上がり。互いに早いプレッシャーで相手を自由にさせず、チャンスはなかなか掴めず。
 札幌は、前からの守備が上手くいかずロングボールを多用された反省から、山形の後ろからのつなぎにプレスをかけ、そこで奪うことはかなわないまでも簡単に前に運ばせない守備ができていたと思います。対する山形は、札幌が長いボールを入れてきた後のボールを狙ってきました。中山・ダヴィもあれだけ囲まれてはちょっと打つ手がなかったと思います。
 双方長所をつぶし合いながら粛々と展開すると思われた29分、自陣で相手を背負ってボールキープしていた芳賀が不用意にボールを失いそのまま失点。ミスの許されないポジションの選手が、許されないエリアで犯したミス。ここからペースは山形に。4バックの間を執拗についてきたわけですが、それも両サイドが札幌のSBをよく引っ張り出していたからこそ。守備を考えての右サイドにカウエでしたが、あまり上手くいかなかったようです。
 それでも前半終了間際、縦パスに反応し相手DFと競り勝ったダヴィがしっかり決めて同点。これは彼の長所が出た良いゴールだったと思います。
 
 後半、先にチャンスの数を増やしていったのは札幌。ダヴィのシュートは左ポストを直撃。最悪の出来だった芳賀を下げて砂川を投入してからはセットプレーでも可能性を感じさせましたが…決めきれないとこうなるものですね。終了間際は山形に再三チャンスを作られ、青息吐息のドロー。
 
【上手く戦った山形】
 山形の出来がよかったことも考慮しなければならないでしょう。財前・小原・豊田など故障者を抱える中、積極的なサッカーを展開していたと思います。臆せず後ろからつなぎ、両サイドが高くプレーすることで札幌のゾーンを広げ、中を割ろうとする。やり方が徹底していたと思います。
 後ろで人数を余らせることなく守備をしていたというのも良かった点です。前半、札幌の選手が対面する相手を放り出して前に行くようなことをしないと見るや、CB二人が2トップに、SBが相手サイドハーフにつき、ボランチ同士はガチンコという「ミラーゲーム」に持ち込み、攻めの勢いを完全に殺いでしまいました。細かいところですが、ゴールキックでは西嶋のところを避けて蹴ってましたね。
 


 
【今日のピカイチ君・イマイチ君】

  • ピカイチ君:ボールボーイ。
  • イマイチ君:芳賀。

 
【今節の結果】[ ]内は出場記録・()内は通算得点

  • 注目ジョカトーレ・#18芳賀:バツカトーレ[▽56]
  • 今節のマルカトーレ:#10ダヴィ(8)

 


 
 「そんなにうまくいくはずがない」ということを再認識させられた、そんな試合だったのではないでしょうか。まだまだ半分。ここで首位でも何の意味もない。これから夏場にかけて厳しい闘いが続くはず。ここ一ヶ月にもまして勝ち点を稼げない事態だって大いにあり得る。取りこぼしは禁物ですが、上位との対戦ではある程度の苦戦は仕方ないのではないでしょうか。
 
 大事なのはそこでパニックにならないこと。辛抱が必要です。まだまだ半分。


締めていこう!なあの男

2007年07月06日

 明日は山形戦。前節試合がなかったため休養十分。しっかりトレーニングを積んだと思うのでその成果を発揮して欲しいものです。今節の注目ジョカトーレはさっきテレビで思いのほか喋っていたこの男、
 

「船長」#18・芳賀博信

 
です。注目ジョカトーレのタイミングとしては完全に一試合遅れた感のある指名ですが、下位相手に勝ち点を落としている締まらない展開にあってチームを引き締める役割を期待します。失った勝ち点を取り戻すためにはまずホームでの勝ちは必須。プレーでチームを引っ張れ。行け博信!チーム率い、最後まで闘え~♪
 


 
 お好み焼きに振りかけた鰹節みたいな他会場のカードはこちら。(一回休み:仙台)

  • 愛媛0-1徳島
  • 水戸-東京V:攻撃時に両サイドを上手く活用できるか。中央一辺倒は苦しい>東京V
  • 湘南-福岡:ともに浮上のきっかけを掴みたい。特に湘南はヤバイ
  • 京都-C大阪:攻めきれるか京都。C大阪は前半の失点は禁物
  • 鳥栖-草津:走り合い。どちらが最後まで持つか?

