第29節・札幌2-2東京V

2007年07月21日

 最後の最後での同点ゴール。久しぶりに「厚別」らしい試合が見られて満足…と言いたいところですが…。以下、雑感。
 
【プラン通りだった0-0の時間帯】
 「三浦の4-4-2は3-5-2にめっぽう強い」。これが何年も前からの私の印象で、今日もそれが当てはまる展開でした。どういうことかというと、中盤の四人をフラットに構える4-4-2だと、3-5-2の相手のウイングハーフ一人に対してこちらのSBとサイドハーフの二人で応対することができる。2004年の札幌-大宮ではこれが見事に嵌って札幌はなにもさせてもらえなかったんですが、その時の印象が強くて、今日もサイドでどう崩すか、守るかを注意してみていました。
 まず攻めの方ですが、特に左サイドが上手く機能していたと思います。西嶋が持つ、海本がチェックに来るが早いか西谷がその裏へ出ていく、西嶋から縦へボールが出る、西谷の応対に一柳が出てきて中央が空く…。前半はここが非常に上手くいっていました。が、東京Vも前半はリスクを冒さない戦い方だったので、最後の所ではね返されて決定的なチャンスは作れずじまい。
 一方の守備。こちらは右サイドが忙しかったですね。さっき書いた数的不利を打開するために東京Vはフッキが左サイドに流れてプレー。明らかにスピードで劣る西澤のところを崩しにかかり、開始直後から主導権を握りました。札幌は、「フッキが中盤にひいたときは芳賀が捕まえる」というプランだったようで、ディフェンスラインとの一対一を極力作らせないように頑張っていました。
 
【試合の締め方を誤った札幌】
 双方決定的な場面を作れず作らせず、という展開で勝負は大詰め。左サイドで西谷が粘って得たFKからまたしても曽田が頭で先制。時間帯も時間帯、あとは慎重に試合を運んで逃げ切りたかったところですが、前がかりになった東京Vの攻めにディフェンスがバランスを崩し、試合開始直後に問題となっていた右サイドを突破され失点。この場面、西澤は内にしぼっているのか見あたらず、砂川一人で守備している形になっていました。フォーメーション上の数的優位を保てなかったのが失点の原因。それと、前がかりに来られてディフェンスラインが下がっちゃいましたかね。結果、サイドで後ろから飛び出してくる選手を捕まえきれなかった。
 2点目は…まぁ、あれだ。しょうがない(苦笑)。ただここでもディフェンスラインは少々低すぎです。
 で、ロスタイムもほぼ尽きた最後のCK。ここで戸川が頭部を切り出血。東京Vの選手は「もう出血は止まっている」と必死に抗議、ディエゴは水かけて血を誤魔化そうとしていますが、そりゃ必死になるでしょう。治療で一人出ればフリーの選手が必ず一人できるということ。札幌としてはあとはそのフリーの選手を上手く見つけてそこに合わせればいいだけ。もちろんそれはとても難しいところだったのですが、まさかあそこでニアに早いボールを蹴るとはね。「曽田をはじめとして札幌の選手は高い」というのが頭にあったんでしょう。その裏をかいた、見事なゴールでした。
 


 
【今日のピカイチ君・イマイチ君】

  • ピカイチ君:西谷。良く動いてボールを引き出し、攻めに絡んでいたと思います。
  • イマイチ君:ブルーノクアドロス。ここで大事につなげれば…というところでの敵パスが目立った。

 
【今節の結果】[ ]内は出場記録・()内は通算得点

  • 注目ジョカトーレ・#15ブルーノクアドロス:バツカトーレ[○]
  • 今節のマルカトーレ:#4曽田(7)・#9石井(3)

 


 
 しかし、勝たなくてはならない試合でした。「引き分けでもいい」とかいうのはあくまで試合前の星勘定の上から見たものであって、試合展開から言うとプラン通りに無失点で来て、待望の先制点をあげたわけですから、絶対に逃げ切らなければならない。ちょっと前がかりに来られたからといって途端にバランスを崩しているようではいけない。それまでは、東京Vとしては「いくらサイドチェンジを入れてもサイドで一対一になれない」という感覚だったはずなのに、あの時間帯だけバランスが崩れた。何とも勿体ない勝ち点2喪失。
 次はアウェイ仙台戦。取り返すには格好の舞台です。


この記事に対するコメント一覧

MasaMaru

Re:第29節・札幌2-2東京V

2007-07-22 00:55

なるほど。今日は全体的にバランスは崩れていたと思いましたが、攻撃面で効果的に機能していたのですね。 守りでは西谷がいる分、右に隙ができるのは避けられません。後はそこを常にケアするのか、右では攻撃的に行くことで圧倒するのか。全体としての戦い方同様、もう一度はっきりさせた方が良い点のような気もします。

tottomi

Re:第29節・札幌2-2東京V

2007-07-22 22:15

>MasaMaruさん 左は機能していたと思います、前半は特に。 あと、攻めでは二列目の攻撃参加ですね。FWがサイドでボールを受けて、3バックを広げたところに芳賀が飛び込んでくる、というのが二度ほどあったと思いますが、あれが形になると厚みのある攻めができそうです。 西谷の裏は大塚と西嶋でカバーできているし、西谷も頑張って戻っているのでそれほど大きく破綻しているようには思えなかったですが、サイドに人数をかけてくる相手だとどうなるか、ですね。

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