 


 
 展開としては、札幌がどのゾーンでボールを奪えるかがカギになってくると思います。山形の両サイドに高い位置でプレーされると厳しい。右にカウエっていうコンアシの予想スタメンもそのあたりに狙いがあるのかな、と。
 ホーム三昧な7月も、私が行けるのは明日と東京V戦だけ。勝ちが見たいぞ勝ちが。ついでに明日は引率者多数。勝ちを見せたいぞ勝ちを。We are SAPPORO!


U-20W杯・日本3-1スコットランド

2007年07月04日

 ようやくビデオを見ました。この年代の典型的な試合だったと思います。「調子に乗ると手がつけられなくなる」。
 
 ユース世代の試合は、メンタルの影響が非常に大きい。こっちが乗っていて相手が精神的に追いつめられている時には思わぬ大差が付いたり、試合中でも突然流れが変わったりと、試合の展開が安定しないことが多い。見方を変えれば流れが非常に分かりやすいということになりますが、とにかくこの試合の日本は乗っていて、スコットランドは上手くいかなくてイライラしているように見えました。
 
 戦術的には、放送中でも言っていましたが、スコットランドは両サイドが中にしぼる割にはボールサイドでのプレッシャーが少なく、サイドチェンジが多用できたことがリズムを生む要因になったと思います。
 両サイドハーフ、とりわけ梅崎のところでボールが収まり、良い攻めができていたと思います。守備については、一対一で危ない場面はほとんどなかったものの、次戦以降の対戦相手は個人技がありそうなので、どのような応対をするかちょっと心配です。藤田は普通。投入された時間帯を考えて、運動量の面で良く貢献していたと思います。やっぱり札幌よりも中でのプレーが多かったですね。
 とにかく勝ち点3という最高の結果を得たのだから、精神面でも落ち着いて次の試合に臨んで欲しいと思います。ま、ゴール時のパフォーマンスの事なんぞ考えずにゲームに集中することが先だとは思いますが。


サテライトに行って来た

2007年07月01日

 リーグ戦のない週末。当然ながらサテライトに行って来ました。
 
 結果は4-1の勝利。4点入ったのは鹿島のメンバーがルーキーだらけだったことも差し引いて考えなければならないとは思いますが、それでも前半は攻守の切り替えが早く良い攻めができていたと思います。立ち上がり、相手のDFラインがバタバタしていたときに決めていればもっとたくさん点が入ったかも知れません。決定機を外したのが三回ぐらいあったはずなので、該当者は次はしっかり決めてくれ。
 鹿島の布陣がよく分からなかったのですが、3トップ気味でスタートしましたかね?そのためか中盤が薄く、札幌のボランチがボールを受けて簡単に前を向く場面が多く、かなり自由にプレーできていたと思います。上里は良くボールに絡んでいました。
 スタメンの2トップは石井と西。石井は3点取ったし良いプレーだったのは間違いありません。西もボールを持ったときには可能性を感じさせるプレーをしてくれるのですが、ボールを引き出す動きがまだまだ。前半、札幌の左サイドで川崎・岩沼がボールを持ったときになかなか前に運べない場面が多かったのですが、そこに西が顔を出してくれるとだいぶ楽になったんですが…
 その点、鹿島の柳沢はさすがという受け方をしていました。中盤の面子がトップと違うこともありなかなか良い形にはなりませんでしたが、それでも彼のところにボールが入ればなかなか奪うのは難しかったですね。周りを活かすのが上手だなと思いました。シュートは一本もなかったですけど。
 
 後半、失点しなかったものの終了間際に立て続けにピンチを招いたのはいただけない。まぁしかし最後まで攻めようという意図があってのことなので良しとしましょう。
 
 元気だったのは石井、ボランチの二人、川崎といったあたりでしょうか。上里は攻撃に絡む場面が多く、川崎は持ち前のねばり強さが出ていたと思います。関・吉瀬は出場しませんでした。